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INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第32話、目覚めよルーキー

年度が変わり彩花達は二年生へと進級した。新たなクラス編成で再び新た

な生活が始まろうとしていた中、第三生徒会は新たに拠点となる教室が設置

された。しかし現在第三生徒会には彩花と亜理紗しかおらず……

====================================


「外国人は馬鹿みたいに身長高いし、前から思ってたけどリオンは絵に
 描いたような王子過ぎるんだよ!しかもそのビジュアルで執事とか」

「prince!?」

「啓よりリオンの方がよっぽど王子だしぃぃー!?」


翌日、昨日の一件から反転して彩花は教室内にて静かでいた。周りは

女生徒同士が雑誌を見たり、雑談をしたり、男子生徒も食堂へ移動し始

めたり昼食を取る中彩花は教室を出ていった

「……」

しばらく歩き、階段を登れば屋上へと出る。人気もなく静けさ溢れるこの

場は本来の彩花にとって落ち着ける唯一の空間だった。生徒会長が変わ

り、イベント類は大きく激減した。その関係もあって昼休み時に放送部が

流す放送も去年に比べインパクトに欠ける


(とはいえ、まだ始まって一週間も経ってないし?一応……)


その時、扉が開く音がし思わず顔を上げた。滅多に人がこないものの

驚きと焦りが混ざっていると扉から現れたのは意外にも金髪少女、納言

麗奈だった。彼女は彩花の姿を見つけるなり近寄ると


「貴方こんな所で昼食を取っていますの?」

「誰かと思えば……」

高圧な態度と口調の納言麗奈に対し彩花は気だるそうに問いかけた


「こんなところに何か用でも?」

「しかも一人で。まさか共に食事を取ってくれる友がいないとか?」

「あのねえ……」


少しばかりイラッとすると彼女は執事を連れず一人だ。それに気づく

と、これまで彼女の姿を何度も見た訳では無いが珍しいように見える


「そう言う君は?」

「君っ……まあ、いいですわ。私はたまたまここに来ただけですわ」

「あっそう」

「んまーっ!何ですのその態度は!?」

「なんだよめんどくさいなあ」
思わず告げた言葉にますます彼女は

「貴方忠告したのに全く変わってませんのね!」

「忠告ぅ?」

「こほん。とにかく、貴方の為に私が共に昼食を取って差し上げますわ!」
そう告げると有無を言わさず隣に座ろうとするが

「地面っ……に座って……!?由良、椅子とセットを……くっ、そうでしたわ」

「執事はどうしたよ」

「ふん、今日は用事があって外してますの。くっ、こんな所に何も轢かず座
 っては制服が汚れてしまいますわ。清掃も行き届いてないようですし……」

「帰る時叩けば良くない?」

「良くないに決まってますわ!それに無造作に座れば布が痛みますわ。
 布はデリケートですのよ?傷んだ布は見るに堪えない不清潔感が……」

「はあ」

また後日、昼休みに入ってすぐ、教室を覗く威圧的な視線に振り向かずとも

大抵の予測はついた。周りもざわつき廊下を見ているが、彼女が用があると

するなら一人しかいない。振り向くと視線が合い、やはりかと呆れ気味に

近寄ると彼女は変わらず高圧的な態度のまま問いかける


「神月さん、お昼の予定は?」

「特にないけど……?」

「なら、行きますわよ」

「え?っは、ちょっと?」

腕を掴みどこかへと歩き出すとつられて彩花も歩かざるを得ない

「どこへ行くわけ?」

「食堂に決まってますわ!」

「えっ、私弁当あるんだけど」

「そんなの知りませんわ。あそこは風も強いし椅子もテーブルもありませ
 んし食事を取るには不衛生過ぎます。あいにく私は弁当を持参していま
 せんの。貴方なら食堂の利用方法もご存知のはずでしょう?」

「いや、行きたいなら一人で行きなよ」

しかし手が離される事はなく、半強制的に食堂で昼を済ませることと

なった。間もなく午後の授業に入るも、ここ数日の挙動を考え込み


(なんだ?ここ最近、やけに納言さんが来るような……)


それらの全ては昼休み時の誘いだが、唐突に発せられた事に理解

が追いついていなかった。何をきっかけにこうなってるのか考えるが


(啓か?でもそれなら本人が来れば良くない?まさかこれでバレな
 いと思うほど馬鹿じゃないと思うし。なら納言麗奈自身の意思?)


