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INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログ

第39話、ALL ADVENTURE

第三生徒会に突如現れた狼ヶ崎総悟。そして彼と美穂は謎に包まれた第三生徒会

会長の素顔を目撃することになる。同時に彩花のクラス担任後藤陽凪が顧問に。

新入生で異能者である東雲上総も加えついに条件である5人を達成する。そんな

正式に活動開始となった第三生徒会は体感型ゲームの監視に精を出していた
___________________________________

「ブラックアイズ!」

魔物に向かって目から光を放つと魔物は怯む。そこに美穂は会長の名を

呼ぶと結希は駆け出し盲目状態の敵にトドメをさした

「やりました!」

「ナイスコンビネーション」

「ってのーさんも手伝ってよ」
と美穂の隣にいた夢が親指を立てながら告げ、そんな彼女に告げると

「私は呪術師、帆風さんも呪術師、だから私は必要ない」

「だから帆風さんばっかりレベルが上がってるんじゃないか!」


生徒と同じく新たに自身のアカウントを作って参加していた生徒会メンバー。

彼らは生徒と同じくこのゲームを通して交流する目的の他に生徒達の監視を

する役目も担っていた。そんな中ふと声が聞こえ振り向くと二人は総悟を囲み


「総悟さん流石っす!」

「ふ、ざっとこんなもんよ」

「そこにシビれる憧れるぅ!」

やがて街に戻って来ると
「さて、僕達生徒会は生徒と同じ目的の他、生徒の監視をする仕事がある。
 とは言えどいつもとする事は変わらないよ。トラブルを起こした生徒を見か
 けたら止めるだけだからね。まあ、他校や一般人もいるから少し違うけれど」

「特に制限は設けないから、好きな目的のまま行動して構わないよ。魔王討伐
 を目指すもよし、大会優勝を目指すもよし……。まあ、あまり目を光らせ過ぎて
 も周りから違和感だからね。他の生徒同様にして見かけたら……という感じで」



