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INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第31話、花開いて満ちて

クリスマスを過ぎ、正月を過ぎ、元生徒会長城島夏目を始め三年生は卒業

が迫っていた。彼女らを始め留学する緋香琉やクロス、沙織も新生活に向

けて動き出す。彼女達がいなくなった東京で新しい年度が始まり……
__________________________________
春休みを明け、彩音は桜丘高校に来ていた。とはいえほとんどの生徒はまだ休

みの中で、今日は生徒会として来ていた。そう、今日は入学式だ。生徒会を始め

ボランティアとして手伝いに来た生徒に混じって第三生徒会は活動していた


「皆さん、ご入学おめでとうございます」


校長の挨拶から始まり、新第一生徒会長である緒方結希の挨拶に移る。元々

こういった固い形式に慣れているからか特に問題も起きず事は進んでいった。

やがて、入学式が終わると彩花は『入学式』と書かれた看板を見つめていた


「自分達が入学してもう一年経ったのかって思うよ」
そう彩花は隣にいた亜理紗に呟いた

「そうね。最中は気にならないけど、時が過ぎるのはあっという間だからね」

「明日は始業式だし、うぅ、クラスとかどうなってるかな」


そして始業式。いつもと変わらず啓に起こされ目覚めると着替え二人は

登校した。クラス表を目指し歩くも、既に人が多く近くでは確認出来ない


「見えない……」

「少し待ちましょうか。次第に人もはけていき前に進めるでしょう」


そう啓は話すものの、彩花の耳には入っていなかった。頭の中をあらゆる思

考が駆け巡り、考え事をしていると啓は気づく。沙織も緋香琉もクロスもいな

い。彩花にとって今日からの日々は一つの試練でもあった


「あ、私はAクラスのようですね」

「そう」

やがて、人が進み前に出ると自分の名を探す。啓のいるというAクラスを

見ていくが、そこに自分の名はない。啓の編入時、学校側に頼み彩花と同じ

クラスにして貰ったという話を聞いた。やがて沙織達からあの話を聞いた後

その話を思い出し、本来の通りにクラス編成して欲しいと頼んだ


「よかったの?」

「……ええ。お嬢様の意向を汲みあえて何も言いませんでした」

「……」

「折角あれほどの決意をしたのに、ここで私が出鼻をくじいては意味がない
 ですから。ただクラスが違うだけなので用があればいつでもお呼び下さい」


再び視線をクラス表に戻すと、やがて自分の名を見つけ二人は教室へと

向かった。廊下で啓と別れ、彩花は2-Fと書かれた教室に入った。辺りを

見渡し、知らぬ顔が殆どを占める中見知った顔の元へと近づく


「よお」

「小学4年以外、同じクラスになったことはなかったのにね」
と感情を表さぬまま告げると視線の先、上田翔太は頷いた

「そうだな。ま、折角また同じクラスになったんだ。よろしくやろうぜ」

「沙織達がいなくなってと思えば、こんな確率発揮するなんて」

「俺もびっくりした。伊藤とはクラスも離れちまったしよ、北条も違うクラス
 だろ?良かったのか?……てっきり同じクラスになるもんだと思ってたが」

そんな翔太にいきさつを話すと彼は納得したように頷いた。その時、教室に

入って来た人物は話している二人の姿を見つけ、歩み寄るとに話しかける


「おはよう。また同じクラスなんだね」

「六本木」

振り向くとにこやかな六本木がいた。彼は二人の前でにこやかに笑いながら

「二人とも、また一年よろしく」

「あぁ」

「……」

「神月さん、よろしく」

「……まあ、よろしく」

更には、担任までもが同じという展開。後藤先生は去年と変わらず明るい

挨拶を交わし、それは太陽のように暑苦しい。やがて、始業式を終えると

彩花は何の表看板もない部屋に入った。やがて霧島の姿が現れ


「違うクラスになったわね」

「霧島さんはまた委員長を?」

「ええ、とはいえ、忙しいと予想される時は副委員長に任せそうだけど」

「まあ、霧島さんなら両方やってのけそう。ここはそんなに忙しくないはずだしさ」


部屋自体は教室と変わりないが、授業を受ける為の机や椅子はなくまるで応接

室かのようなソファと机が置かれていた。さらに窓際にはいくつかの机が並び、

最奥には一つだけ向きの違う机があった。それを見ていると背後の扉が開き


「神月さん、霧島さん」

「緒方先輩」
第一生徒会会長の緒方結希の姿が現れ、二人の姿を見ると

「もう来ていたんだね」

「はい。しかしまさか『第三生徒会室』が用意されるなんて」


そう。ここは新たに用意された第三生徒会室なのだ。元々空き教室

だったものを内装を変え用意したらしい


「まるで本物みたいですね」

「元々第三生徒会は生徒指導の目的で作られたから、活動部屋は必要ない
 と思われ用意されてなかったんだ。けどなんだかんだ忙しい時には役割を担
 ってもらったり、生徒の連絡のしやすさから拠点はあった方がいいかなって」

