INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第10章、繋ぐもの

ランドール大陸にて無事薬を手に入れた彩花たち。リレミア王国王子ミズキ

と王宮騎士団団長レプシスを加えクリミアに帰還、結果を待つのだった。し

かし現れたイグジステンスと戦いサナキは鎧の人物の正体を知り・・・
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「なんと・・・今は彩花の元にいるのか」

「はい」



椅子に座ったサナキは今も混乱が完全に治っていないように聞いていた



「・・・あれから考えたのだが、せっかく会えたのじゃ。またベグニオンに戻る
 気はないか?おぬしがいると軍は士気が上がる。喜ぶものも多いじゃろう」

「有り難きお言葉。ですが・・・お断りしておきます」



ゼルギウスの言葉にサナキは少し驚いた表情を見せた


「な、なぜじゃ?こういうのもなんじゃが・・・こっちのほうが待遇は良いぞ?」

「確かに。彼女のところは裕福とは言えません。ですが仲間たちと・・・
 何より私を受け入れてくれた彼女と共に過ごすあの場が好きなのです」

「むぅ・・・。そこまで惹かれる存在・・・か」



また別の場、ティバーンやライ、エリンシアがいる中少し複雑な空気と化していた



「お前が男だったら殴ってたところだったな」

「うっ」

「彩花、なぜこのようなこと、黙っていたのですか」



エリンシアに尋ねられ少女は視線と体を逸らせながら告げる



「だ、だって・・・みんな知ったら倒しにいくと思って」

「・・・あいつは、アイクはこのこと知ってるのか?」




「知ってる」

「その時奴はなんて言ってたんだ?」

「最初はみんなと同じように許せることじゃないって言ってた。けど・・・今のゼル
 ギウスはあのころとは変わってると思う。だから・・・アイクは私に任せるって」

「・・・・・・」



数秒間の沈黙が痛い。しかし知られたらこうなることはわかっていた




「・・・アイクがそういうなら・・・俺らに口出しする権限はねえしな」

「!じゃあ・・・・」

「この件はここまでにしてやる」



鋭さを感じるティバーンの言葉にため息をつくとヤナフが告げる


「しかしあのゼルギウスが・・・こんな小娘につくとはなあ」

「確かに意外っすね」



じろじろ見渡すヤナフに対して彩花は少し不機嫌そうな表情をする



「ゼルギウスはすごい。策略から商談までなんでもできるし頭いいし強いし」

「そんなの俺らでも知ってるっての。それがなんでよりにもよってお前に・・・」





疑うようなライの言葉に彩花は「ふっふっふ・・・」と笑うという





「なんたって私は、アクマリン団の団長だからね。一応!」

「アク・・・なんだって?なんだそりゃ」

「困ってる人を助けるの!グレイル傭兵団・・・みたいな?」

「なんだそれ・・・アイクの真似か?」



その時、一部の雰囲気が変わるのを感じ彩花の顔は引きつった



「どういうことですか。やはりあの頃と変わらず自ら危険なことに・・・!」

「わ、わーエリンシアストップ!」

「いいえこれだけは許せません!いったいどういうことなんですか!」




口調は穏やかなものの少し怒ったような姿に彩花は告げた



「あーわかったわかった話す、いろいろ話すから!」

「・・・・・・」



ふぅ、とため息をつくと彩花はしばらくの沈黙の後、口を開いた




「まずは一つ。私はもうあのころとは違う」

「・・・どういうことですか?」




質問に対し少女は立ち上がると手を前に出し開くと念じた。すると一瞬の光の後

手には一本の剣が現れ浮遊していた。そしてゆっくりその剣を握ると見せながら




「あの頃は神と知り合いだったただの人間。けど今は・・・神に『世界を護る』
 使命を託され、戦うことは・・・ある意味私に定められた運命とも言えるの」

「なっ・・・」

「これは神から授けられたもの。だから異変が起きた時は私が解決する義
 務がある。そして今回も・・・この話はサナキが元に戻ってからにしよう」

「どういうことだ、説明しろ!」



次の瞬間立ち上がり声を上げたのはスクリミルだった



「なぜおまえがそんなことになっているのだ!?」

「選ばれることに理由なんてない。ただ適合者だったから、神の力が使えると判断
 されたから。皆がラグズだったり王だったりするのにも特別な理由なんてない」

「く・・・」




「ランドール戦争の件はここと同じただの偶然。正直私は何もしてない。けど
 そのあとにこの出来事は起きた。だからもう私は・・・戦えない人間じゃない」

「・・・・・・」




言葉は何一つふざけていない。それが伝わったからこそ誰も何も言えなかった



「なら、グレイル傭兵団の真似事をしているのはどう説明する?」

「初めて戦場に立った時。デインでミカヤたちに助けられた時助けを求め
 ている人がいるのに無力な自分が許せなかった。だから力を得たなら助
 けを求める人を助けるべきだ、助けたいとそう思った。ただそれだけだよ」



誰が見てもあの時と少女は180度変わっていた。少女がこの場から去ってか

らもエリンシアやリアーネはどことなく晴れない様子でいた。そんなところに



「ゼルギウス殿」

「気分が優れないようだが」

「・・・ここ数年の間にそんなことが起きていたなんて・・・。ゼルギウス殿は
 ご存知でしたか?そういえば、塔で彼女と顔を合わせたと言っていましたね」

「はい。当時の私にも、まさかあの少女がこんな存在になるとは思わなかった」





「今は彼女と共にいるのですよね?彩花の様子はどんな感じですか?」

「・・・女王陛下、彼女は団長とはいえ活動にはあまり参加していないのだ」

「え?そうなのですか?」



意外、という声を発するエリンシアだったが気になったのは彼女だけではなかった



「はい。彼女は彼女で旅に出たり・・・別の場で学んでいたりしていましたから」

「学び?」

「・・・彼女はまだ我々に比べ幼く、彼女の国では成人するまで殆どの人が然
 るべき場で勉学に励む義務があるという。事情によって彼女は中断していた
 が・・・ほとんどそれに時間を費やしていた故、実は私も会うのは久しいのだ」

