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INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第4話、輝きへの想い

父の頼みで引き受けた手伝い。偶然にも出演者の中に作曲家がおり彩花は作曲

の為のヒントを得て曲が完成する。更に良いものにしようと手を加える一方紫

音も磨きをかける。そんな中抜擢された5組がライブに出られるらしく・・・
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こうして留学最終日が終わった後日、彩花は再びテレビ局に来ていた



「おお、来たか」

「はいこれ。じゃあ」

「ちょっと待って。今PCは持ってるかい?」

「持ってるけど?」

「実は・・・」



父が言葉を続けようとした時、何かが割れるような巨大な音に言葉は止まった




「何の音だ?」

「たた、大変だ!三階の撮影スタジオに化け物が・・・!」

「化け物・・・!?」


テレビ局の人が叫ぶと血相が一気に変わる。局内は一瞬でパニックに

陥り下には出口へと駆け出す人々の姿と誘導する警備員の姿が見える



「私は他のスタジオに伝えにいくので非常口から避難してください!」

「放送では駄目なのか?」

「いくつか回線がやられて放送が届かない所もあるので・・・」



迷いが生じる。しかし学校とは違い他に戦える人はいるわけもなく




「く・・・」

「彩花、早く・・・」

「お父さん、先に逃げてて!」

「え?あ、おい!?」




勢いよく駆け出すとエスカレーターを駆け上り音のする方へと走る。扉を開けると

道化師のような魔物が数体攻撃を発し即座にネールの力で弾き返すと剣を構えた



弓を構え狙いを定めると命中し空中にいた道化師は消滅する。周りに撮影セットも

あるがそんなものを気にしているほどの余裕はなく魔法を使わない事しか頭にない




「後一体・・・!」




弓を剣に変え唯一地面に立っていた道化師に向くと道化師は不気味な声を上

げた直後右腕を横に傾けた。そこから魔法が発され壁が粉々に砕け穴が空いた


「なっ・・・!?」

「クケケケッッ」


不気味に笑うまま穴をくぐると次に迫る壁を壊しては逃走しだす



「なっ・・・待て!」


逃がさまいと同じく空いた穴を通るが距離は一向に縮まらず、立ち止まると弓を

構え矢を放つ。見事命中したものの急所を外れたようでふらつきながら進んでい

く。魔物は壁を突き破りカメラを構えていた人物達は物音に気付くと顔を離す



「なんだこれは・・・!」

「ば、化け物・・・!う、うわああああ!」

「なっ・・・!?」



数人が蒼白した表情で逃げ出すと反対側にいた青年は見開いたまま魔物を見

ていた。別のスタッフが逃げるように声をかけるが青年の耳には届いていない



「クケ・・・ケ・・・」

「く・・・来るな・・・来るな!」


刃にもなっている右手がキラリと輝くとそれを見た青年は拒否するように呟

く。そんな言葉とは裏腹に魔物は不敵な笑みを浮かべたままゆっくりと青年

に近づき腕を上げ、切羽詰まった青年はかつてない大声を上げた



「う、うわああああっ!」



振り下ろされた瞬間青年は四足歩行で間一髪避けるが壁に手をつき魔物は向

き直る。パニックの影響か出口はすぐそこにあるのに判別できていないようだ



再び刃が振り下ろされた時、強く金属で打ったような音が響いた。フロルの

力で青年の前に現れた彩花は剣を構え道化師の攻撃を受け止めていたのだ


「・・・・・・」

「このっ・・・!はあぁっ!」




押し返すと持ち直し勢いよく剣を振るうと魔物はその場に消滅していった





「・・・・・・」




青年が呆然と起こった事を理解できずにいると手から剣は消え彩花が振り返る


「・・・・・・」


彩花もまた見知らぬ人とは言え誰かに見られたという焦燥感に


「あ、あの・・・怪我とか・・・ないですか?」

「え?あ、あぁ・・・」

「そ、それならよかった」


