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INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第1話、再起動する鼓動

時の止まった世界。全てが灰色になった世界。動くはずのない錆びついた

時計の針はひとつ、またひとつと時を刻み始めた。少しずつ、ゆっくりと……
_______________________________



虚無。あの日以来何かを期待するのはやめた。自分なんかは笑うべきではな

い、楽しんではいけない、幸せを感じてはいけないと言い聞かせた。強く、

強く。鍵を掛けた扉に誓いの意味を込めて頑丈な鎖を掛けたはずだった


「秋は体育祭に文化祭、行事が目白押しだが決して気を抜く事のないように」


空は秋晴れとなり青く、照りつけるような日差しはなくなっていた。なんら変

わらない日常のはずなのにこの地に来て何かが変わり始めた気がした。正確に

は・・・もっと前から。そしてそれは、彼女だけではなかった




「・・・失礼します」




扉を開けると正面に机がある。校長室にもよく似た場、生徒会室である




「あ、来た来たー!」


イスに座っていた女性が顔を上げると笑顔を見て手を振り少女は無表情のまま

会釈する。彼女はこの学校の生徒会長、入学式や歓迎会などで生徒にも良く知

られている人物だ。名前は城島夏目。彼女は少女を見ると一層明るい声で





「そんな堅くならなくてもいいのに。ちょっと待ってね、お茶を淹れるから」




そう言って案内されたまま目の前にあった会談用のイスに座るとテーブルに

お茶とお菓子が置かれた。反対側に生徒会長・・・城島先輩が座り口を開く


「興味持ってくれたんだって?」

「・・・この学校の風紀を守るチームに入って欲しい・・・って聞きました。詳
 しい話は生徒会長に聞けって言われて・・・それって風紀委員って事ですか?」




互いがお茶を飲むとコトリとテーブルに置かれにこやかに彼女は告げる




「似たような感じ。けど風紀委員っていわゆる『普通の生徒』がなるもの
 じゃない?単なる校則違反とかの取り締まりなら風紀委員や学校の先生、
 生徒会でも出来るけど・・・・・・中には喧嘩っ早い生徒もいるからね」

「・・・・・・」

「そういう暴力が関わる問題に対応するチームって感じかな。君を始めとし
 た強そうな人達を集めて結成しようって先生との会議で決まったんだよね」





「この学校には、現在2つの生徒会があるのは知ってるよね?」

「・・・はい」

「この学校在学の生徒から結成された第一生徒会、留学生の中から結成された
 第二生徒会。両者の意見を聞けるようにって設置したらしいけど・・・ちな
 みにここは第一生徒会ね。どこの学校の生徒会とも同じ生徒会って感じかな」


一般的な学校の生徒会にあたるのがここ第一生徒会、城島先輩を始めとした1年

時からこの学校に通う生徒から立候補や推薦を受け選ばれた生徒の代表。するこ

とは入学式のあいさつや文化祭などの企画、ごくごく普通の生徒会と何ら変わり

ない活動内容である。それ以上に企画の立案があるのは彼女が会長の特色らしい



そして第二生徒会とは留学生の中から結成される留学生の代表。表立った活動は

ほぼ第一生徒会の役目だが文化際などの巨大な行事には第二生徒会も企画などを

する。留学生の為の相談役というのが第二生徒会の主な活動目的だろう。簡単に

言ってしまえば第一生徒会の補助的存在だそうだ。そして、と彼女は言葉を続け




「そして、神月ちゃんに属して欲しいのは会議の結果新たに結成される予定の
 特殊生徒会・・・『第三生徒会』。第二生徒会以上に生徒会らしい活動はな
 いけれど人手が足りない時の補助とか、たまに手伝ってもうらかなみたいな」

「それって・・・」

「うんまあ、それぞれのエキスパートを募って生徒や先生だけじゃ対処で
 きない暴力が関係する案件を主に取り締まってもらうのが一番の役目」




第三生徒会は先生や生徒会の推薦から選ばれる完全推薦式。対処でき

そうな運動部から放送などあらゆる面でのエキスパートを募っている




「で、なんで私が会長なんですか?まさか一年生だけとか・・・」

「もちろん上級生もいるよ?うちみたいな責任感はないし一年生でもいいかなって」

「ならもう少し会長っぽく振舞って下さいよ」




少し離れた場からため息交じりの声が聞こえるが気にしない様子で話は続く




「他の皆は身体能力とかだけで言えば問題なしなんだけどね、判断力、行
 動力とかもろもろトータルで見ると会長にふさわしいとは言えないのよね」

「・・・いくら名だけの生徒会とは言えどそれはどうかと思いますが」

「対応内容が内容だけに学年とかだけじゃ決められないじゃない?」

「・・・私だってポケモンが使えるってだけですよ。そんなの2年生や3年生
 にだっていますし1年の中では珍しいってくらいですよ?そんな司令塔とか出
 来ませんよ。頭がいいわけでもないしリーダーシップがあるわけでもないし」


