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INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログ

第6話、虹の歌姫

紫音は作曲した彩花の正体が数年前日本中で話題になった『虹の歌姫』だと

知る。短期間で行方知れずとなった存在が明らかになったというにわかにも

信じられない現象に真意を確かめるため今回の合同企画が催されるのだった
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「・・・なんで俺らまで・・・」


部屋の中呟いた人物に対し沙織は笑いながら言った


「まあまあ、人数は多い方が楽しいと思わない?」

「確かにカラオケは多い方が楽しいけどよ・・・」


最初この企画を聞いたとき参加する気はさらさらなかった。だが今

自分はここにいる。この人物たちに半強制的に参加させられたのだ


「でも残念だったね。彩花も一緒に出させようとしてたのに」

「出るんじゃなくて出させるのか。まああいつもこういうの好きでやるタイプ
 じゃないし言ったら断りそうだけどな。しかし生徒会ととか息つまりそうだな」

「素晴らしい!授業をサボってもサボったことにならずサボれるなんて!」

「それが目的かよ!」


緋香琉に対し鋭いツッコミが入ると機械を操作していた青空が顔を上げ告げた


「あぁそうか。生徒会も参加してるんだっけか?」

「生徒会内でシャッフルして分けたみたいだねー。ちなみに第一の会長と同じチー
 ムらしいよ。後は副会長さんや第二生徒会の副会長さんも同じグループだって」

「それ本人に聞いたのか?」

「いんや?」




「・・・んまあ、話で聞く限りいいやつらしいぞ副会長ってのは」

「これ、前沙織が言っていた音源挿入口?」



わいわいと話している中クロスが機械を見ていると沙織が近づいて頷いた



「そうそう!すごいなあ、最先端だね!」

「なんだ?それ」

「知らない?マニアックな曲ってカラオケ入ってない場合とかあるじゃない?
 そういう時にカラオケ音源持ってるとプレーヤーと繋いで歌えるってやつ」

「へえ、そんなのがあるんだ」

「まあ歌詞は出ないんだけどそのうち順番に他のところも導入されていく予定
 って聞いたかな。それにしてもカラオケ店丸まる貸し切りにしちゃうなんて」

「大手の考えることはすっげえなあ」



現在は誰も歌っていないが画面からは音楽と文字と声が流れている



「・・・やっぱりそれを目指してるだけあってうまいよなあ」

「・・・ねえこれ、運が良ければ紫音とか彩花の歌が聞けるのかな?」

「あー・・・どうだろうなあ。あいつ流れるって知ったら何がなんでも歌わなさそうだし」


その時扉が開くとコップをいくつも持った啓の姿が現れた


「皆さま、お飲み物をお持ちしました」

「あ、ありがとう」

「サンキュ。・・・で俺らはともかく北条がいるのが不思議なんだが・・・そんなに
 仲良かったのか?それにそれ大道芸かって感じにすごいことになってるし」

「よく落とさなかったな。だから俺も一緒に行くって言ったのに」

「いえいえ、この程度なんともありませんよ」

「まじかよ」


慣れた手つきでそれぞれのテーブルの上にコップを置くと椅子に座る


「ところで北条『お嬢様』とやらはいいのか?」

「え?」


((・・・そういえば青空(伊藤)は彩花の事知らないんだった))



