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INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログ

最終話、繋がれし縁は

それぞれに抱える思いがある中、夢を語る紫音と麗奈を見て彩花は靄を感じる。

生徒会もすっかり板につき新入生たちを含め見回りする中、啓は総悟の様子が

おかしいことに気づく。翌日、啓は昇降口で総悟の姿をみつけ……
____________________________________

後日、本日は生徒会の集まりはお休みで啓は廊下を歩いていた。すると

偶然昇降口に差し掛かった所で声が聞こえていた


「ったく、誰だよ」

聞き覚えのある声に立ち止まり振り向くと、そこには総悟とよく彼と居る

取り巻きの二人がいた。彼らはスマホの画面を見ながら何やら呟いており啓は

下駄箱に隠れるように様子を伺っていた。それはここ数日かれの様子に違和感

があったからだ。正確には、何かを隠しているようなよそよそしさがあり


「まだ来てるんすか?こんなご時世に迷惑メールなんてイカしてないっすよね」

「にしては、突然来だしたなんて不思議ですね。総悟さん、どこかのサイト
 にでも登録したんですか?またそういった手口が流行ってるらしいですよ?」

「いや……」
やがて彼は黙り込み、その様子に二人も違和感を感じると問いかける

「総悟さん?」

「……なあ、おまえら」

「?」


ふとメールを開くと二人に見せ、眺める二人を見ながら再び総悟は問う

「これ、どう思う」


「どうって……迷惑メールにしては、やけに流暢っすね。でも知らないアド
 レスからでしょう?間違いメールじゃないっすか?今時珍しいけど……」

「赤外線でアドレス登録できるこの時代にそうそうあるもんじゃねえぞ」

「ですよねえ。というより今時メールなんてそうそうしませんよね」

「……けど」


再び二人が総悟を見上げ首を傾げると、口を開くことを戸惑いながらも口を開く

「……このメールだけ、やけに詳し過ぎねえか。このアドレスからのメールさ、開
 く度に段々文がリアルになってんだよ。まるで送り先を想定してかのようにな」

「確かに、しかも透海倉庫ってあそこですよね?よく奴らと喧嘩した……総悟
 さんが東京に住んでるって知ってる?それともただの偶然でしょうか?」

「……偶然にしちゃ具体的過ぎんだろ」
会話だけでは何の話をしているのかは謎だが、聞き取れる単語的に迷惑メー

ルの話だろうと啓はその場から背を向けた。やがて啓が去った後も会話は続き


「……ひょっとして、これは奴からの宣戦布告かと思ってな」

「奴?」

「……日高ましろ」
その名が出た瞬間、二人の表情は変わった

「え、日高ましろって……」

「……」

「なんで、アイツが総悟さんのアドレス知ってんすか!?」

「んなの知らねえよ。なんかで知ったのか、手に入れたのかは知らねえが……」


日高ましろは中学時代、総悟と並んで都内でも屈指の不良のリーダー格と

して知られていた。何度も喧嘩を起こし、縄張りが自然と確立していたほどだ


「……」
ふと振り向くと、二人は総悟を見ながら

「という事は……」

「な、俺達はもう不良は脱したんだ!折角真っ当になれ始めて、こんな奴に
 付き合う必要なんてどこにもないでしょう!そんなのスルー安定ですよ!」

「その通りだな」

「だが、仮にこのメールが日高ましろからのもので、俺達がスルーしたこと
 によって腹を立てたら……。またあの連中みたいに後輩に何かするかも」


「……奴はそこら辺の不良とは訳が違う。不良の中でもそれなりに筋は
 あるはずだ。少なくとも……中坊ん時にやり合ったアイツはそうだった」
ふとメールの文面を見ると生徒が告げる