ちなみに副会長も既に決まっているらしくその人物は2年生らしい。そもそも

なぜ自分が候補に、しかも会長に挙げられたのかがわからない。それを尋ねる

と彼女はにこやかな笑みを浮かべ楽しそうに告げた



「またまたーそんなこと言って。前に何度か化け物が校内に現れた時、君が
 退けてくれたじゃないか。あの見た目を前にして動じないって相当度胸あ
 ると思うんだよね。それを見て私の頭の中でこれだ!ってピンと来た訳♪」

「それは私だけじゃ・・・それにそれとこれは別じゃ」

「名だけの会長だと思って!何かの式であいさつするわけでもないし」

「まあ・・・それはそうですけど・・・」






「で、受ける事にしたの?」

「いやだって・・・断ったら怖そうじゃん」

「ま、私は断ったんだけどね!」

「えっ」


返ってきた言葉に反射的に振り向くと沙織は笑いながら告げる


「私が誘われたのは生徒会役員だけど。そんなのやったら遊べなくなるでしょ?」


これまで生徒会が何をして何をしているかなんて想像した事もないし関わった事も

ないから分かるわけがない。目に見えるものくらいしか想像がつかないものの本当

に自分達は名だけの生徒会らしい。生徒会室もなければこれといった業務もない




(会議も副会長が出るって言ってたし・・・)



一年に学校の風紀を背負うなどできるわけもなく。いや中には出来る人もいるかも

しれないが少なくとも自分にはできない。ただあの魔物たちを倒すという面ではな

んらこれまでと変わりない。ただ生徒会という名称に惹かれたのかもしれない





「で、六本木君。これはどこへ向かってるの?」




電車に乗ったかと思いきや駅で降りると人ごみの中を歩いて行く。そう、あの

出来ごとの後何を血迷ったのかしょうもない疑問を抱いた。そして・・・それ

を尋ねてしまったのだ。疑問符に応えるエキスパートである彼に、彼らに




『誰かを好きになるってどういうこと?』


どうして聞いたのかと今では若干後悔している。冷静に考えればそんなのわか

るわけないだろう・・・と。それからか妙にこの人と会話するのは何かぎこち

なくなっている。相手は何も変わらないが一方的に不自然になっていた



「この間の話を解決しようと思って」

「・・・ほらあ、そう思った矢先にこれだよ・・・」

「?」


当時の事を思い出すと恥ずかしさが込み上げる。本当に何故あんな事を聞いたのか




「もうあの事はいいって。別にわからなくてもなにかなるわけじゃないし」

「駄目だよ。折角話してくれたんだから解決しないと」




初対面の時から思ったが根っからの真面目だと呆れたように小さくため息をついた






「・・・解決したいんだけど、正直僕にもわからないんだ」

(やっぱり・・・)

「僕たちは『土地』だからね。ずっと人々の悩みを解決してきたからそういう普
 通の人みたいな経験とかなくて。経験したほうが分かりやすいって僕や他の人が
 普通の人のように学校や仕事、一般の空間に行ったりするようになったんだよ」