青空以外の人物たちが苦い笑みを浮かべていると何一つ変わらぬ表情で



「えぇ、問題ありませんよ。お嬢様はご友人方と参加なされてるので」

「そうなのか」





「HEY!!・・・皆は歌わないの?」

「強制参加なのでここにいるだけですし会長好きなだけ歌ってください」

「わ、私も同じく」

「もうみんなノリ悪いなー。ユキちゃん歌う?」

「だからユキちゃんはやめてください。好きなだけ歌ってください」

「よーし次入れちゃおう~!」



本来なら『遊び』に入れられるカラオケだからか生徒の意欲も悪くない

前回のライブからのこの交流はある意味良作とも言えるかもしれない


「今のところ特に問題は起きていないようですね。両校の生徒を混ぜるこ
 とにより身内だけ・・・という事にもなりませんし若干の壁はあるでしょうが」

「そうですね」


賑やかな雰囲気が漂う一方、学園長は流れてくる音楽を聴いていた



「・・・・・・」

「なかなか・・・歌いませんね」


時刻は終了時刻へと刻々と迫っていた。終わりに近いというのに本来の目的

だった彼女の歌は未だ一度も聞けていない。そのことに若干不満そうに言う



「見た感じとてもそんな偉人には見えないけれど?」

「確かに、彼女が本当に『虹の歌姫』だとしたなら私の知る姿と明らかに違う」

「・・・というと?」


Dropsの一人が言葉を発すると学園長は考え込むように答えた



「過去に彼女と共演したことがある」

「・・・学園長が?」

「まだ私が社長と兼任していた頃、僅かしか姿を現さなかった彼女と同
 じ番組に出演したのだ。その時のトーク時私は彼女にある質問をした」



Dropsのメンバーだけでなく呼び出された紫音も言葉を聞いていた



「質問とは・・・なんと?」

「『君はどんな歌手になりたいか』。彼女はこう答えた。『聞いている人が笑顔に
 なれるようになりたい』と。その番組では彼女が歌い私も実際に聞いていた」

「・・・至ってどこでも聞くような答えですね」

「10にも満たない子供などそんなものだろう。その頃の彼女はお転婆な感じで
 休憩時間もスタジオを走り回っては父親に怒られていたよ。けど今は真逆だ」



時計の針を見ると学園長は立ち上がる



「さて、そろそろ時間も迫っている。・・・最終手段に出るとしよう」




「会長ー、副会長ーそろそろ時間も迫ってるんで司会室に来てくださーい」

「あ、そろそろ行かないと。みんな、ガンバ!」

「会長声が・・・」

「だって私とのーちゃん以外誰も歌わないんだもん!」




残り20分、中には歌い疲れた人も出る中放送がかかった



『皆さんにお知らせです残り20分となりました。中には歌い疲れた人もいるので
 はないでしょうか?点数も現在僅差となっておりまだまだ勝負はわかりません』

『そこで今からランダムに指定された部屋同士でガチンコバトルをして
 もらいます!尚ここで歌う歌はこの放送を通じて全部屋に流れます!』



その瞬間、賑わいとは別の方向に生徒たちがざわめきだした



「・・・ええっ!?」

「歌が流れるのか!?」

「しかも全生徒に!?」



『それではルーレット・・・スタート!!』


ここにいる全生徒と学校にいる全生徒に流れるとなると一般生徒のほとんどが

当たらないことを祈っていた。各部屋が緊張した空気になる中彩花達の部屋の

扉が開き京進学園の生徒会の2人がやってきた



「すみません、集計の手伝いに数人来てくれませんか?」

「わかりました」


さらに扉が開くと見慣れた姿が現れた


「あれ、沙織」

「やっほー。先輩、ちょーっと来てもらっていいですか?」

「・・・何?」



こうして司会と集計手伝いと謎の呼び出しで部屋に一人だけになり振り向く

と対決する部屋番号が画面に映っていた。その瞬間画面を見ては固まった



「私たちは青チームの計算をするので桜丘の方たちはそっちをお願いします」

「わかりました」



学校に残っていた生徒たちのポイントは30分前に締め切っていた。箱

に入った紙を取り出すと両校の生徒会役員たちは集計に取り掛かる



「沙織ん、何かあったの」

「いやー、私も聴いてみたいなと思いまして」

「・・・?」