「……なんにせよ、この事を生徒会に伝えましょう」

「伝えてどうすんだ」

「あの人たちなら、きっと力になってくれますよ」


思いがけない出会いから、どうにもならないと思っていた人生に光が

差し始めた。お陰で何をとち狂ったか今は生徒会なんて一生縁のなさ

そうだった世界にいる。二人が見つめる中、目を開くと


「……いや、奴らには言うな」

「……!なんでっすか!?」

「これが奴なら、これは正真正銘日高組からの宣戦布告だ。これは
 俺と奴らの話。そんなもんに赤の他人を巻き込めねえよ」
ふと下にあった拳を強く握ると

「……関係ねえやつまでこの世界に巻き込めるかってんだ」

「……ですが総悟さん。折角あの女生徒のお陰で首の皮繋がったの
 に、暴動事件なんて起こしたら今度こそ……ただじゃすみませんよ」

「あぁ。だから透海倉庫には行くが、喧嘩はしねえ。話でケリをつける」

「そんなに上手くいきますかね」

「もう俺達のシマはない。アイツは縦横無尽に力を振るやつじゃねえはずだ」

「うぅ……」


翌日、第三生徒会室にて美穂は震えた声を上げた。その様子を見た啓が

問いかけると初めは『王子様』という通り名で落ち着きのなかったものの、

日課を繰り返すたびにまるで初めの頃のように慣れていた


「彼ももう暴力を振るう気配はありませんし、そこまで警戒しなくてもいいのでは」

「そんな!だって見た目怖くないですか!?元不良なだけあって強そ
 うですし、少しでも機嫌を損ねたら大変な事になりそうですし……」

「で、その狼ヶ崎くんは?」


本来今日は活動はないのだが、夏休みに控えるオープンキャンパスの打ち

合わせに彩花、亜理紗は会議の後第三生徒会室に来ていた。やがて当日に

活動する部活動の把握が必要となり、手分けして行っていたのだ


「あぁ、元々報告したら帰っていいと言われていたので報告は私に押し
 付けて帰りましたよ。部長とか顧問に聞く時も私に任せっきりでしたし!」

「まあそれは、彼なりの遠慮じゃないですかね。まだ印象は拭いきれていないようですし」


その頃、道端を歩きながら生徒は告げる

「やっぱりあの人たちに言いましょうよ。あの人たちなら、違反にならずに済
 む方法も考えてくれそうですし、総悟さんの気持ちも分かりますけど……」

「……」
ふと男子生徒は止まり、総悟と生徒も振り向くと

「……総悟さん、彼らに力をかりましょうよ……。一人で背負ったって俺達
 には喧嘩しかできない……今の俺達は、あの頃とは違うはずです……」

「……」


もう一人の男子生徒も、同じ感情を持っていて何も告げぬまま

総悟を見上げる。そんな中総悟は俯きながら

「……明日、透海倉庫にて決着をつける……」

「……俺達とは違って、日高ましろの噂は高校になってからも
 よく聞きます。小田原高校の生徒をを取り仕切ってるとか」

「……」
ふと二人に背を向けると彼は告げる

「確かに俺達は奴らに助けられた。だが奇跡なんてもんはそう何度も起きるもん
 じゃねえ。下手すりゃあいつらもどん底に引きずり込まれるかもしれねえんだ」

「……」

「そんな事させられるかよ。そもそも、そんな人生のリスクの高い不良との事件
 なんぞに協力してくれるとは思わねえしな。奴らが協力するなんて確信もねえ」

「……そう、ですよね」

「これは俺達不良の問題だ」


翌日、第三生徒会室に狼ヶ崎総悟は現れず、真っ先に口を開いたのは啓だった

「狼ヶ崎さん、いらっしゃいませんね」


多少の誤差はあれど、HRはとっくに終わっていいはずの時間だ。

現時点で彼を除いた全員と、後藤の姿があり彼らは揃うのを待っていた


「とっくにHRが終わっているはずですが、寄り道でもしているのでしょうか」

「まさか……サボりなんて事はないわよね」
啓の隣で亜理紗が呟くと、一同は振り向いた

「まさか」

「彼もなんだかんだ言って真面目にやってたようだから、あまり考えない
 ようにしていたけれど、やはり元不良の名は拭えないという事かしら」

「彼が生徒会に入った事は全校に伝わっているはず。単純に何か手伝いを
 させられてるのかもしれないよ?少なくとも、先生の誤解は解けてるんじゃ?」

「ならいいのだけれど」
しかし、間もなく上総の発した望みは泡となって消えた。戻って来た啓は首を振り


「……彼の下駄箱を見ましたが、上履きが入っていて靴がありませんでした」

「……!」
更に能力を使っていた上総が振り返ると

「……教室にも彼らの姿はない。荷物もないみたいだね。となると校外に
 出ている事になる。いつ出たか分からない以上、探すのは難しそうだけど」

「そんな……」
二人の報告に美穂は落胆しながら

「折角退学を免れたのに……。皆が見直し始めてたのにサボりなんて」

「……」

