INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第2章、天の申告

スマブラの解散から数年後、彩花はクリミア王女の元を訪れる。懐かしき面々と

の再会に喜んでいた一方スターフォックスの一員スリッピーから奇妙な通信が入

る。内容に引っかかるのだった。そしてこの国でも未だ争いはあるようで・・・
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「皆の者、多忙の所急に集まって貰った事感謝する」

「なんだか久しぶりですね」

「そうだな。なんだかんだそれぞれ忙しくて会う暇すらないからな」


円卓を囲むように人が座っており中には人とは一概に言えない姿をしている者も

いる。そこまで広くない部屋ではあるもののこの少人数だが一人ひとりの発する

空気は尋常なるものではなく、威圧感を感じさせ彼ら、彼女らの偉大さが感じ取

れるようだ。だが互いは共に戦った仲という事もあり一体感を感じさせる




「で?用はなんだ?急ぎの用だと聞いたのだが」

「えぇ。実は・・・あの時以来・・・ユンヌの声を聞いたんです」

「ほう?だがただの世間話で俺たちを呼んだわけではないだろう?」








「・・・ユンヌから、いずれ巨大な災いが降りかかると聞いたのです」

「・・・なんですって?」

「ミカヤ、それは本当なのか?」




緑色の髪の青年が尋ねるとミカヤは頷いた。しかしそれが何かはハッキリしな

い事、そしてそれはかつてあったような大陸内の争いではなく、得体の知れぬ

外部の者からだと伝えると部屋にいた誰もが顔を歪ませた





「外の大陸の連中が攻めてくるっていうのか?」

「・・・人間のすることをわざわざお告げで言うでしょうか?」

「それはわたしも思っておった。ユンヌが告げた事。ただ事とは思えぬ」

「今さら嘘とは思わないが・・・なら本人に訊くのが一番ではないか?」



赤髪の男が告げると数人も同意の意を示すように頷いた




「普段立ち入り禁止とはいえ何か起きてからでは遅いだろう?」

「既に行っておる。虚言だけで招集などできぬからな。だが・・・姉上と共に向か
 ったものの頂上の扉は開かず、ユンヌやアスタルテに会う事すらできなかった」

「そもそもあの戦いの後あいつらは一つになったんじゃないのか?」

「そ、それは・・・。姉上、一体どちらの声を聞いたのじゃ?」







「ユンヌと共にいた時間が長かったから。聞こえた声をついユンヌだと・・・」

「まあ、どっちでもいいか。真意を確かめる事は出来なかったと」




腕を組み茶色の翼を持つ男が告げると辺りの様子を伺いサナキが口を開いた





「警戒しておくに損はない。この事を伝えようと思ったのじゃ」

「そうですね。各国警備を強化した方がよさそうですね」







彩花がクリミアに来てから数日、王宮騎士団とライ達は城から離れた場に来ていた








「見た事もない生物とグレイル傭兵団が戦闘・・・ねぇ」

「兵からの報告ではラグズでもなくベオクでもなく、これまで見た事もないという」




この地には人の姿をした2つの種族が生息している。そのうちエリンシアを始め

人間の姿をしているのがベオク、一定時間の後獣の姿に変える事が出来る種族は

ラグズと呼ばれる。それ以外の生物は動物意外に存在せず報告によると動物にし

ても見た事もない姿だという何とも不可解で過去に例のない事態だ



「そろそろ報告にあった場だ!」





緊迫感漂う言葉に正面を向くとやがて広い場に出て数人が戦っている姿が見えた



「なんだあれは・・・?」


