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INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

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第34話、第三生徒会の謎

第三生徒会に加入希望を申し出た少女帆風美穂。彼女は都外からやってきた

生徒の一人であるが、この学校では度々先輩である北条啓が通るたびにざわ

ついていた。その理由をクラスメイトから教えられた美穂は……
____________________________________
「……まさか、知らなかった?」

「え?北条先輩って……もしかして、本物の執事なの……?」


部活動の多さ、交換留学、エレベーター式の学校、または同盟校の存在。それ

だけでも桜丘を選ぶ事はメリットがある。そんな中将来性や校風等の利害を抜

き、新入生の間では瞬く間に有名となった噂話。それは二年生に本物の執事と

ご主人様がいるということだと彼女達は力説する


「なんだ知らなかったんだ~!そうだよ!」

「更には主や執事も二人ずついるらしくて、その一人が王子様こと北条先輩なの!」

「え、えええええっ!?」


驚き声を上げると、美穂の表情に合わせるように脳内に思考が回る。これ

まで教室で見聞きした彼を見た時の周りの反応、あの人だかり。ただ高身長

でかっこいいからと想っていたが、確かに男子生徒までもが注目するのは

不思議だった。だが今の一言で全てに納得と理解がいったのだ



「という事は、この学校のどこかに北条先輩の本物のお嬢様が……?」

「いる。同じ学年だと聞いたけれど、見たことはない……というより分からない
 よね。王子様はいつも囲まれてる訳だし。私達もそこまでは知らないんだ」

「変な話よねー。執事って常にお嬢様の側にいるのかと思ってたけど、
 現実はそんなことないのかなー。それとも実はあの中にいたり……?」

「ねえねえ、王子様のご主人様って男の人かな?女の子かな?」

「どーだろ。上級生の教室なんて滅多に行かないし」


そんな中帰ろうと歩いていた四人はある掲示板の前で立ち止まる。一人の声に

続いて次々足が止まると視線の先を追うと掲示板には何枚かの紙が貼られてい

る。一番目を引くものは毎月新聞部が発行しているという『桜丘新聞』。まだ部

活の勧誘ポスターなどは無く、空いた場所も多い中もう一枚のポスターを見て


「第三生徒会……」

「第三生徒会?この学校って第三生徒会まであるの?」
そこに書かれた文字を読むと

「……何これ。緊急時ってヤバいやつじゃん!」

「風紀委員と違うのかな」


文字から危険度を読み解いたように彼女達はポスターに向かって否定的な言葉を

述べる。仮とはいえそんな第三生徒会の一員になった美穂は複雑な心境になり


「そういうのって教師がやるべきでしょ」

「美穂、どうかした?」
一人が様子に気づくと、迷った末に彼女は仮役員となった事を彼女達に話した

「ええっ!?」

「美穂が第三生徒会に!?」

「あっ、でも、第三生徒会は危険な業務も多いからあまり話すなって先輩が……」


更に彼女達は彼も一時的に手伝いをしている事を話すと驚きの声を上げた



翌日、クラスメイトは美穂の元に集まると第三生徒会の事をあれこれと聞き込ん

でいた。それもそのはずで、第三生徒会は在校生にとっても謎多き生徒会なのだ


「ねえねえ、第三生徒会ってどんな人がいるの?」

「まだあんまり詳しくは分からないけど……霧島先輩はいかにもって
 感じだった。真面目そうでキリッとしてて、……少し怖いけど……」

「え……」

「霧島先輩って確か……副会長さんだよね?」

「怖いって言うか、こう、キリッとしてて優等生みたいな……」


その時、美穂の言葉は止まり、覗き込む三人に気づくと口元に手を当てながら

呟いた。それはあの場で見たのは副会長と北条先輩だけの姿であり、最も重要

人物と思える生徒会長の話を出そうとしたものの、その姿を知らないからだ。

そう話すと黙り込んだ後、一人が納得したようはな息を吐き呟く


「まあ、そりゃそうよねえ。私達も第三生徒会の会長なんて見たことないし」

「そっか、入学式では第一生徒会だけ挨拶してたっけ?歓迎会でも第三生徒
 会は姿を見せなかったし。生徒会が3つもあるとか知らなかったけどさ……」

「第二生徒会は留学生やハーフがなるものって歓迎会で言ってたよね」


桜丘にも七不思議に通ずるものが存在し、見えない力とか、怪奇現象とか、そう

いった未知のものに興味のある美穂はそのいくつかを知っている。そのひとつが

第三生徒会の謎。誰も第三生徒会の役員を把握していないのだ


「……」
口々に疑問を問い交わす三人を見ながら考え込むと

(あの時はただ不思議だなーって興味本位にしか思ってなかったけど、学校内の
 ほとんどが把握してないなんて……。実際、存在してることは分かったけど……)