ふと思い返せば、元々納言麗奈も一匹狼基質だった。更にはお嬢様という

こともあり高飛車な口調と態度が人々を寄せ付けんとしていた。美人であり

ながら一般的な人を見下す様な態度から一部の者からは好意的に思われ

ていない一面もある。去年まだ彩花が沙織達と行動を共にしていた時、納言

麗奈は大抵執事である由良と共におり、他の誰かと過ごしていた姿は見た

ことがない。少なくとも彩花の目では


(でも納言麗奈がそんな事考えるかなぁ)

初対面での件やミラクルレターでの一件、北条兄との一件など多少の関

わりはあれど互いに仲良くする程のものでもない。ずっとプライドを持つ

スタイルを貫き通していた事から一匹狼同士仲良くしようなどという考え

には行きつきにくい。なら何故か、考えど答えは分からぬままだった



「ただいま」

「あっ、お嬢様、おかえりなさいませ」

出迎えたリオンと共にリビングに入るとソファに座る

「啓は同級生達とどこかに遊びに行くってさ。夕飯までには帰ってくる
 つもりとか言ってたけど。まあ王子様と呼ばれるくらい人気だからね」

「classmateとですか」
ソファに大きくもたれ掛かると息をはく。それを見ていたリオンは

「……お嬢様、なんだかお疲れのようですね?」

「え、そう?」

「あっ、少し待っていて下さいね。今お茶をいれますから!」


思ってもないことを言われ体を起こすと彼は背を向けてシンクに向かう

とカチャカチャと食器を触る音が聞こえた。しかし数分後大声が聞こえ


「あああっ!」

「な、何!?」

「うう、茶葉を入れすぎました……」

「……」

「あれ?このスプーンで合ってましたっけ?ああっ、もうお湯が沸いてっあああー!」

一人慌ただしい様子に彩花は眺めていた

「うぅ……やはりケイのようにはいきません……」

結局、若干にがめの紅茶が出来上がると彩花はそれを飲んでいた。飲め

ないほどではないものの横で落ち込んでいるリオンを見ていると


「執事ってこういうのは得意というか出来て当たり前……だと勝手に思い込
 んでいたんだけど……学校の試験にもありそうなもんだけどないの?」

「ありますよ。実は、teaの入れ方のtestは合格点ギリギリだったのです」

「あ、そうなんだ……」

「うう、少しでも疲れを癒せたらと思ったのに……」


その言葉に彩音はリオンの方を向くと自身も苦いと感じているのか

紅茶を飲みながら顔を歪めている。やがてティーカップを置くと


「季節の変わり目が忙しいのは全国共通でしょうか。色々大変なのでしょうか」

「あー……」

「……」

「うーん、まあ確かに?……大変っちゃ大変だけど、よく気づいたなあ?」

「些細な変化も見逃さぬのが一人前の執事だと教えられましたから!」

「そう……」
だが、すぐにリオンはバツの悪そうに

「……というより、家の手伝いでディーラーをしていた頃相手の手順や癖を見
 抜くのが基本だったのでその癖ですね。よくこういう事には気づくんですよ」

彼の言葉に納得していると彼は家にいた頃の話を始めた。父の隣で

華麗なカード裁きを目にしてやがて真似するようになると父はそう何

度も言い聞かせた。それが相手の手の内を知る最もな手段だと



放課後の学校にて、彩花と亜理紗は掲示板の前でポスターを見て呟いた

「本当にこんなのでいいのかね……」


ポスターには『第三生徒会役員募集』『非常時の動員、生徒の取り締まりなど学

校をより良いものにする為の活動をしています。能力に自信のある方、我こそは

という方は第三生徒会室まで』と書かれてあり申し訳程度のイラストが描かれていた


「殺風景過ぎないかな?周りに貼られた部活の勧誘ポスターに比べると……。
 いや、真面目な話だし方向性的には合ってるんだけど、こう……なんか……」

「大体、これを立案したのは神月さんよ?」


紛れもない事実を言われ口を閉じる。新入生在校生の情報など知るよしもない

二人は新役員の勧誘に苦難していた。そこで考えた末まずはと取った行動だ

「いや、まあ危険な事をする訳だしこんなので人来るかなぁ」

「前も言った通りただ連絡の請け負い担当でも構わないじゃない。正式な