「では例の傭兵団は・・・」

「大体私と副団長の指示で動いてましたね。比べる所が場違いともいえるが、グレ
 イル傭兵団ほどちゃんとした活動はしてませんよ。彼らとは知名度が違い過ぎる」



傭兵団・・・と呼べるのすら怪しい組織だという。その内容は戦いよりも物資の

運搬の護衛だったりまたは手伝いだったり。震災で壊れた町の復興手伝いだ

ったり、エリンシア達が想像していたものとずっと違ったものだった



「犬の保護・・・などというものもあったな」

「随分と想像していたものと違いますね。彼女の事だからてっきり・・・」

「貴方たちが思うほど危険なことはしていない。だから心配はいらないだろう」




「漆黒の騎士あろう者がいるってのに宝の持ち腐れじゃねえか」

「・・・だろうな。だが私は今の生活が気に入っている」






また別の場、金属音が響き渡ると両者は息を切らせながら剣を下した






「まるで、別人ね」

「・・・そりゃもう。経験と・・・ゼルギウスに鍛えられたりもするし」



息を切らせながら手に持っていた剣を地面に刺すと少女は腰に手を当て



「あの時は細身の剣で精一杯だったけど今は鉄の剣まで持てますし!これがあ
 るから使う機会もそうないですけど・・・やっぱりこの力だけじゃ駄目ですから」

「あの時もそうだったよね。古書を借りては勉強してたよね」

「今も戦術書も少しはわかるつもり。でもセネリオにはまだまだだけどねー」

「でも彩花ってセネリオさん曰く魔術師としてなら賢者レベルなんだよね
 ?魔法だけで信じられないくらい強いのに何で剣まで練習してるの?」




ミストがタオルを手渡すとそれを受け取り汗を拭いながら少女は笑う




「これはただの意地」

「意地?」

「魔法もだったけど、それよりずっと剣を持つのは憧れだったから」

「もしかして、お兄ちゃん?」

「残念ながらそれは別の人。けど今はアイクも尊敬してるよ」



その時ふとミストが深いため息をついたことに気が付いた



「それにしてもお兄ちゃん遅いなあ・・・そろそろ戻ってきてもいいはずなのに」

「いつも数か月に一度は戻ってくるのよ。そろそろ戻ってきてもいい時期なのよね」

「そうなんだ・・・」



アイクが来たら大きな戦力になる。今回の異変の解決にもこれまでにない助

けになるだろう。だからこそミストを初め誰もがアイクの帰りを待ち望んでいた



「お兄ちゃんきっと驚くよ!彩花がこんなに強くなってるなんて!」

「聞いたときは驚いたけど・・・無理だけはしないでね?」




ティアマトの言葉に振り向くと少女は頷いた



「うん。けど今も人は斬れないし血は慣れないし、戦いが平気になったのは
 ある魔法をかけてるからなんだ。それがなかったら今も駄目だったと思う」

「前に言ってた見ないようにする魔法ね?」

「そう。元々は幻術魔法なのを応用したもの。自分にかけることによって対象
 の者を欺いたりすることができる。痛みも・・・ペインを使えば感じないし」

「まだそんな魔法が・・・」

「これはあの時じゃ覚えてなかったしね。けどどっちも使いようによっては自滅