そんな中啓は数日前の彼らを思い出すとどこか引っかかった理由を探るように
(本当にサボりなんでしょうか……)
そんな中、ふと声が発せられた

「あれ……?」

「どうかしましたか?帆風さん」


鞄から何かを探っていた美穂はあるものを掴み外に出す。その折り

たたまれた紙を見ながら記憶を辿り、首を傾げる


「いや、私こんな所に紙なんて入れたっけって……」

「メモ?」

「買い物リスト?ううん、休日に買い溜めしたから……。じゃあなんだっけ?」
やがて彼女は紙を開くと血相を変えた

「……!」



不良と呼ばれる裏社会。彼らの活動地は多くに渡るが、その中でここ透海倉庫

は現在は使われていない海沿いの倉庫。故に人の目もほとんどなく何かをする

ならもってこいの場所だ。故にこの場では多くの暴力事件が起きている


「少し見ない間に優等生くんになったらしいな」
そんな中、向かいの男子生徒の発した声に総悟は笑う

「おいおい、喧嘩をやめただけで優等生扱いとか本物の優等生にボコられんぞ」

「さすがにそれは言い過ぎか」


三人に対し、相手はそれ以上ともいえる人数。中にはバットを持つ生徒もいて、

状況次第では暴力に発展するだろう。だが金髪の青年は総悟と会話を続けていた


「しかし、どういう風の吹き回しだ?もしや有名な『高校デビュー』でも?」

「馬鹿言え」

「なら、ひょっとして彼女でも出来た?そうじゃなくても好きな子が」

「もっとくだらねえな」

「だよね。お前ってそういったチャラチャラしたイメージはないしさ。なら一体
 何が君をそこまで改心させたのか……。単なる思いつきだって言うのかい?」

「間違えんなよ。俺からふっかけたことなんざ一度もないぜ?いつも大体、
 そっちがシマがなんだ掟がなんだってつっかかってきたんだろうが」

「そうだったかな。昔のことなんてそういつまでも覚えていなくてね」


未だ暴力には発展していないが、周りの不良生徒達も二人から発せられ

る異様な気配には気圧されていた。そんな中互いの発する圧に二人は

怯むことも無く睨み合っていた


「言っておくが、俺はもう拳は振らねえ」

「聞いたよ。少し前に嵩凑高の連中に対して反撃しなかったんだってな。最初
 は耳を疑ったけれど噂は本当だってことか。面白いことも起きるものだね」

「……そういう事だ。用件がないなら俺達は帰る」

「まあまあ」
と背を向けかけた所彼は止めた

「……まだ何かあんのか」

「もう一つ噂があるんだ。君、生徒会に入ったなんて噂も聞いたけど……」

「……」


総悟は黙り込んだまま向けていた背を戻し向き直る。するも彼はにこりと笑い

「何がどうなってそうなったのか。確か桜丘高校はそこまで不良のいた学校
 ってイメージはないけれど……そもそも、あそこは上でもなく下でもなく、ごく
 ごく平凡な学校だから僕らのような人間にとって知名度は皆無なんだよね」

「……てめえには関係の無い話だ」

「ふぅん……」


きっと奴が望んでいた展開にはなってないはずだ。しかし何故か総悟と言葉

を交わすましろは楽しそうに笑っている。理由も分からぬその笑みがやけに

不気味に感じる。そう思っているとやがてましろは口を開く


「大きな問題も起きたことがなくて、でも……桜丘高校ってさ、もう一つ噂がある
 でしょ?近年設立されたにも関わらず、校内問わず噂になってる生徒会の存在」

「……!」

その言葉に総悟の眉が動くと、その反応を見逃さなかったように彼は笑みを浮かべ


「強いらしいね?構内での暴力や喧嘩をことごとく止めた挙句、あの魔物襲
 撃でさえも対抗した。君はその強さを確かめたいとは思わなかったかい?」

「……」

「実は君が桜丘高校に入ったと聞いて驚いたと同時にその噂を思い出してね」

「何が言いたい」

「凄く興味があるんだ。不良でもなく、生徒の模範である生徒会がそこまでの
 力を持つとは、一体どんな人間が取り仕切っているのか。だから交渉だ」


彼はコンテナの上で足を組み、笑みを浮かべながら総悟とその取り巻きに持ちかける

「僕に下るというのなら、何もしない。けどもし君が拒否するようなら……
 俺達日高組は桜丘高校を乗っ取りに行っちゃおっかな……みたいな」

「なっ……!?」

「そうなれば、当然その生徒会は出てくるでしょう?」

「く……」


選択肢は二つ。敗北を認め日高ましろの元へ下るか、拒否し高校の襲撃を

許すか。苦悩を浮かべる総悟を楽しそうに眺めながら言葉を並べていく


「桜丘高校って結構新しいでしょ?校舎も綺麗だって聞くし、そんな学
 校をグチャグチャのめちゃくちゃにするって凄く面白そうじゃない?」

「……っ」

「互角にタメ張った君をパシらせるってのもそれはそれで楽しそう
 だけど。勿論俺の所に下るなら絶対服従。拒否権なんてないよ?」

(……どうする)