安心したように息を吐くとそそくさと立ち去るように扉を開け廊下を歩いて

行った。彩花が去った後も自分が無事でいた事に、起きた状況がわからぬ

まま青年は呆然としていた。各局で襲撃がニュースにもなったある日・・・



「で、どうだったよ?紫音の学校は」

「本格的過ぎて目指す人が集まるだけはあるなーって感じ」

「なあなあ、一体どんな事をしたんだ?やっぱダンスとか?」

「あーやったやった。後は歌の練習とか・・・」


見慣れた顔と普通の学校にどこか安心していた。いかに芸能界が普通ではない

世界かを思い知らされたわけであるが全てが終わった訳ではなく、紫音の試験

が残っている。だがこちらの留学は終わり、試験は見に行けないという



「・・・あ、そろそろいかないと」



携帯電話を確認すると時間を見て彩花は告げる。それにクロスは疑問形で



「何かあるの?」

「またお父さんに呼び出されてね。最近こういうのが多いんだ」

「?何か手伝ってるの?」


少し言葉を濁した後、苦笑いしながら鞄の紐をかけ直すと彩花は言う


「前にお父さんが帰って来た時曲の事を話して。そしたら実際の現場を
 見て雰囲気を感じた方がなにか掴めるんじゃないかってテレビ関係の
 手伝いをしたんだけど・・・その関係でここ最近手伝いをしてるんだ」




すると緋香琉達はいまいちわからないように疑問符を浮かべていた



「お父さん一応博士だから。たまに分野の番組に解説とかコメンテーターと
 して出る事があるんだ。日本の番組に出ることはそう多くないけど・・・」

「手伝いって一体何を?」

「最初はテレビに使うポケモンの付き添い・・・みたいな感じだったんだけ
 どこの間はちょーっとだけテレビの企画を考える会議の見学をしたんだ」

「なんかすごいな。一体どんな感じだったんだ?」





「紫音の学校の事もそうだけど当たり前に見えてたものが180度変わったとい
 うか・・・出演者の選定とか音楽や映像も許可をとらないといけなかったり・
 ・・スケジュールもしっかりしてすごいお金と努力が掛かってるんだなって」

「そうなのかー」

「確かに、出演者もまずは事務所に許可を貰うらしいしね」

「まあ、そういうわけでじゃあっ」



駆け足で教室から出て行く姿を4人は見送っていた。場所は変わり紫音は

一室で瞑想していた。そして試験当日、審査員となる講師達の前に立つと



「白桜律紫音です。よろしくお願いします」



一礼すると立てられたマイクの前に立つ。緊迫した中スピーカーから音楽が

流れ出すとリズムを刻み、紫音は歌いだした。声は音となり部屋中に響き渡る



『紫音、明日は頑張って』

『ええ。無理を言ってまで作ってくれたのですから、絶対に合格してみせますわ』



また別の場、桜丘高校では授業中時計の時刻を見ると彩花はシャーペンを握る

力が強くなった。透明ガラスを通して担任の教師と作曲科の生徒、また、同じく

試験を受けた、または受ける前の生徒達が紫音のパフォーマンスを見ていた



「・・・ふぅ」




一礼をし扉をくぐると紫音は小さく安堵の息を吐いた




(・・・やれるだけの事は精一杯した。後は結果を待つだけ)




数日後、紫音に呼ばれ門をくぐった瞬間紫音の表情が明るくなり駆け寄っ

てきたと思うと視界が遮られた。突然のことに彩花が驚いた様子でいると




「やりました!試験・・・合格しました!」

「!・・・本当・・・?」

「えぇ・・・!」




紫音の声に同じく喜びの声を上げかけたが彩花は慌てたように告げる



「し・・・紫音、実は・・・藤咲君のアドバイスもあって完成出来たんだ」

「驚いた。あれは・・・一般生徒が作ったものとは思えない出来だよ」

「え?あ・・・」



視界の先にいたのは紫音の担任である先生と藤咲鳴海の姿だった



「ふ、藤咲君」

「そうですの?」

「あ、あぁ・・・うん。私はあれで完成のつもりだったんだけどね。後から『何か
 が足りない気がする』って変な感じがしたんだ。けど何をどうすればいいのか
 全然思いつかなくて、そうしたら藤咲君がアドバイスをくれてこうなったんだ」