『それでは次赤チームの代表者、ミュージックスタート!』



青チームの歌が終わり赤チームの合図が流れると曲と歌が流れだした。流れ

る曲と聞き覚えのある声に紫音を初めとし部屋にいた数人の表情が変わった



「この声・・・!」

「え?・・・まさか・・・この歌が?」


歌を聴きながら笑みを浮かべた学園長を見ると紫音は尋ねる


「一体どうやって・・・」

「彼女を歌わせることくらい簡単さ。何せ彼女自信『歌』が好きなのだから」



青チームの歌に負けないほどの歌声に生徒たちは静まり聞き入っていた



「今歌ってる人もあっちの人かな?すごく上手・・・」

「でも知らない曲だなあ」



それから少しの時間が経ち・・・


『皆さんおつかれさま!私もハッスルしすぎて喉がガラガラだあ・・・!楽し
 めたかな?私は楽しかった!今後もこうやって交流できたらと思います!』



合同企画は無事終了し彩花の元に紫音がやってきた



「企画お疲れさまです。とても有意義なものでした」

「お、お疲れ」


何故紫音がここに?そんなことを思っていると彼女は口を開こうとする


「・・・・・・」

「紫音?」

「・・・『虹の歌姫』・・・だそうですね」



問いかけた直後、「え?」と彼女は唖然としていた。しかし言葉の意味に気づき



「!・・・あぁ・・・・・・」

「あれ程の才能を持ちながら・・・アイドルを目指さないのですか?」

「うーん・・・」

「私、彩花ならトップアイドルになれると思うのです。学園長やDropsの皆さ
 んもあれ程実力があるのに眠らせておくのは勿体ないと嘆いていましたよ」




疑問を問いかけると少女は唸りながらもなかなか答えを言おうといしない。紫音

はかつて彼女と番組で共演したことのある学園長から真相を聞いていた。多くの

芸能事務所が彼女を所属させようとスカウトしたが全て断ったのだとか




「何故・・・すぐに消えてしまったのですか?」



「確かに歌うのは好きだしその頃歌手になりたいって思ったこともあった。で
 も別の夢があったから。書かされた夢じゃなくて、本当の夢を見つけたから」

「本当の夢?」

「実は紫音の学校の校長先生がね、過去にテレビで一緒に出たことがあるら
 しくて、私の事に気づいてうちの事務所に入らないかって言ってたんだよね」



その瞬間紫音は驚いた表情を見せた



「けど断ったよ。あの頃より大きくなって思うんだ。確かに歌うのが好きで多
 くの人に聞いて欲しい。けど生きるために歌うのと歌いたくて歌うのは違う」






「何故ですか?」

「歌手になると聞く為にはお金を払わないといけない。私はお金を得て聞いてもら
 うんじゃなくてお金がなくても苦しんでる人に、悲しんでる人の前で歌ってそうい
 う人達を笑顔にしたいんです。私は、お金の為に、生きるために歌いたくはない」
 
「・・・・・・」

「歌手になりたい人は他にも沢山います。その人の願いを叶えてあげてください」





「ってね。それに紫音、私が得意なのは歌だけで踊りとかできないし
 、アイドルとか無理無理。人と関わったり話すのだって苦手なのに」

「そう・・・ですか」



(少し・・・残念です。彩花と共演できたらどんなに楽しそうか・・・)



「紫音、紫音の活躍、楽しみにしてるよ」

「え?」

「だって知り合いがテレビに出るとかちょっと凄いじゃん?」

「・・・ふふ、そうですわね」




紫音と別れると聞いていた人物がいることに気づかぬまま少女は呟いた







「それにもう・・・あの頃のようには歌えないし」

「?何か言いました?」



紫音が尋ねると少女は「何も」と笑って返す。だが彼女が去ってから



「……」



どこか遠くを見つめながら、彩花は何かを思い返していた



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次回

沙織の住む新宿の町で行われる秋祭りの手伝いをすることになった彩花

達。そこに現れたのはあの新宿だった。思わぬ接点に驚きながらも、別の

場で別の事態は動き出す。そしてある日、啓の兄が来ると知らされるが・・・


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