 活動は六月下旬からとはいえ、その前に問題が起こらないとも限らない」


今のうち にある程度体制を整えておきたいと亜理紗は話す。しかし人数が最低

でも5人集まらなければそもそもの活動もできないけれど、と付け足しながら。

その後二人は第一生徒会長、緒方結希と合流し彼に連れられ校舎から出ていた


「去年はね、会長がある程度目星をつけてたんだよね。運動部の主将とか、
 中学の時大会上位者とか。なんでそんな事を知ってたのかは知らないけど、
 まあ昔からそういうの知るの好きだったみたいだし、変な人だったなあ」

歩きながら話は続き

「元々生徒会にいたのもあるけど、僕もその一人なんだ」

「私もですね」


そんな中、亜理紗は疑問を問う。高校で初めて放送部に入った自分は決め手が

無いはずだと。だが考えているうちに彼女は一つの原因を思いつき顔を上げる


「……まさか。父の事を知って……?」

「うん。会長はそう言ってたよ。後君が入試面接で父と同じ職に就くつもりだっ
 て言ってたことも。だからいい機会だと思って受けてくれるんじゃないかって」

「今思うと、つくづく前会長はよく分からない人だったわね」

「……まあそれで、単純に素質を求めるなら問題に対処できる人
 になる。だから今回もそこから頼もうかなって思ったんだけど……」

「言われてみれば、活動内容からなんの疑問も感じなかったけれど第三
 生徒会のメンバー、ほとんど運動部所属でしたね。体育会系というか」

「でもやっぱり三年生は勉強と部活、どちらも手を抜けないからね。去年も大半は
 断られてしまったんだ。一部は僕の方からも頼んたけど……やっぱり難しいね」

「では、今からは残りを当たると?」

「うん。折角だし、見回りがてらにね」


活動中の部を回りながら二人は交渉を持ちかける会長を見ているものの、

やはり様々な理由で断わられた。やがて室内に戻る為に歩いていると


「厳しいねえ」

「まあ、去年の事もあるしね」

「そうよね。命に関わるとなると簡単には頷けないわよね」
結局、今日活動している部活は全滅し三人は第一生徒会室に戻ってきた

「一応、何箇所かの掲示板に勧誘ポスターは貼りました。出来ればこちらで
 能力を見定めつつ勧誘できるのが一番なのですが、条件が厳しいですね」

「少なくとも、五人は集まらないと先生達も第三生徒会の活動を認められないしね」

「啓を入れても三人か……という事はあと二人は探さないといけないの……?」

「それと、もう一つ話したい事があるんだ」




やがて部屋に戻るとソファに三人は座り、話を切り替えるように緒方は告げた

「なんですか?」

「……もしかしたら直ぐに第三生徒会の出番があるかもしれないんだ」

「え?」
彩花と亜理紗は疑問を感じながら聞いていた。やがて緒方の話でそれは明らかになる

「実は今年の入学生に、教師も警戒している生徒がいるんだ」

「え……」

「日南中学校って知ってるかい?」

「いえ……私、都外に住んでたもので」

彩花がそう答えると

「日南中学校って……」

「?」

「そう。都内なら割と有名な学校だよ。……治安が悪いことでね」

「えっ」

「毎年万引きや暴力問題を起こしていて、暴力的な生徒が集まってる学校
 ね。中でも暴力事件は日常茶飯事で、警察も教師も手を焼いているそうよ」


日南中学校を初め学校のいくつかには不良の頂点と呼べるリーダーが

存在し、互いの優劣を決めるためにまた騒ぎも起こしてきたという


「で、日南中学校の頂点に立っていた元リーダーが、今年この学校に入学した訳さ」

「えっ?そんな……」

「今の所校内で大きな問題は起こしてないけれど……」

「ちょ、ちょっと待ってください」
緒方の言葉を亜理紗が止める

「あの不良校で有名な日南中のトップでしょう?学校側はそれを知って
 入学させたんですか?それだけ有名なら教師も知らないはずは……」

「まあ、僕も噂として知っていたくらいだしね。……日南中は元々都内でも屈指の
 不良校だった。けれど彼がリーダーになった二年前からは、小さな暴力事件はな
 くなったらしいんだ。実際、その時から日南中の犯罪履歴が一気に減ったらしい」