「あ、ねえねえ」

「ん?」

「昼休みにさ、二年生の教室に行かない?」
突然席を立って告げたクラスメイトの申し出に美穂を始め二人は首を傾げるが

「王子様のお嬢様ってどんな人が気にならない?」

「え?……確かに気になるかも」

「やっぱり、お嬢様と執事だから同じクラスにいると思うのよ!」


昼休み、授業が終わり直ぐに四人は二年生の教室に向かった。各教室が並

ぶ中、北条啓の属する2-Aの周りだけ人だかりが出来ている。その目的は……


「北条くん、今日は私と食べよっ」

「北条くん、私もー」

「あぁ、北条先輩今日もカッコイイ……!」
二年生だけでなく他学年かと思われる姿も見え、人々に北条は囲まれていた

「うっわ、凄い人……」

「流石は王子様」

「一年生らしき姿も見えるって事は、三年生とかも……」

「いるかもねえ」


三人がそんなことを話しながら見渡すも北条は生徒達に囲まれ誰が何なの

かすら判別できない状況だ。それだけ人気のある存在であると眺めながら

美穂は改めて思った。更にはクラスメイトと思われる男子生徒の姿も現れ


「北条ー次の授業小テストあるだろ?ちょっと教えてくんね?」

「ちょっと!北条くんは私達とお弁当食べるの!」

「はああ?テストのが重要だっての!赤点だったら追試になるんだぞ」

「勉強なら一人でも出来るでしょう」


と北条の近くにいた女生徒達は男子生徒に向かって棘のある言葉をかけ

対する男子生徒も怒りに触れたようで互いに睨み合っている。一気に険悪

な雰囲気になっていき、周りも静まり生徒達を見つめていると


「まあまあ、机を寄せあって皆で昼食を取りましょう?小テストは恐らく公式さ
 え抑えておけば解ける範囲でしょうし、皆さんで復讐するのはどうでしょう?」

「え?いいよ!」

「……」


北条の問いかけに即答する女生徒。それに男子生徒は不満そうな表情を浮か

べていたが更に北条の一言で了承しみるみるうちに人に囲まれる。四人はそれを


「凄……一気に喧嘩を収めちゃった」


まるで何事もなかったかのように教室内は戻っていき、


「うーん、でも、こんなに人に囲まれてたらよく見えない……。本当に
 この中にいるのかな?やっぱりそれっぽい人は見当たらないけど」

「どうかな……」

「うわ……」


同時刻、一クラスだけ人の集まりが異様な光景を眺めながら彩花は呟く。その

隣から、同じ方向を見ていた翔太もまた相変わらずと呆れながら苦笑いし


「今日も人気だなぁ。そういえば今日も納言に誘われてるのか?」

「別に。そもそも強制的に連行されてるだけで、好きでいるわけじゃないんだけど」

「へー」


まるで街中に芸能人が現れたかのような人の集まり具合。元より彼を目当てで

やってきた女生徒たちと、噂からか興味本位でやってきた新入生達の姿も見え

二年生の教室の並ぶ廊下は学年が入り交え昼時の学食のようだった


「実は今日俺も一人なんだ」

「いつもの人達は?」

「まあ、俺達も常に一緒にいるわけじゃないし?女子連中は学食に行ったし、俺
 はコンビニで買ったもんがあるからな。で、どこで食おうとか考えてたんだが」


と手提げのビニール袋を持ち上げる。黄色い声が聞こえ、眉をひそめた

彩花姿を見た翔太はふと意味を含めたような笑みを浮かべ声を上げた


「ははー」

「何さ」

「いや、お前の執事なんだから用があるなら呼べばいいのにと思っただけだ」

「はあ?」

「だから、妬いてないで呼べばいいだろ?って話」


悪意はなく、親切心から問いかけたもののピクリと眉を動かした彩花は

みるみるうちに不機嫌となり、そっぽを向くと腕を組み、翔太にとっては

すっかり慣れた棘のある言葉が飛び出る


「別にいいし。大体妬いてないし。むしろめんどいのが居なくて楽だ
あんなの家だけで充分だし。違うクラスになれてせいせいしますわ」

「はぁー……。まあ、で?何処に行く予定だったんだ?それ、弁当だろ?」
と翔太はこの光景にもなれ呆れたように手に持っていた弁当箱を見て問いかける


「第三屋上」

「第三屋上?」
間もなく賑やかな教室から離れていき、歩きながら彩花は告げる

「第一は広いしベンチやら設備が整ってて人が多いし、第二はそれほどじゃない
 けどちらほらいるのよね。第三屋上は狭くて何も無いけど、その分人が来ないの」

「はー、そこで今まで飯を食ってたと」

「……一年の時は沙織達とね」