「確かに……そうですね」

「あぁ、クラスでも聞いたと思うけど、問題が起きて、近くに先生がいない時は
 元々職員室にかけるようになってただろう?それが今年度から少し変わって」


今年から特別な番号が作られ、その番号でかけると職員室と各生徒会室に繋

がるようになっている。教員、または生徒会の誰かが詳細を聞き処置を取るという


「ここ以外の誰かが取った時、必要だと判断すれば第三生徒会に連絡を回す事
 になってるから。本当は顧問もつける話が出ているけどまだ決まってなくてね」

「分かりました」

やがて、三人はソファに座るとタイミングを見計らい結希が口を開いた

「まずは二人とも、昨日の入学式はありがとう。お陰で助かったよ」

「あぁ、いえ」

「敷地が広いから来校者が迷うこともよくあって。教師に生徒会だけでも人
 手不足で、毎年こういうのには在校生徒からボランティアを募ってるんだ」

「確か、文化祭とかにもいましたよね」

「まあね。参加すると内申に+されたり、学食の券なんか貰えるから割と参加
 してくれるんだけど。こういうのは城島先輩のいいアイデアだと思ってたよ」

「これも前生徒会長が考えたことなんですか?」

「そうだよ」


新体制となった生徒会はまだ不慣れな部分も多く、第二生徒会は新たに留学

した生徒によって決まったものの、活動はもう少しあとから始まる。しばらく

は第一生徒会と第三生徒会を中心に進める予定だ


「でも、まだしばらくは忙しいからね」

そう言い二人にある紙を手渡した。そこには『新入生歓迎会』と書かれている

「あぁ……」

「多分、新入生のほとんどは城島先輩がやってきた『イベント』の派手さを楽
 しみにしてる生徒もいると思うんだ。だからあまり下げすぎたくもないんだ」

「なるほど……」

「大まかな流れはプリントの通りで、余興と途中にある空きをどうす
 るか考えたいんだ。まあ、俺はこういうものを考えるのは苦手でね」

「私もあまり得意ではないです」

「はは、霧島さんは僕と似ていかにもって感じだからね。第一生徒会は全体
 的な司会を請け負うから、二人にはこの空きをどうするか考えてほしいん
 だ。出来れば新入生の楽しめるものにしたいんだけど。無難なところだと」
あれこれ話し合い、しばらく間が開くと霧島は話を切り出した

「それにしても……」

「ん?」

「第三生徒会が二人なんて、どうします?」

霧島の問に彼は頷きながら

「あぁ、うん。その問題もあるよね」

「流石に二人は厳しいのでは?ねえ」

「そうだねえ」

「去年みたいに今年も素質のありそうな人を誘うつもりではいたんだ
 けど、まだ新入生の事は把握できていなくてね。なんとかしないとね」

「確か、私が呼ばれたのは部活に本入部してしばらくしてからでしたよ
 ね?と言うことは、6月辺りまでは二人で第三生徒会の活動を……?」


一応結希の方でも探すものの、最終的に決めるのは二人なので二人もい

いと思う人がいたら誘ってほしいと告げた。とはいえどお互いクラスメイトや

部活の関係者などくらいしか知ることはなく候補は上がらない


「ひとまず繋ぎとして啓に手伝わせますか。見回りくらいなら出来るだろうし」

「……?」


ふと首を傾げている緒方結希に気づいた彩花は北条啓の話をする。すると

直後彼の発したエピソードは彩花を驚かせる。なんと生徒会は納言麗奈を

始め、そういった類の人は一通り把握していたらしい。


「私は役員にしても構わないけれど」

「自分がやだの。今は人手不足だし仕方ないけど」

「第一生徒会の仕事が行き詰まっていなければ俺も協力するよ」

「多分、啓もそういうのはなんとか出来るでしょ。ただ、見回ったり連絡受けて
 くれたり、情報を教えてくれるだけでもいいからそういう人が少し欲しいかなぁ」

「確かに、非戦闘員でもいいから補助的人員は欲しいわね。部活中や
 見回り中に起きたらすぐには対処出来ないし。それなら誰でも出来る」


年度が変われど北条啓の人気は変わらず多くの注目を集めていた。通称

『王子様』はあっという間に名を広め、彼に執心する女生徒も少なくない


「沙織から聞いたよ?密かにファンクラブまであるみたいじゃん」

「ファンクラブ?アイドルか何かかしら。……とはいえ、納得できる存在
 なのは間違いないけれど。その凄さは去年散々目にしてきた訳だしね」

「霧島さんに褒められるとは」
放課後、第三生徒会室に集まり、呼ばれた北条啓が意外そうに告げると

「……私だって人を見る目くらいあるわ。礼儀正しく身だしなみも申し分ないもの」

「恐縮です」

やがて、教室を出ると啓は無表示のプレートを見ながら

「表記がありませんが……」

「あぁ、今まで『第三生徒会』なんてなかったから今作ってるんだって。ま、一応
 身を隠してる身だし?今までは専用の部屋もなくてボランティアに混じってた
 からバレにくかったけど、拠点があるとなると何か対策を考えないとなあ……」