「……」

「彼がリーダーに立っていた間は他校との権力争いしか起きていなかった。そし
 て、不良であれ彼自身は成績も面接も合格点に満たされていたようだからね」

「……」

「な、なんだかとんでもないことになってるような……」


まさか新年度始まりすぐこんな事になるとは。思い悩む彩花と顔をしかめる

亜理紗を見て緒方は二人に投げかけた


「もちろん、問題を起こせば処罰を受ける事になる。けどその生徒『狼ヶ崎総司』
 は暴力的で有名な不良そのもの……決して一人で何とかしようと思わないで」

「「……」」

「一人で対応するには危険過ぎる」


後日、廊下沿いの入口ではなく、隣の教室から繋がっている扉が開く

と彩花が現れた。その姿を見た亜理紗はご満悦したように頷いている


「いいじゃない」

「あのさあ……」

対して彩花は落ち着かないようでいた。というのも頭にウィッグを被っているからだ

「まさか学校でこんな事するとは思わなかったよ」

「演劇部が去年一回だけ使って、それっきり使う予定がないって聞いた
 からもしかしてと思ったけれど、これなら周りにもバレないのでは?」

「前はあの被り物被らせて……!まあ、この方が動きやすいし見やすいけど」


と彩花は隣の空き教室にあるゆるキャラのような着ぐるみを思い返す。あれは

元生徒会長の思いつきで文化祭用に用意したもので、コンテスト内で彩花が

審査員として着たものだ。結果あの場では注目を浴びていた訳だが


「でも、これじゃ身長とか声で分かりそう……」

「そこまで見る人はいないでしょ?」

「いや!こういうのはちゃんとぬかりなくやらないと。ちょっとしたミスでパーになるんだから!」

「神月さんって、普段やる気ないのに唐突に妙な点で凝るわよね」

「霧島さんも人の事言えないと思う」

「そうかしら」

「いや、いつも真面目だけど文化祭の出し物といい、変なところにまで真面目というか」
そう言いながら彩花はカバンから何かを探している

「うーん、魔法で身長を変える事もできるけど……」

「お嬢様の魔法はそんな事も出来るのですか」

「やろうと思えば姿を丸ごと変えることも。ま、これもあるし身長とかちょ
 ーっと変えればいけるでしょ。髪の色も派手すぎないし、こんなも……」
魔法をかけながら呟いた直後、扉にノックがかかった。その音に三人が言葉を止める