 しかねない。特にペインは身体の悲鳴を無視するわけだから気を付けないと」






「主にそのアクマリン団とやらのまとめは彩花が?」



ある時、セネリオは尋ねた



「うん。けど依頼を受けたり商談をするのはゼルギウス。私にはそういう難しい
 のはわからないから。私の提案をゼルギウスがまとめて判断する・・・みたいな」

「話を聞いているとあの男の事を随分と信頼しているようですね」




ふと発せられたセネリオの言葉に呆気に取られると少女は振り向いた




「・・・なんですか」

「確かに、ベグニオンの将軍を務めてたっていう実績と漆黒の騎士っていう実
 力を頼ってるっていうのはあるかもね。策略に関しては他の人も詳しくないし」

「そんなので大丈夫なんですか」

「あっはは大丈夫。ギンやシズクは不器用だけど偵察は得意だし他
 の皆もプロ・・・とまではいかなくても努力家でいい人達ばかりだよ」




さらに数時間後・・・夕食を終えた彩花はエリンシア達と鉢合わせした




「お二人は仲がよろしいようで、見ていて微笑ましいですわ」

「うちは仲がいいことが取り柄だからね!」



エリンシアが笑いながら言うと彩花も返すように腰に手を当てそういった



「聞きました。思ったより変わった依頼ばかりお受けになるのだとか」

「いや、まあ。知名度的にそういったのばっかしか来ないんだけどね。それ
 でも今はわざわざ本拠にまで依頼に来てくれる人もいるからうれしいよね」



しみじみと少女は思い出しながら言う




「なんだっけ、タケノコ取りの手伝いだったり脱走した馬の保護だったり子
 供のお守りだっり。最初ゼルギウス豆鉄砲食らったような顔してたよね」

「確かに傭兵らしくないことをするとは聞いていたが想像を遥かに超えていた」

「あ、そうそう。テリウスにも依頼で来たことがあるんだよ。その時は畑の作物
 の収穫手伝いだったんだけど、この時はゼルギウス別のところにいたよね」

「あぁ。領家の書庫の整理の手伝い・・・だったか」



その時、ふふと笑ったエリンシアに2人の会話は止まった



「エリンシア?」

「あぁいえ、楽しそうに話すもので」

「けどほとんど私はいなかったりするからそういう時どんな感じなのか気に
 なるけどね。この際だから聞くけどどんな感じなの?何も問題起きてない?」




「ギンが張り切り過ぎること以外心配はない。他はいつも通りだな」

「ならいいんだけど。そうだエリンシア、もし時間があるなら私の国の
 話でもしようか?ラフィエルさんとか呼んで。ゼルギウスも聞きたい?」

「あぁ、是非聞かせてもらおうか」




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次回

彩花の言葉によって開かれた国全体による会議。エリンシアやミカヤを初め

龍のラグズが生きることで知られているゴルドアのクルトナーガも姿を見せる

彩花が彼らを呼び出したのは、ほかでもない重要な理由があった・・・



次回 第11章、「前代未聞の提案」

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