「そうなんだ」

「だけど僕自身、誰かを好きになった経験がないんだよね・・・」



そして六本木は告げる。今から向かうのは同じ使命を持つ者たちの所だと



「チームによって得意不得意があるんだ」

「へえ」

「土地の特徴にもよるんだけど。僕の所は僕や都庁さんの所は企業が多くて渋
 谷さんや新宿さんは若い人が集まるから若い人特有の悩みが得意分野なんだ」


その中でもジャンルは幅広く分かれ主にファッションや流行りの事を指している

だからこの件は得意分野ではないらしい。そこで違うチームの中でこういった分

野を得意とする、または関わりが多そうな所へと向かっているのだという。カー

ドをかざし駅入り口の扉が光るとすっかり慣れた感覚の中扉をくぐった



「・・・?」




光が治まるといつも通っていたあの喫茶店のような場によく似ていた。けれどイ

ンテリアが若干違うような気がして見渡していると六本木がどこかへ声をかけた


「東京さーん、連れて来ましたよー」

「東京?」


この都市の名前に反応するが声が返ってくる様子はない。何度か呼ぶが結果は同じ


「まだ来てないのかな・・・」

「東京さんなら・・・池袋さんを探しにさっき出て行きましたよ」

「わっ?!」


ふと横から声が聞こえ驚いたように六本木が振り向くと一人の少女が本を読んでいた


「神保さん・・・びっくりした」

「何か御用でしょうか・・・」




しばらく待つと、目的としていた人物が現れたようで真の目的は東京ではなか

ったらしい。数人が現れると当初の時を思い出すようなぐるりと囲まれ逃げ出し

たいような感覚になる。今すぐ帰りたい。なんだこの状況は




「こういうのは代々木さんが得意なんじゃ?」

「・・・確かに僕の所は学生が多いけど・・・。大体僕の所はほとんどが進
 学校だから来るのは勉学面の悩みでそういったケースはそう多くないんだ」

「そういうのは新宿さんが得意そうだけど?あの人よく女の人ナンパしてるし」

「あー・・・そうなんだけどね。新宿さんはほら・・・彼女とは方向性が・・・」

「あぁ・・・」




2人の少女がため息交じりに話していると片方の少女がこっちを見て言う




「そっちは新宿さんに都庁さんが大変らしいけどこっちはこっちで池袋
 ちゃんがよくすっぽかすから東京さんがいっつも眉間にシワ寄せてるよ」



ふと本題を出され表情が引きつるがここまできたらもはや引き返せないだろう



「他の人と話してると嫌になったりしたらそれはもう恋じゃない?」

「え?うーん・・・特にそういうのは思わないかなあ」

「ええ?うーんじゃあ・・・一緒にいるとドキドキしたり!」



発せられた言葉に考え込むが脳内に思い返すように映像を流すと無言の状態が

続く。答えを待つように少女達も会話を止めるが彩花の顔は苦い物になる一方だ


「どう?」


ふと聞こえた声に一瞬六本木の方を見るがすぐさま元に戻り途切れがちに告げた


「確かに・・・そう考えるとそうなのかもしれない」

「え!じゃあ・・・」

「でも、それはその人だけじゃないんだよね・・・」



喜んだのもつかの間、少女達の笑顔は消え入るように戻っていく




「それって、一人だけじゃないってこと?」

「うーん・・・一人だけじゃないって言うか、元々私誰かと話すの苦手という
 か・・・他人と話す時はいつもドキドキするし冷静じゃいられないし・・・」

「それとこれは違う気がするけど・・・」


ただ人慣れしてないというのは分かっているが、似たような感覚故に判断が

つかない。これだけは他の誰でもない、自分でなければ分からないだろう


「多分・・・誰と目が合っても合わせられないだろうし誰と手を繋いでも同
 じだと思う。だからそれで判断すると・・・そうなのかどうかわからない」

「う、うーん・・・難しいね」

「あ、ごめん。やっぱり難しいよねわかるわけないよね!」



結局質問に対し答えを返していくもののどれも曖昧なまま2人は帰り道を歩いていた



「大体、好きな人なんて探そうと思って見つかるもんじゃないよね。知らない
 うちに起きてるもので・・・いつの間にかそうなっている訳で・・・解決し
 ようと思って出来るものじゃないよね。それを人に聞くこと自体おかし・・・」

「神月さん」




ふと名を呼ばれ、驚いたように返事を返すと六本木は尋ねた






「好き『かもしれない』相手って・・・神月さんにとってどんな存在なのかな?」






後日、一日が終わり彩花は教室内にいるある人物の方を向く。クラスメイトと

話している姿を数秒間見た後席を立つ。そしてもはやお決まりのあの場所へ

向かう。人気の少ない場所から行こうと図書室の奥、扉の前にやってくる




(どんな存在?友達な訳がない。強いて言うなら・・・)



その時、頭の中に何かが浮かんだ。一番しっくりくる言葉が



「離れたくないとかずっと一緒にいたいとか思ったらとか・・・」

「もういいんだ」


自分の議題について議論をしている声が聞こえ告げると一同は振り向いた


「彩花さん!」

「え、でも・・・」




「とりあえず、答えは出した」




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次回

留学生として来ていた紫音が3日間本校に戻る事に。その件で彩花と霧島亜

理沙は交流を含め同じく5日間芸能学校に通う事に。そこには想像外の経験

が待っていた。更にはもうすぐこの学校では中間発表がある事を知り・・・


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