方針を決め解散した後、ふと啓は彩花に尋ねる
「それで、お嬢様のご予定は?」

「特には決めてない」


多くの生徒がファンタジー世界で武器を用いて戦うという夢の実現に心踊

らせている中、彩花はそんなことも無く力なく答えた。とはいえ、今はこんな

風に冷静でいるが、過去には彼女も周り同様目を輝かせた経験もあるのだ


「まあ、適当に?」

「適当に、ですか」


という彩花は魔法剣士、啓は盗賊である。啓が盗賊を選んだ理由は、ただ慣れた

ナイフを扱える職業がそれしかなかったからである


「他校の生徒やどっかの誰かと仲良くなる気はないしそんなの面倒くさ
 いし。まあ適当に色んな街を見ながらレベル上げればいいんじゃない?」

「はぁ……」


そんなある日、中々初めの街から動かない彩花と啓は噴水の近くで人の集ま

りを見つけた。何事かと近寄って見れば数人のカメラマンの前に女性がおり
「紫音……紫音?」


話している女性の名前を見ると紫音と表記さてれおり、ある姿と重なるがその

見た目は彼女とは異なり判別しにくい。だが声に聞き覚えがあり、良く似ている


「では本日はここまでと言う事で、皆様また」

「……はいカットー!!」


やがてカメラマンがカメラチェックをしていた後OKが出ると一斉にお

疲れの言葉を交わしていた。そんな中男性は少女の元へ歩み寄り


「「お疲れ様でしたー」」

「紫音ちゃんお疲れ!」

「お疲れ様です」


丁寧にお辞儀をする姿も品があり、通りかかった誰もが立ち止まりながら

魅入っていた。彩花も息を呑む中監督と思わしき人と女性は会話を続け


「これからの予定はあるの?」

「いえ……本日はもう予定が空いていますので、少し残って勉強を」

「そうかい?」

「勿論撮影に支障をきたさぬようメインストーリーには手を出さぬつも
 りです。兵種などの確認や街の構造等を覚えておきたくて。余裕が
 あれば少しレベル上げも」

「そうだねえ。次回は協力プレイだし、少しは上げておいた方がいいかもねえ」


再び会釈をすると撮影関係者と思わしき人達はログアウトしたのかその

場から消えていく。彼女と一人の女性が残る中女性は周りを見ながら


「では、何処から行きますか」

「そうですね。撮影を円滑に進めるためにも、武器屋と道具屋の品揃え
 を確認したいです。それに薬草も調達しておきたいところですね……」

「分かったわ」


現実に戻った彩花は瞬く間にその手の話題が自然と目に入るようになる。

元々の話題性に合わせネット配信者達による相乗効果や、中には芸能人も

そういった配信に起用される事も増えますます話題は大きくなっていった。

それは夕方のニュースや特別番組が組まれる程だった


『そういう事でしたか。私も今そういったお仕事を頂きまして』
とメッセージ機能の返信を見て確信する。やがて彩花は返信を打ち返すと

『もしかして、この間昼間に撮影してたのって紫音?白くて長い髪の』

『あら?いらしたのですか?だったら声をかけて下さればよかったのに』

『いや、似てたけど本人か分からなかったし……』
『でしたらフレンド登録致しません?撮影用のアカウントなので監督やマネー
 ジャーに許可を得る必要がありますが。実は少し遊んで興味が湧いてきて
 、今個人用の購入も検討しておりますの。もし駄目ならそちらで登録を……』


撮影用のアカウント含め持ち帰り式で時間のある時にレベル上げや素材

集めなんかをしているらしい。間もなくその話は思わぬ方へ発展し……


「紫音」

声が聞こえ振り返ると紫音の側に少女が現れる。彼女はユニット名『アクア』

で約束から彩花ではないかと思うがその姿は本人とは似つかない


「彩花ですの?」

「あぁ、ほら、名前の横に本名が……ってそれは学校専用のソフトだけだったか」


休日に許可を得て学校にやってきてゲームを起動させた彩花は紫音の撮影

に呼び出されていた。撮影の2時間前らしいが改めて聞いていた話を確認する


「確か、今回の撮影はマルチプレイをする……だったよね?」

「ええ、企画やマネージャー側も同業者から協力者を探していたそうですが、
 やはり同レベル帯の方は中々おらず。一般者では心配面もあるそうで」
と紫音はふと隣にいた女性に

「彼女は神月彩花さん、一年生の時の交換留学で知り合った方です。
 桜丘高校の学生さんで、私の課題曲を作って頂いたりもしましたの」

「私は彼女のマネージャーです。白桜律さんから話は伺っておりましたが」


ふとマネージャーは紫音を見ると彩花を見る。既に初回の撮影を初めて

数週間経つ紫音のLvは30。対する少女のLvはたったの8だ


「既にプレイヤーであるアイドルや芸能人は皆Lvが高くて探すのに苦労
 していたので助かりますが……これはこれで……少し厳しいものが」

「どうかされました?女性ならと事務所も許可して下さいましたし」

「ここまでLv差があるとは……」

「彼女は授業の一貫でやってるだけに過ぎませんし、一週間に二日、約四時
 間ごとのプレイですし。持ち帰りできる私と差があるのは仕方ありませんわ」


更に始まったばかりと説明を加えるとLv差を気にするように唸り声をあげた


「うーん……」

「稚田さん、彼女はこのゲーム経験こそ少ないですが、戦う事には手馴れ
 たものです。彼女はゲームが好きで、こういったRPGは得意なんですよ」

「え……?」
とマネージャーが彩花を見ると

「このゲームはLvによる能力パラメーター上昇も強さのひとつですが、本人の
 行動力にも大きく関係しているのでしょう?」

「……」

「レベルの不足分は彼女自身のスキルで充分カバーできます。なんならまだ
 時間もありますし、練習がてら今からレベルを上げに行けばよろしいので
 は?元々、その予定でこの時間に集まった訳ですし」


やがて郊外に出るとマネージャーは瞬く間に彼女の言っていた意味を

理解する。次々倒れていく敵にレベルの上がる音が響くと


「やはり、私の思った通りですわ」

「いや、運動神経は悪いしそこまで褒められても困るけどな……。生徒の
 中でも行ってる人はもう40レベルとか行ってるみたいだけど?私はあの
 街で適当にしてたからね……。元々監視の為にいるようなものだし」