その日の夜、彩花はベッドにもたれかかりながら耳にスマホを当て話していた

『いやー、やっぱり関東とじゃ味がちがくって、やっぱこれだよってなる!』

「あー、大抵のものは慣れたけど最初は微妙に感じたよねえ。同じ日本なのにねえ」

『そうそう!私なんて大阪から愛知、んで東京って来たから味がコロコロ変
 わって。ふっしぎだよなあ。関東と関西じゃあ醤油の味が結構違うのよ』


電話の相手は地元、大阪の学校に留学に行った緋香琉だった。国内のため

会話は電話やメールで簡単に出来、懐かしみながら学校の事を話していくと


『こっちも4クラスあるからそこそこ広いんだけどさ、やっぱ桜丘は
 広いなーって思うのよ。屋上も一箇所しかないしいっつも人多いし』

「こっちは8クラスだからねえ」

『それで、そっちはどうよ?』

「ん、まあ、普通?」


やがて、啓と違うクラスとなった事を言えば驚き、事の経緯を話すとさらに驚

いていた。対する緋香琉側は、クロスも同じ学校に留学しクラスも同じらしい。



『でも上田は同じクラスなんだな』

「あー、まあね。で、今第三生徒会が人手不足なのよ。卒業生が抜けて、副会長
 は第一の会長になって。だから霧島さんと今人集めにヒーヒー言ってるわけ」

『はー、今は何人残ってるんだ?』

「私と霧島さんの二人だけ」

『二人だけってそれ……』

「だから助っ人として啓を呼んだよ。それでも人がいないせいで大した活動
 は出来ないんだけどね。五人集まらないと活動を認められないんだって」

『生徒会なのに変な話だなぁ。でもその間に問題が起きたらどうするんだ?』

「まあ、個人で動く分には勝手だろうし?魔物とかが来たらなんとかする。霧
 島さんもそのつもりみたいだし、霧島さんってうちらみたいな力はないのに
 凄いよねえ。生徒間の問題は今は職員室の先生が受け持ってるけど……」

更に彩花は「あ、後」と話を続けた

「あ、後前さ、沙織がなんか言ってたじゃん?有名校やらお嬢様学校に海外
 の魔法学校やら騎士学校の生徒を呼んでるって。ますます二次元っぽよね」

『あぁ』

「今年何人か来てるのよね。なんて言ったかな。一人は軍人候補で、後
 は……忘れたけど。まあ、それもあるからなんとかなるんじゃない?」

『クロス!今年桜丘に海外の騎士学校の生徒が来てるんだって!』

一時期声が遠くなるが、近くにいるクロスに向かって話しているのだろう

「なんか?護衛の為に呼ぶのはお金かかるけど、沙織みたいにそっちの学校と
 の交換留学って形で来てるみたい。だから費用はそんなにかかってないとか」

『どんな感じだった?』

「あー、実は会長から聞いただけで実際に見たことはないんだ。違うクラスに
 いるみたいだし。でもその一人は第二生徒会に入ったって聞いたけどな?」




数日後、美穂達は再度二年生の教室に来ていた。今日も前回と変わらず人

だかりが物凄く教室内は見づらい。すると丁度教室から出た霧島に遭遇する



「帆風さん?」

「あっ、霧島先輩!」

立ち止まると美穂は三人に互いを紹介していると、ふと思いついたように問いかけた


「霧島先輩なら知ってるんじゃ……!?」

「……確かに知っているけれど、あの人はあまり目立ちたがらないから」

「おーい、北条ー」


その時、とある男子生徒が廊下から覗き込み北条の名を呼んだ。その

声に気づいた北条は振り向くと廊下に立つ男子生徒の元へ歩いていく。

廊下に近づく姿に廊下にいた生徒はざわめき出し、クラスメイトも


「えっこっちに来る?!」


そのまま廊下近くにやって来た北条啓の先には一人の男子生徒がおり
「上田さん?どうかされましたか?」

「いや、まあたまには一緒に飯でもどうかと思ってな。クラスも別れちまったし」

「これは珍しい。伊藤さん……はいませんね」

「あぁ、伊藤は部活のミーティングでいないんだ」


「北条くーん、今日もお弁当?」

「……あいつもいるんだが」


横から女生徒の声がかかる中それを見た翔太は声を潜め啓に呟く。それ

を聞いた彼は考え込んだ後、女生徒の方へ振り向き申し訳なさげに告げた


「すみません、先約が出来てしまいまして」

「ええー?そうなの?残念」


と女生徒は翔太の方を見た後啓に向き直りあっさり引き下がる。女生徒

去っていくと北条は持参していた弁当箱を持って男子生徒と共に教室を

離れていった。それを霧島を始め四人は見ていた


(一応、もう隠してはいないのよね)