「まさか……」

「いやまさかね」

「す、姿バレないよね?似てないよね?」

彩花の問いかけに二人は頷き、再度扉を見ると亜理紗が前に出ると

「私が出るわ」

「え?」

「神月さんは奥の部屋にでも隠れていて。話し相手なら私一人でも務まるわ」


そう言われ咄嗟に奥の部屋に身を隠すと霧島ま扉へ向かい開いた。そこに

いたのは小柄な少女である。その姿を亜理紗が捉えると少女は勢いよく


「あ、あの!第三生徒会に入りたいんですけど!」
まさかのまさかで霧島は驚きを抑えつつメガネを押し上げた

「生徒会に?」

「ポスターを見て私の力が必要だと見まして!」

「まあ、中に入って」

「は、はいっ」

やがて中に招き入れ、ソファに座るように促すと少女は腰を下ろし、どこか

緊張した様子で辺りを視線だけで見渡していた。そんな彼女に亜理紗は威圧

をかけるように第三生徒会の業務内容を説明していく

「だから、普通の生徒会とは違い危険が伴うわ。第三生徒会に入ると
 言うことは、評価云々以上にリスクの方が大きいかもしれないの」

「……」

「もし逆恨みでもされたら大変よ。また、魔物に襲われた時、生徒の避難
 経路も確保し誘導しなければいけないの。貴方、魔物は見たことある?」

「は、はい。あたし、神奈川に住んでるんですけど、一度だけ警告が
 出て。私は避難所に避難していましたけど、窓から見えた事が」

「なら私が説明した意味は分かるわね?」

「……」
優しさと内容の危険度を示すように亜理紗は冷たい物腰で彼女に問いかけた。

「ポスターを見て、という事は貴方にここに加わるだけの能力があるのかしら」

「……!」

「ちょっ……!?」
扉の向こうで、聞き耳を立てていた彩花はぎょっとしていた

「いくら何でも言い方厳し過ぎない!?」

「あれが彼女と言えばそうですが……」


亜理紗と女生徒、二人の間に流れる空気はまるで面接のようで完全に女生徒

は委縮している。素の性格も相まってか亜理紗の表情が緩まることはなく


「貴方がここに入ったとして、何が出来るか説明できるかしら?」
霧島の問いかけに彼女は食いしばると顔を上げ

「あ、あたしは……」

「……」

「これで、魔物を追い返します!」


といいポケットからあるものを取り出すと霧島に見せた。しかしぱっと見ではそ

れが何なのか分からず手に持つものを眺めながら亜理紗は首を傾げた


「それは……?」

「爆炎魔法の種です!」

「え?」


といい見せるのは手のひらにのる程度の大きさ、それはいくつか束になって

おり見せながら少女はこう説明した。現実を目の当たりにした日から常に持ち

歩いているというが、それが効果があるのかは亜理紗には分からない


「貴方自身が襲われたら?」

「その時は、これでっ!」

といいスカートに巻かれたベルトに縛ってあった何かを見せる

「防犯ブザー……?」
その正体を言い当てると少女は何故か誇らしげな表情をしていた

「これは魔除けの警笛です!」

「……はい?」

「この爆炎魔法と合わせれば……」

「……」

「後、この追跡魔法、オウル・ディスカバリー・アイで」


彩花から見た霧島は、完全に困惑していた。そんな様子を奥の部屋から見ていた

彩花は隣で同じく見ていながらそれを間に受けている彼の発言にツッコミを入れる


「魔法……という事は彼女も魔法が……?」

「あのね、一応言っとくけど魔法ってあれどう見ても双眼鏡じゃん」

「ここに入りたい動機は?」

「え……。……その、ここって学校の風紀を守る組織ですよね?秘密裏に
 動くなんて、なんだかかっこいいなって思って……。えっと、その……」

「……」

亜理紗はこれまで聞いた言葉を並べると見定めるように眼鏡の位置を直す。そ

の表情や仕草は彩花や啓にとっても、また女生徒にとっても威圧的なものであり

女生徒は息を呑んだ。それは亜理紗も同じであり


(これは……どうするべきかしら)

目の前の彼女が冷やかしで来た様子はない。きちんと危険だと説明もした。質問

の答えに少々難解な点はあれど、ここまで来て自らその希望を申し出た貴重な生徒。

そして現在第三生徒会は存続の危機に瀕してもいる


「……去年、この学校も襲撃に遭ったわ。私達と生徒会、有志のお陰
 で人体的被害はなかったけれど、またその可能性は大いにある」

「……」

「まだ第三生徒会は出来て一年しか経っていないの。よって穴も多い」


その時、奥にいた北条啓がやってくると女生徒に続き亜理紗も啓の姿

に気づく。啓は女生徒にかけられた圧迫感から救おうと出た訳だが


「その、一定期間『仮』として試験運用してはどうでしょうか」

「え……?」

突如奥から現れた男子生徒の言葉に眼鏡をかけた女生徒は考え込みながら

「それもそうね」

本格的に活動を始める六月まで仮として仕事を知ってもらうと言う感じで

亜理紗は告げる。そんな亜理紗に対し女生徒はまだ緊張した様子で返事を

返すが、続いて啓は女生徒の方へと向き直ると名を問いかける


「貴方の名前は?」

「あっ、すみません!私一年B組の帆風美穂ですっ!」

「一年生?」

「は、はいっ」

「私は二年A組の霧島亜理紗。ここでは緊急時の校内放送を担当しているわ」



________________________________

次回

今年桜丘高校に入学した帆風美穂。近くの学寮で一人暮らしをしながら

通っている中、クラスメイトに連れられある場に連れ出された。そこは校内

でも有名なとある部活動だとクラスメイト達は話すが……?


次回 第33話、「噂の王子様」

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