と上がっていくパラメーターを見ながら彩花は苦笑いした

「武器屋を覗いたり、街を見て回ったり。お陰で同じ学校の知り合いにもかなり
レベルを抜かされて。どうも危機感がないと急いでやろうって気にならず……」

「ですが流石ですわ」





「むぅ……」


それはとある昼下がりの事。彩花も啓も学校に出ており一人家の中でリオン

は部屋で唸り声を上げていた。正式に神月家の執事となった彼は彩花が

生活する東京の家で啓がいない間家事のあれこれをしている。啓とは異なり

学校ヘは行かず、こうして家で待機しているのだが


「掃除も洗濯も終わりましたし時間を持て余してしまった……。料理をするにも
 また失敗する気しかしませんし、啓達が帰ってくるまでゲームでもしましょう」


と彼は初給金を含め給金を集めて買ったあのゲーム機に手を伸ばす。

やがて起動させログインするとフレンドリストにある反応を見つけた


「タクヤ、アヤト!」


リオンの移動した先はこのゲーム内でも森林に囲まれた街で、その中にいた

二人の男性に駆け寄った。その声に二人は振り向くとリオンを見て口を開く


「リオンもINしてたのか」

「たった今した所なのです」

リオンがそう告げるとタクヤと呼ばれた男性は
「ははーん、遊んでていいのか?」

「家事も掃除も終わらせて退屈だったのです。ケイやお嬢様は今はschoolですから」

「なるほど?」


タクヤ……ユニット名Takuyaは神月家に仕える執事であり、執事内でも

ゲーム好きで知られている。そしてその隣にいるアヤトもまた執事だ


「そういうお二人はお休みですか?」

「いや、まあそういう訳じゃねえがする事は終わらせたからな。綾斗は……知らん」
と振り向くと

「庭で寝てると怒られるし、ボーッとしてても誰かに何か言われるしでここに逃げてきた」

「え」

「ここなら何してても誰も邪魔しないし。でも拓也がいるんじゃ静かには過ごせなさそう」

「いやいやゲームに寝に来るとか聞いた事ねえし!」
やがてクエストをクリアしていくと休憩所でリオンは告げる

「それにしても、ゲームとは素晴らしいですね!」

「ん?」

「離れていてもこうしてtalk出来るのですから!」

「まあ、メールとか電話とかあるけどな」

「でもここなら実際に会ってtalkが出来ます!……お互いの姿は仮のものですが……」


ふと通りかかった人達がそのお嬢様であることも気づかずに彼らは話をして

いた。一方また彼らの姿に気づかず歩いていた彩花は隣から聞こえてきた

声に振り向くと、ボードを見ながら総悟は深くため息を吐き、その隣では啓が


「マルチプレイとかガラじゃねえ……」

「まあまあ」

「俺は音ゲーとかクレーンゲームみたいな一人用ゲームしかやらねえ
 んだよ。こんなRPGなんてやった事なんてねえし興味もねえし……」

「とは言いつつ必要な素材を求めてクエスト掲示板を睨んでたじゃないですか」
ふとそう言う彩花を睨むが

「……その敬語なのやめねえか?」

「えっ?」

「あいつらじゃねえんだしよ。しかもお前は先輩だろうが。なんで俺がこん
 な話し方でお前がそんな感じなんだ。俺ってそんなに怖く見えるかよ?」

「……いや、なんとなくと言うか……敬語じゃないと殴られそうな雰囲気が」

「はああ、んなことしねえよ」
と彼は呆れたようにため息をつくと

「なんだよ、あの時とはまるで別人じゃねえか。あの時の威勢はどうしたよ」

「!それとこれとは別です!あっ、また……」

「……」

「あーもう分かったよ!私だって先輩ってガラじゃないのにぃいー!」


生徒会役員となった狼ヶ崎総悟には多くの関係者が違和感を覚えるものの、

彼は問題を起こすことなく時折活動内容に愚痴をつけながらもこなしていた。

その話は第一生徒会や教員達の耳にも入り