と亜理紗もまた教室から歩いていく北条啓と上田翔太を見ながら

(クラスメイトや同学年の生徒には知られているわけだし)



一方、廊下へと出ていった啓は翔太の後をついていく。階段を登り、やが

て人通りも少なくなる辺りで壁にもたれながら立っている姿を見かけると


「珍しいですね?」

「別に」

「自分で行けばいいものを行きたくないっていうから」


と呆れた様子で告げる翔太。対する少女は心底うんざりした様子で


「やだよ。そんなの絶対目立つし。ただでさえ目立ちたくないのに変に話
 題になってるし。毎日休み時間は廊下が大変なことになってるし……」

「北条の件は仕方ないとして、あっちは自分で決めたことじゃねえか」

「そうだけどー」


その頃、教室内にいた女生徒はすっかりいなくなった廊下を見ながら

「北条君って上田くんが来ると優先するよねー」

「仲いいんじゃない?」

「ええ?あんまり接点はなさそうだけど……」

「さぁ……去年も昼時は女子男子問わず囲まれてたけど。そう言えば上田
 君と北条君って去年は同じクラスだったっけ。仲良かった気がしたなあ」


そんな話を片耳で聞いているとクラスメイトは霧島に問いかける

「あ、あの、王子……北条先輩のご主人様ってどんな人なんですか?」

「男の人なんですか?女の人なんですか?」


問いかけている中美穂は啓と男子生徒の去っていった方向を見るが、既に

目には見えなかった。そんな所に霧島の声が聞こえ視線を戻すと、彼女と

美穂のクラスメイトは現れた二年生と思わしき女生徒と言葉を交わしている


「流石は王子様。学年問わずファンになる子は多いねえー」

「ファンクラブなんていうのも出来て、一階に拠点があるって聞いたけど」

「あっ……確か、ファンクラブって非認可なんだよね」


女生徒は霧島に対して伏し目がちに告げると彼女は腕を組みながら

「ええ。ある規模での活動は『クラブ活動』に等しいから、設立するには
 『活動届』を生徒会に通さないといけない。生徒会でもその存在自体は
 知っていたし、無断で空き教室を占拠することは問題視されてたわ」
つらつらと述べる霧島に三人はおろか美穂も息を呑むように緊張していた

「……けれど、今の所問題は起きておらず、会長達の制裁よって限度は保
 たれていると聞いているわ。校則違反とは違うから何とも言えない状態ね」


「あー、みたいだね。部活の友達がファンクラブに入ってるんだけど、
 『あくまでお嬢様の執事』だって事を会長が徹底させてるんだって」





その頃、そんな事も知らずに彩花と翔太は啓に連れられ人通りの少ない

裏道を歩いていた。手入れされた庭の先にテラスハウスが見えてきて


「ん?なんだあれ?」

「あれは執事部の活動地ですよ」

「へー、あれが?こんなところにこんな建物があるなんて知らなかったよ。
 なるほどなあ、ここが噂に聞く執事部の……。思ったよりしっかりしてるな」

「あちらにはメイド部の活動地がありますよ。元々は以前の理事長が学食
 のひとつとして喫茶店を建てたのですが、それを再利用しているとか。
 半年後、対抗してメイド部が出来、あちらの建物を建てたと聞きました」

「はー、そんな事があったのかあ」


執事部の指導を頼まれてからというもの、自分達も似た経験をするから

か北条啓に同情し昼はここを使うことを勧められたのだとか。やがて手を

伸ばすと鍵を差し込み扉が開いた


「うわ、初めて見たけど本物の喫茶店みたいだな」
あまりにも凝った内装に翔太は驚き隅から隅まで見渡すと

「椅子とかもなんか洒落てるしホントにただの部活かよ」

「初めは備え付けられたもののままで活動していたそうですが、やがて人気
 となり知名度も上がって、文化祭の売上や部費でここまで揃えたそうですよ」
適当な所に座ると啓は備品と思わしきティーポットを持ち出し茶を入れる準備をしだした