「知ってるよ?いくら君が暴力を辞めて一般人を装うとも、これまで繰り返して
 きた闘争心は抑えられないって。そして僕の元に下るのもプライドが許さない」

「そ、総悟さん……」


取り巻き二人は様子を伺うように総悟を見る。総悟は額に汗を浮かべな

がら立ち止まっていたが、考え抜いた先に息を吐いた。そして顔を上げると


「ふぅ……」

「……」

「俺は……あんたの元には下らない」

「……そう。残念だよ」
と言う彼の口角は上がっている

「なら宣言通り、明日にでも君達の高校に殴り込みに」

「そうはさせねえ」


ましろが顔を上げ、生徒達が振り向くと総悟は拳を強く握りながら叫ぶ

「日高ましろ。てめえはここで止めてやる……!!」

「……いいのかい?『それ』封じたんじゃなかったっけ?」

「てめえが無条件で相手に殴りかかるような奴じゃねえってのは知ってんだよ。
 だが、一度決めたら手加減しねえ。なら……ここで止めるしかねえだろうが!」

「……」



総悟の意思を把握したように、更に笑みを浮かべると彼はコンテナから

足を地に下ろした。そしてブレザーを脱ぎコンテナに乗せる


「……やっとその気になってくれて嬉しいよ。子犬のように成り下がった
 君相手じゃつまらないからね。……僕をがっかりさせないでくれよ?」

「……これに学校は関係ねえだろ。俺達だけの問題ならともかく、関係の無い
 所にまで手を出すってんなら容赦はしねえ。二度とそんな事言えないように」

「……」
その時、どこからともなく二人の足元に何かが転がると弾けるような音が鳴り響いた


「なっ、なんだ……!?」


真っ先に総悟が声を上げるが、驚いたのは彼だけではない。更には立ち止まっ

て二人を見ていた生徒達の足元にもそれは投げ入れられ音を発する。途端彼ら

はパニックになり動き回りながら声を荒げていく


「な、なんだ急に!?」

「あ、足に何かがっ!なんだこれ!」


パニックに陥る中、総悟は死角から腕を引かれ勢いのまま引っ張

られていく。火花が消え勢いを失い転がったものをみると


「……!」

「なっ……」

積み上げられたコンテナの裏に連れてこられ、やっと顔を挙げられると

そこにいたのは無言のまま立っている彩花と生徒会の一員の姿だった


「生徒会長……」
更に見渡せば、北条啓、帆風美穂の姿がありそれらを見て総悟と二人はは唖然とする

「あの時の……!?生徒会長って」

「ッチ、話は後だ」

「そう。今は逃げますよ!」
そんな中足元を見たましろ達は

「爆竹……!?」

「チッ、奴らの仲間か!?俺を騙すたぁ……いい度胸だなぁオイ!」

「ひっ!?」

「狼ヶ崎総悟ぉ!どぉこに隠れやがったぁ!」
コンテナ越しに苛立たせた声が聞こえると美穂が震える中啓は告げる

「さて、向こうもお怒りのようですし、後は警察に任せて行きますよ!」

「な、警察だと……?」

「帆風さんほら!走るよ!」

「えっあ……」


立ち止まっていた美穂の腕を彩花が引っ張り駆け出すと、間もなく走り抜けた

後方にサイレンの音と数人の足音が聞こえた。そんなようすに振り返りながら、

視線を戻すと共に走っている人々を見つめながら走っていた


サイレンが鳴り響き、警察から身を隠した一同は息を切らせながら音の聞

こえる方を眺めていた。ここにいるのは会長だけではなく、亜理紗を除いた

第三生徒会役員。そんな彼女ら、彼らを見ると


「……なんで、あんたたちがここに」

「はあ、はあ……私のカバンにこれが入っていたんですよ」


と息を切らせながら美穂はメモ帳を総悟に見せた。眉を顰めるが、

それを受け取り中身を開くと文面を見て目と口を開くと振り向く


「まさか……」
その視線の先には二人の取り巻きの姿が。彼らは申し訳なさげに

「すみません……。やっぱり、どうしてもこうするべきだって思って」

「……」

「罰なら後でいくらでも受けます!けど、きっとこうしない方が後悔するって
 思ったから……気づいて貰えるか、確率は低めだったんすけど……」

「同じものを私と霧島さんの下駄箱からも見つけました」
啓の言葉に呆然としていると、啓は深いため息を吐き笑みを浮かべた

「貴方の様子がおかしな事は前々から気づいていましたが、まさかこん
 な事になっていたなんて。ですが……大事に至らず良かったです」

「一体いつこんなものを人の鞄に……!普通ならドン引きするところですよ!」