一人が声を発し前を見ると確かにそこにはこの地では見たことのない生物がいた




「グレイル傭兵団を援護する。総員、戦闘用意!」





掛け声と共に駆け出すと数人の間に大勢の軍勢が割り込み生物達は兵士によって

囲まれる。かつて裁きを解いた勇者と呼べる実力者達と数の前に魔物は倒され光と

なって消滅していった。武器を下すとライ達の元へ傭兵団の一人が歩み寄っていく



「・・・助かりました」

「軍師殿、さっきのあれは・・・」

「僕たちにもわかりません。移動していたら見えたもので近づいたら・・・」

「急に襲いかかって来たのよ。あんな生物、見た事もないわ」





ふとライはリーダーの姿が見えない事に気づいた






「・・・アイクは?」

「アイクなら旅に出るとか言っていませんよ」

「珍しいな、軍師殿が同行していないとはどういう風の吹き回しだ?」

「勘違いしないでください。・・・今回は一人で強い相手を見つけたいと」



どこか納得いかないように言うがこんな表情ももはや通常通りだと苦笑いする



「そうだ。今俺達クリミア城にいるんですけど、面白い奴が来てますよ」

「面白い奴?」

「あぁ。もし急ぎの用がないなら来ないかい?」




エリンシアとルキノと共に落ち着かない様子で待っていると兵士がやってくる



「王宮騎士団、帰還しました」

「ご苦労様です」

「グレイル傭兵団も一緒のようです。詳しい事は彼らから話したいそうです」

「わかりました。通してください」




部屋に彼らが戻ってきたとき、傭兵団副団長ティアマトはあることに気づいた




「何故貴方がここに?」



真っ先に言葉を発したのはグレイル傭兵団副団長であるティアマトだ。彼女ら

とも顔見知りであるが彩花はここの出身者ではない。故にまたこの地にいる事

に驚きを見せた。そんなティアマトの問いかけに彩花は苦笑いしながら答えた



「偶然?クリミアに遊びに来てたっていうか・・・」

「クリミアに?あの後自力で来られるようになったんですか?」

「あぁ、うん。あの時は流されて偶然・・・だったけど帰った後地図で調べ
 て、それで今回ここへ来られる大陸からテリウス行きの船に乗って来たよ」




「そうだったの。久しぶりね。元気そうでなによりだわ」

「ティアマトさんこそ元気そうでなによりです」




時は経ち、エリンシアはジョフレとティアマト、ライから事のすべてを聞いていた



「そんなことが・・・」

「会議にあった事と何か関係があるのでしょうか?」

「かもしれませんね。ジョフレ、言った通り警備の強化をお願いします」

「はっ」



この頃、まだ彼女たちは大陸内だけのちょっとした怪奇現象だと思っていた

まさかこのきっかけが、世界と空間を繋ぐ想像しえない出来事になろうとは



「・・・おい」

「んげっ」



廊下を歩いていたとき声をかけられ振り返るとそこにはレテの姿があった



「な、何か用かな」

「・・・そんなビクビクされると腹が立つな」



イライラしたようすで告げるレテに思わず聞き返す


「ライからお前と仲良くしろと言われた。だが私は弱い奴と仲良くする義理はない」

「う、うー・・・あー・・・」



過去にライに彼女と仲良くなる方法を尋ねた。ラグズは基本認めた相手としか

交流しようとしない。つまり仲良くなるためには彼女に認められる必要がある



「あ、お姉ちゃんこんなところにいた!」

「リィレ」


その時後方からレテとよく似た姿の少女が駆け寄ってきた


「初めまして。私リィレって言うの!」

「リィレ!・・・」


叫ぶものの何かを言いたそうにしながらも彼女は口を閉じた


(この二人、よく似てる。もしかして・・・)