「初めて聞いたときも言ったけど僕自身彼女を良く知ってるわけじゃないけ
 ど、イメージが明確になってて彼女をイメージするのに適してる歌だなって」

「・・・・・・」

「相当の洞察力がなければあれほどの曲は作れない・・・と俺も思った。本当
 に君は業界にいた事はないのかい?趣味にしては出来が良すぎるし・・・」





「そ、それは・・・」

「趣味にしておくのがもったいないくらいだ」

「・・・ライブの出場権は得られませんでしたが・・・ありがとうございます」




「けど、トップアイドルになるにはまだまだよ」

「!」


突然聞こえた声に振り返るとこの学校の卒業生であるDropsがいた



「Drops!?」



紫音も驚きの声を上げると口に入れていたロリポップを取り出すと先端を突きつけ


「言うなら、ここはまだ入り口すら立っていない。試験なんて身内に認
 められたくらいで満足してはその程度。・・・この先生き残れないわ」

「貴方のためにいうけれど、実際私達も貴方の歌を聞いたけど・・・表現力や
 歌唱力、まだまだ荒いところが腐るほどある。40点・・・ってところかな」

「・・・・・・」

「きっと業界から見たら、大したことない・・・という評価でしょうね」

「・・・っ!」


辛辣な一人の言葉に紫音は目を見開いた




「貴方レベルなんて腐るほどいる。ここはそういう世界なの」

「なっ・・・」

「・・・・・・」

「その程度の覚悟ならこれ以上上には行けないわ。遊びならアイドルは諦めなさい」



次々発せられる言葉に思わず彩花の口が開いた



「そんな言い方・・・遊びな訳がない!あんなに努力して練習して・・・」

「貴方、一般校の生徒らしいわね?交流留学で来てたとか」




「数日ここにいただけで業界の全てを知った気でいる?」

「っ!?」

「甘い。甘いわ。ここはそんな甘い世界じゃないの。努力?そんなの当たり前よ」




ふるふると震える紫音を見ると何かを言い返したくなるが言葉が浮かばない




「けど・・・」

「一部を除いてこの業界は実力が全て。お嬢様だからって優遇されることはないの」

「・・・・・・っ」



彼女の言葉が紫音の頭に響く。その時頭に浮かんだのはかつての自分



危険な事は何もなく、通学も車、常に守られていた。成績に家族や使用人たち

は私を褒め称えてくれた。たまに怪我をした時も大袈裟にも医者を呼んだり検

査をさせたり、いつも私は安全が約束された道を歩いてきたと思う




「・・・私は、本気です。これは遊びではありません!」




拳に力が入ると声を荒げ叫んだ声に彩花など誰もが驚きの表情に変わった




「実力主義だということを承知の上で私はこの世界に入ったのです」

「・・・・・・」

「そのためにはまだまだ高みを目指しますわ!!」





「先輩方には足元にも及ばず至らぬ点も多くあると思います。ですが私の
 家名を持って、私の夢がく『本気』であることを証明して見せます・・・!」
 
「・・・・・・」

「正当なる評価、感謝致します。先輩方の言葉を胸に留め、一層励みます
 わ。そしていつか・・・貴方たちと同じ舞台に立てるよう、尽力いたします」

「・・・その姿勢は評価に値するわ。素直なのはいいことね」

「口だけでなければいいけれど」



背を向け去っていく彼女達の姿を紫音を始めとした彩花と藤咲鳴海は見て

いた、そんな様子を遠くの窓から見ていた白い髭を生やした人物、この学校

の校長はイスに座ると『ライブ企画書』と書かれた紙の束を見て呟いた




「久々に良い情熱を見た。そして・・・今回は良いライブになりそうだ」




そう独り言を呟く校長の手には一本のビデオテープが握られていた




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次回

ついにライブ当日。多くの生徒や観客が会場に集まる中彩花は第三生徒会

として警備の手伝いをしライブが始まる。魔物の強襲を受けることもなく無事

終了する。撤収作業が進む中紫苑は学園長に呼ばれ向かった先には・・・


次回 第5話、「第三生徒会」


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