「いいのか?勝手に使っちまって」

「許可は頂いてます。部員は自由に使っていいんですよ」

「執事部って執事喫茶みたいなことしてるんだろ?金がいるって聞いたけど」

「確かに、食すものを提供するので申し訳程度のお代を頂きますが……。食
 費や活動費は全て、部費と文化祭の売上で賄ってるそうですよ。さあ、どうぞ」

「へー、そうなのか。……なんだか緊張するな」

「そうですか?」

「文化祭の練習の時も思ったが、さすが本物って感じで違和感無さすぎな
 んだよ。こうしてると自分が金持ちになったかのような錯覚になるな……」

「とはいえ、潤沢に資金がある訳では無いので、その茶葉はあまり高価なものではありませんけどね」

「君の高価じゃない基準は当てにならないよ」
そう彩花は弁当を広げながら告げる。それに対し啓は笑いながら

「いえいえ、これは業務用の茶葉ですから」

「あ、そう」

「それでも部長さんが紅茶には詳しく、厳選して調達したものだとか」


そういいながら紅茶を飲む姿にすっかり慣れたんだなと翔太は思う


「ここには偶に来るのです」

「やっぱりああ言うのは少し鬱陶しかったり?」

「いえ。初めは驚きましたが、賑やかな空間や頼られるのは好きですし、皆
 さんのお力になれるのもとても嬉しいです。ですが、偶にゆっくり食事を取り
 たいと思うこともしばしば……。そういう時にここを利用させて頂いてます」

「ふーん」




『いやあー、一先ずの山場は越えたって感じ?』


美穂は向かい側のソファに座りながら画用紙にそう文字を記し見せる生徒

会長の姿に困惑し続けていた。しかし他の二人は戸惑うこともなく


「そうね。流石に前城島会長ほど盛る事は出来なかったけれど」

「まあ、ちらほらその前会長さんのイベント感を聞いてここへ来た方もいらっし
 ゃるようなので、少々期待より物足りなかったなかったという話も聞きましたが」

「そこはどうにもならないわ」


一年生を楽しませようもあれこれ議論していた事を美穂は知っていた。実際、美穂

は一年生として歓迎される立場におり、新入生として、生徒会役員としてどちらの


感覚も持っていた。だからこそ彼女らの会話を静かに聞いていた。本来歓迎

会というのはまだ不慣れた新入生に対し、学校に慣れてもらう、知ってもらう為

の機会。その中で教員や会長からされた説明を美穂は思い出していた


『この学校には三つの生徒会があり、生徒の代表である第一生徒会、留学生を
 サポートする第二生徒会。そして昨年新たに新設された第三生徒会がある』

そこで新入生の殆どは生徒会の違いやシステムについて知ることになる

『生徒の違法や暴力が発覚した場合、教員、及び第三生徒会が対処に当
 たる。また近年増えつつある魔物の襲撃が起きた際、避難指示を出すの
 も第三生徒会が担っている。よって緊急時は第三生徒会の指示に従う事』

生徒達がざわめく中
『尚、第三生徒会は通常と異なり選挙制ではない。危険の伴う役割ではあ
 るが、この学校を守りたいという生徒がいるならば担任に伝えて欲しい』


かつてここへ来たとき、副会長から説明を受けた為その言葉の意味を他の

新入生よりは理解しているつもりだった。だが改めて聞くとここが特別な場

であると思い、そんな大変な場に来て大丈夫かと不安も感じていた

(霧島先輩は普通の人、なんだよね)


と着ぐるみ姿の生徒会長と話す副会長を見て思う

(私はここで連絡を受け答えする役割だから、危険な場に出る必要はないとは
 言ってたけど……。私達は自分の役割を果たせばいいって言ってたけど……)


正直言えば、実際にどんなものなのかはまだ経験がなく実感が湧かない。

更にこの生徒会の役目柄、危険な行為を止める役割の人もいる訳で、

それは生徒会長とあの北条先輩が担っていると言っていた


(皆からは王子様とか言われてるけど……そういうのを止められる人には
 見えない。あっでも本物の執事って言ってたし実は凄く強い人なのかな)


===================================

次回

『奇跡の手紙』の一員の六本木は仲間たちと話していたところ、ある話題が

飛び出た。そんな中、第三生徒会室にある情報が舞い込み室内は騒然とする。

噂されていた不良生徒が校庭である情報を探しているようだが……


次回 第35話、「奮い立ち一撃」


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