「前はお姉ちゃんが大変だったんだって?私はそんなことしないから安心してね!」

「ええと・・・二人は・・・もしかして姉妹?」

「うんそうだよ!私が妹でこっちがお姉ちゃん!」



姿かたちは似ているものの性格は反対のようだ。そんなことを思っているとレテ

は振り返り歩き出してしまう。彩花とリィレは立ち去ろうとする彼女の方を向くが



「ふん、とにかく気安く話しかけてくるなよ」

「・・・話しかけてきたのそっちじゃ・・・」







それからしばらく後、クリミア王宮内ではある異変が起き始めたことによる対

応と調査で慌ただしくなっていた。バタバタと兵士たちも忙しそうに走り回る





「ここ数日だけでこんなに・・・」

「ああ。神使様たちのお蔭ですぐ対応は出来たが、何だったんだあれは」



ふと廊下で見かけた兵士たちもあの話をしていた



「見たこともない、過去の文献にもない生物。人の形にすらなってないじゃ
 ないか。クリミアを初めどの国も見たことのないとパニック状態らしいしな」

「これが言われていた『何か』なのか・・・?」







「エリンシア様、デイン王国より救援要請!例の生物が出現したとのこと!」

「!」



兵士の言葉でエリンシアを初めその場にいた人たちの表情が変わった



「デイン城下町で現れたそうで現在交戦中。しかし数があまりにも多いそうで」

「エリンシア、見たこともない生物って?」

「ベオクでもラグズでもないそうです。ジョフレは説明できぬ姿をしている・・・と」

「変だね。テリウスにそんなの今まで見たことないんでしょ?」

「ええ。わかりました。今すぐ準備を」

「はっ」



城内が慌ただしくなると精鋭である彼らも防具を身に着け準備を始めた



「被害は甚大で、何よりも出方がまったく予測不可能だそうです」

「エリンシア女王、グレイル傭兵団も出ます」

「なら私も・・・」



そう言いかけた時、驚いたようにティアマトさんは振り向いた



「けれど・・・未知の相手よ?貴方はエリンシア王女と一緒にここで待っていて」

「でも」

「私はあの時の事を忘れた気はないわ。もう2度と、あんな目には合わせられない」

「・・・!」



度重なる足音とともに彼らの姿は遠くなっていく。そんな姿を見送りなが

らエリンシアは無言でいた少女の方を向くと少し悲しそうな表情を見せた



「彩花。彼女たちなら大丈夫です」

「・・・・・・」



目的地についたかれらはその場を荒らしに荒らす生物をその目に捉えた。言

葉を発することなく本能のまま破壊行動を起こす存在に向けて武器を構えた






また、別の場。クリミアにいたエリンシアと彩花の元へある人物がやってくる







「以前お逢いしたとサナキ様は仰ってましたが・・・こうして言葉を交わすのは
 初めてでしょうか?私、ベグニオン天馬騎士団団長のシグルーンと申します」

「は、初めまして。私は・・・彩花と申します。ご存知かもしれませんがこの大陸の
 者ではなく・・・日本という国の者です。場合によっては呼び名が変わりますが」

「まあ、ご丁寧に」

「ところでシグルーン殿、何か御用があっていらしたのでは・・・?それに彼
 女を呼んだのは何か理由があるのでしょうか・・・?彼女に何か関係が?」

「その通りですわ。ではさっそく本題に入らせていただきますね」






「ベグニオン帝国内にある導きの塔はご存知ですね?」

「はい」

「サナキ様と共にそこへ行って欲しいのです」



その言葉にすぐ反応したのはその場にいたエリンシアだった



「え?どういうことですか?・・・詳しく話をお伺いしても?」

「構いませんわ。以前サナキ様とミカヤ様が導きの塔へアスタルテとユンヌに
 会いに行ったのはお話ししたかと。そこでもう一度行ってみようとサナキ様が」

「・・・何しに?」



エリンシアとシグルーンは彩花に数日前行われた会議の内容を告げた



「最近報告も多く上がる未知の生物。人里を襲ったり破壊したりと害であることに
 間違いはなくサナキ様はこれがミカヤ様の言っていたことではないかと。そし
 て事態が悪化する前にもう一度話を聞くことができぬか確かめに行くそうです」


さらにシグルーンは告げる


「本来ならミカヤ様もご同行頂きたいですがあいにくデイン王国は中でも未
 知の生物の攻撃を受けており今回は2人だけで・・・という形になりました」

「ご質問しても?」

「どうぞ」



穏やかなシグルーンに対しエリンシアは一瞬横を向くと尋ねた



「サナキ様がご確認に行かれるのは理解致します。ですが何故彩花も?」

「女神と言葉を交わしたのはサナキ様やデインのミカヤ王女、そしてアイク殿
 くらい。数が少ない中サナキ様はここにいると聞き彼女の名を発されました」

「彼女も女神と言葉を交わしたから・・・でしょうか?」

「おそらくは。更に付け加えると他の神とも面識があったから・・・でしょうか」




それから彩花はクリミア王国を離れシグルーンとともにベグニオン帝国にやってく

る。サナキを初めベグニオンの兵たちと合流すると導きの塔への行軍が始まった



「そう緊張するな。そう見た目は変わらぬのだしな」

「いや、あの・・・君のその話し方が緊張させるっていうか」

「そうかの?」




「わかっててもいざ目の前にするとこうなっちゃうんですよ。以前どんな風に
 会話してたかすらも曖昧だし。会話したっていってももう何年も前の話だし」

「いつ敵襲を受けるかもわからぬ。警戒だけは怠るでない」




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次回

サナキとともに『導きの塔』に向かうことになった彩花。道中噂になっていた

未知の生物からの襲撃を受けながらも突破したどり着く。その先に待ち受け

ていたものとは。ベグニオン帝国は未知なる存在の正体を掴もうとするが・・・


次回 第3章、「曇天なる明徴」


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