「ALL ADVENTUREも問題は起きていないようだし。まだ効果は分から
 ないけれど、始まって間もないしね。ただ、食いつきはいい感じかしら」

「クラスメイトが、家でもやりたくて買ったって言ってた」

「ううーん。内容によれば勉強になるとはいえ、そっちが主になっちゃうの
 も考えものだけどね。そっちのけで試験の成績が悪くなっても困るし」


その頃、狼ヶ崎総悟と彩花は第三生徒会室から離れた場で息を切らせ

ていた。辺りを確認するように警戒するとここに至るまでの話を思い出す。

その提供者は翔太で、彼は放課後間もなく彩花の元へやってくるとこう告げる


『どうやら新聞部がな?第三生徒会の会長を暴こうと企んでるらしくて
 な。もしかしたら張ってるかもしれねえから念の為お前に言っておくぞ』

「くっ……確かに正体不明は暴きたいとかネタになるかもしれないけど!」


ここ数日新聞部……その部員であり最も積極的なのはまさかの彩花のクラ

スメイト。翔太とそこそこ仲も良く、去年も同じクラスだったある男子生徒だ


「めんどくさい事に……」


ネタとしての執念か面白半分か、その執念は半端ない。警戒の為に裏道

から入ろうとすれば裏道の在り処を暴かれ、着ぐるみで誤魔化そうと思えば

着ぐるみの存在から利用しているのではと奥の部屋に待ち伏せされる始末


「ま、面白半分の奴らってそういう事だけには執念があるからな」

「というより君は逃げる必要はないのでは……」

「馬鹿言え」
再び木の影から後ろを確認すると

「会長の正体をネタにしようとする連中だぞ?下手したら俺の事もネタ
 にしようとするだろ。俺だって必要のないことで目立ちたくねえんだよ」

「た、確かに……」

「俺もそんな面倒くさいことはまっぴらゴメンだ。この事は残ってる連
 中に連絡を入れっから……俺達はとりあえずここから離れるぞ!」

「わ、分かった」


元々謎めいた組織から一部では注目を浴びていたものの、北条啓が

加入したこと、更に狼ヶ崎総悟の加入に一気に関心が集まってしまっ

たのだ。学校から離れ追っ手を確認していると


「流石にここまでは来ねえか」

「うええ、面倒くさいよぉ……」
と彩花がため息をはくと後方から声が聞こえた

「貴方達、こんな所で何をしてますの?」

「「!!」」


聞こえた声に二人はおそるおそる振り返ると、そこには男子生徒の横で

腕を組んでいる金髪美少女の姿が。彩花は顔を上げるとその名を呼んだ


「な、納言さん……」



二人は成り行きのまま高級そうな部屋で高級そうなソファに座っていた。

埃を少しも残さぬ清潔さに床のカーペットですら特別感溢れる質感に


「……」

「……そんな萎縮されましても。もう少し楽になさったら?」


納言麗奈の言葉に反応すると隣に座っていた総悟もどこか落ちつかな

い様子でいた。それに同情しながらやがて彩花は彼女に向かって口を開く


「いや、まあ……。……ところで、何故あんな所に」

「貴方達が人目を忍ぶように校外へ出ていく姿が見えましてよ?鞄も持たず
におかしいと思いましたの。ところで……そちらのお方は、いつぞやかの
 校庭で吠え散らかしていた生徒ではなくて?また珍しい人を連れて……」

「誰が吠え散らかして……てめえ、俺に立てつくとか度胸あんじゃねえか」

「ま、まあまあまあ!」


総悟が麗奈を睨んだ直後、麗奈の前には由良が立ちはだかり、そして総悟

を止めるように彩花も彼の前に出る。やがて、事情を説明すると彼女は納得し


「成程。それで」

「はああ、めんどくさいのに目を付けられたよ」

「確か、危険が故に伏せているのでしたっけ?」

「あぁ、うん。本当なら皆伏せるべきなんだろうけど、生徒会である以上活動
 報告をしない訳にもいかず。霧島さんだけは生徒の間でも知られてるんじゃ
 ないかな。放送部としても信頼とか知名度結構高いみたいだし……」