「そ、それは……」

「……まったく、常識も知らないんですか貴方達は。困った時は大人に相談
 するものですよ。そうでなくても……せめて信頼できる周囲の人間に……」

「……」


振り向けば、美穂は呆れながらも内心安心したように告げ、キッと睨むと


「不良の相手とか冗談じゃありませんよ!私は健全なJKなんですよ!」

「まあまあ帆風さん、そのくらいに」

「私だって嫌だよ~」


と会長の声が聞こえると美穂と総悟、取り巻きの二人は振り向いた。

やがて彩花と視線が合うと彼女は深いため息をついた後にこう告げる


「だから、念には念を入れて来たんじゃない。君達がそうしたように」

「……!」

「この事は、第一生徒会にも報告してあります。連絡員も含め霧島さんは
 校内に残っています。東雲さんの能力を使って人数、所持物の把握も念入り
 に行いましたし、念の為に第一生徒会が警察にも通報したはずですから」

「意外にも、帆風さんの所持物が大いに役に立ったしね」
と上総が呟くと、二人の取り巻きはましろ達が驚いていたことを思い出すと

「そういえば、何かがあいつらの足元に……あれは」

「爆裂魔法、バーニングベイ……」

「……は?」

「!……こ、こほん!爆竹ですよ爆竹!」


その後、学校に戻り第一生徒会室には警察官の姿もあり総悟は事の発端

から全てを話した。結果しばらくの間桜丘高校は警備されることとなり一同は

解放される。警察官が去っていき、総悟はため息が聞こえ振り向くと


「全く、生徒である以上君達も守られてしかるべきなんだ。無謀な特効は身を
 滅ぼすだけだよ。生徒会に相談すればもっと迅速な対応が出来ただろうに」

「……」

「……だけど、取り返しのつかない事になる前に手は打てた。君たちのお蔭でね」
とふと第一生徒会長、緒方結希は笑うと

「そこの二人の機転が功を成したというべきかな。いい友じゃないか」

「……」

「向こう見ずで無理をするのは君だけかと思っていたが……はぁ……」

「あ、あはははは」


結希に言われ苦笑いする彩花を見ていると啓は呆れのような笑みを浮かべ

他の人々は呆然とその光景を眺めていた。やがて彩花はこんな事を言い出し


「まあまあ?このメンバーいたからこその作戦だったってことで」

「会長……」

「あんた、いや会長……。あんたとんでもねえ肝っ玉の持ち主じゃねえ
 か。あの時といい、今回といい……普通首突っ込もうと思わねえよ」


と総悟は呆れながらも笑みを浮かべながら告げる

「いやいや、私ひとりじゃこんな作戦はとらなかった。強いて言えば、危険を
 顧みず協力してくれた帆風さんと東雲くんが今回のMVPじゃないかな!」

「えっ」
そこに亜理紗の声が聞こえると
「全く、皆ヒヤヒヤしたんだから……」

「全くだ!顧問としてうちの生徒が危険な目に合うのは許せないからな……!」

「……」




後日、第一生徒会室から夢が眺める中結希はある人に電話をかけていた

「……思い出しますね。破天荒だった先輩が、後輩が出来てからやるときはや
 るようになったのを。まさか高校でこんな経験をするとは思いませんでしたよ」

『それは褒められてるのか呆れられてるのかな?』

「どっちも、ですね」


自分が抜けて、元会長でありムードメーカーだった先輩が抜けて生徒会が

どうなるのか。自分が上手く引き継いでいけるのか、新たな生徒会を導いて

いけるのか。今も前も、まさかこんな事になるだろうとは思わなかっただろう


「不思議ですよ。個性豊かでまとまりがないように見えますが、不思議とまと
 まっているんですから。今では第三生徒会も立派な生徒会になっていますし」

『……』

「きっと今以上に、この学校は守られるんじゃないかな」


ふとソファに座っていた夢が呟き、それを見た結希は笑い視線を戻すと


「学校は学びの場だなんてよく言われますけど、本当は成績以上に学ぶべ
 きものがあるのかもしれませんね。それこそ、今しか出来ないような……」

『やっとユキちゃん分かったの~!?』

「だから、ユキちゃんって呼ぶのやめて下さいって!」



電話越しに城島夏目は笑みを浮かべながら結希に告げた


『元副会長と一緒に行くからさ。文化祭、期待してるよ?』


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