「あぁ、あのよく前に出てくる」

「他の皆は極力名前を出さないようにしてる。それにしても困ったなあ。活動
 を中止するわけにもいかないし、これはバラすしか治める方法が……」


そんな言葉を聞いて数秒、ため息を吐く彩花の前で考え込んでいた彼女

は顔を上げるとこう問いかける。騒動を治める事に協力してもいい……と


「なんなら、私が協力して差し上げてもよくてよ」

「へ……?」


その発言に彩花は呆然とした。総悟も慣れぬ部屋に緊張しながら彼女

を見ると麗奈は髪を指に巻き付けながら流暢に言葉を紡いでいく


「借りを作って差し上げてもよくてよ?私の力でその新聞部を黙らせましょうか」

「一体どうやって……」

「なに、少し脅せばいいだけの話ですわ」

「な、脅すって……」

「時に力は使うべきものよ。それが自身にとって+となるべきものなら惜しみなくね」

「……」

「条件は、私がその男の愚行を止める変わりに私の言う事をなんでも聞くこと」

「な、何でもって例えば」

「それはお答えできませんわ」


彼女であれば無理難題を押し付けられる可能性も十分にある。そう考え

ると簡単に頷いていい内容ではない。だが彼女はそれを見越したように


「……」

「貴方に不可能な事なんて求めませんわ?貴方の知能くらい把握してますもの」



またある日、リオンはあらかた仕事を片付け、彼らと約束していた為

自室に戻るとゲームにインした。そこには既に彼らの姿があり


「アヤトータクヤー」

「あ、来たっぽい」


小腹がすいたというタクヤの為に三人は街に来ていた。そこでサンド

イッチが運ばれると、ふとタクヤはため息交じりにリオンに話を振った


「聞いてくれよリオン、アヤトのやつ、今日また親父に怒られててさ」

「またですか?」


リオンが聞き返すと、タクヤは息を吐きながら
「そう、また。お前といい懲りないよなあ。出来ないわけじゃないのによ」

「ええ、だってなんだか急いでやるのって無駄な労力消費してやだし」

「一応一通りの仕事は出来るし要領の良さはむしろ羨ましいくらいなのに」


と呆れ交じりにタクヤが告げる一方、アヤトはいつものように無気力さ

のまま気にも留めぬ様子でいた。リオンにとって、見慣れたとは言い難い

がアヤトの件については研修時代何度か見たことがある


「俺もそこそこは出来てるつもりだが、やっぱ才ある英才教育組にはなあ」

「あんまり気を張ってもいいことないでしょ。給料が上がる訳じゃないし、
 出世できるわけでもないし。総理になれるってんなら少しは考えるけど」

「総理って総理になって何がしたいんだよ」

「うーん?週5休で二勤だけににして、好きな時にサボってても怒られないように」

「……うん。綾斗を総理なんかにしたら日本が破綻するな。総理にしちゃい
 けない男ナンバーワンだ。……それはそうとリオン、お前そっちはどうよ」


ふと振り向くとリオンは呆気にとられたような表情で聞き返す


「え?どうって……普通ですよ?」

「いや、上手くやれてんのかなと思って。去年の夏に北条が令嬢連れて来た
 ときがあったんだ。その時お嬢様が迷ったらしくてな、偶然開いた扉が俺の
 部屋で……俺はゲームをしてたんだが話しかける前に逃げられたんだよな」

「へえ?拓也はお嬢様を見たんだ?」

「一瞬だけだったけどな」


そんなタクヤに対し、アヤトはお嬢様の姿は見たことがないと話した。

お嬢様が祖父に会いに来たことも聞いていたが、他の執事達と違って

特別姿に興味があるわけでもなく、ふと通りかかったらラッキー程度に

思っていたが結局見かけなかったらしい


「つーかお前なんて代々神月家に仕えた一家なんだし親父さんもそうだ
 ろ?すこし真面目にやって頼めば側仕えくらいにさせて貰えそうだが?」

「えー?俺、そういうなんか媚を売るっていうかコネ使うの好きじゃない」

「なんでだ?ちょっと頼むくらい悪い事でもなんでもないだろ」

「そういう贔屓っていうの?昔から経験してきたからさ、代々仕えて来たか
 ら無条件でご主人様の外出のお供に選ばれたり。なんか嫌なんだよね。
 ご主人様のお供は別にいいけど、水瀬家の人間だからって選ばれるのは」

「別に普通の事だと思うけどな。代々継いで、それだけの信頼があるって
 事だし。俺はお供したこともないが、だからってどうこう思わねえぞ?」

「うむむう、私もアヤトの話はよくある話だと思っていますが……アヤトはそれ
 が嫌なのですね。確かに、この業種は家名などに左右されやすいですが」
だが、とタクヤは息を吐くと

「でも、なんだかんだ言って綾斗が優秀なのは事実だしな。家柄とか関係な
 しに要領はいいし、やる気さえ出せば仕事は速いし、おまけに能力者だし」

「そんなの親父が勝手に身に着けさせたものだよ」

「……」


行き交う人々がいて、そんな中綾斗の言葉にリオンと拓也は口を閉じた。

彼は呆然とコップに注がれた水を見つめ、数秒が経った後拓也が告げた


「……けど、まあ滅多にそんなこと言わないお前がそんな事を言うなんてな」

「そう?いつも色々文句言ってると思うけど」

「きっとご主人様はアヤトの能力を認めて選んでるのだと思いますよ?それに
 ご主人様は色んな人を従者に選んでいる気がしますし。その判断基準は
 分かりませんが……専属の従者もいるはずでしょう?いつも側にいる……」

「確かにね。あの人はもう年だからってのもあるだろうけど、うちのご主
 人様たちってどこか変わってる気がするよ。まさかとは思うけど……」


と最後の彼の呟きは二人には聞こえなかった


==================================

次回

新聞の暴挙を止めると提案した納言麗奈は代わりにと彩花にある条件を

付け加える。そして、いよいよ啓を元に彩花の所作教育が始まろうとしてい

た。これまで気にしたこともなかった彩花には苦行で……


次回 第40話、「異能者」


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