「対策ですか?」

「そ。先生とか緒方先輩が気を利かせてこの教室にしてくれたみたい」

「といいますと、この教室にした理由が?」

「まあね。まずあの教室は隅だから人目に付きにくいでしょ?それに隣も空き
 教室なんだけど、そこと繋がってるからそこから入れば気づかれないって訳」
「……」


面倒な事を嫌がりながら、結局今年も引き続き第三生徒会を引き受けた。

しかも会長も継続で。お嬢様の性格から断れなかった可能性もあるが、特

別嫌がっている様子はない。となるとやはり本人の意志なのか。その心が

北条啓には少し分かりかねた



4月が始まり、彩音達に重大な任務が課せられた。そして、始業式から二日

経ち、翔太は教室内にいた彩音の様子を見つめていた。そして別の場に視

線を向ければ六本木と目が合い、意志が通じたしたような反応を見せた。

やがて2年A組の教室……


「鈴木達が留学に行っちまって大丈夫かと思ってはいたが、やっぱりなぁ」

教室にやってきた翔太はため息を吐くように告げる

「まだクラスが変わって何日かしか経ってないとはいえ、周りは元々の仲も
 あって既にグループが出来つつある。だからか周りと溶け込めてなくてな」

「あぁ……。まあ、上田が同じクラスになったのがまだ救いじゃないか?」

「それもそうなんだが……六本木もなんとなーく気づいてるみたいで、な
 んとかしたいとは思うが、下手に教室内で馴れ馴れしくするとそれはそ
 れで面倒な事になりそうだしな。俺も去年の馴染み連中とかもあるしさ」

「そうか……」


まるで過去に戻ったように、教室の中で彩花は一匹狼のようだった。誰かと

会話することもなく休み時間も一人でいた。その光景は青空は毎日のように

見て来たし、翔太も安易に想像がつく。やがて翔太はふと心の声を漏らす


「せめて北条が居てくれたら違うんだが……」

そう言い翔太は教室の隅を向くと

「北条くーん、お弁当一緒に食べよー」

「あっ、私も私も!」

「私もー!」
北条を囲むように女生徒が集まり、北条の姿の大半が見えないほどだ

「あんな感じだからなぁ……」

「編入した時から凄い注目を集めてたけど、すっかり人気者って感じだよな」

「まあ、頭良くて運動も出来て、顔も良くて家事も出来る。おまけに人もいい
 んじゃ皆いってっけどそりゃモテるわ。なんだかんだ俺も世話んなってるし」
更には他クラスの女生徒まで集まり大きなグループが出来上がっていた

(あの様子じゃ、北条はあいつの状況に気づいていない。あいつ自身自分か
 ら話すとは思えないし、あんな感じじゃ様子なんて見に行ってられないか)

「まあ、なんつーか、去年も二人は大抵別行動だったし。正体を隠すためだ
 とはいえ……何よりも、元々仲の良かった三人がいなくなったのがデカいな」

「そうだな」

「クラスの奴らも、北条とあいつが違うクラスになった事で遠慮がなくな
 ってるようにも見えるし。まるで学校に芸能人がいるような感覚だぜ」

「あぁ、確かに。元々人気はあったけど……更に追っかけが増えてる気が
 するよ。新入生の間でももう噂になってるらしいし。それで、その本人は?」

青空の気にかける声に翔太は意外そうに表情を変える。やがて


「……さあな。昼休みになった瞬間弁当持って教室から出ていったよ」



屋上にて彩花は弁当を開いていた。ここは第三屋上。本棟から離れ第一屋上、第

二屋上に比べてベンチなどの設備が無いため人気はないことから貸し切りの状態だ

「……」

その中で、ただ黙々と彩花は弁当を食べていた

「はいHR終わり!皆、また明日な!」

学校が終わり、教室にやってきた啓と合流すると二人は教室を出ていく。

そんな様子を翔太は無言のまま眺めていた。やがて帰り道を歩きながら


「わざわざ教室に来なくても」

「昨日はクラスの方々に誘われてしまいまして。どうも断れない雰囲気
 でしたので連絡を入れさせて頂きました。お嬢様もお誘いする事も考
 えたのですが、あのような大人数の場は好まないだろうと思いまして」

「カラオケだっけ?」

「ええ、折角の半日ですからね」

「……」


やがて人通りの少ない家の立ち並ぶ路地に入ると啓は笑みを浮かべて口を開いた

「実は、お嬢様に見せたいものがありまして」

「見せたいもの?」

「ええ。今日は生徒会もなかったようですし、ちょうど良かったです」

「明日から新入生歓迎会について準備しないといけないし。……まさか私
 がこんな事することになるとはねえ。……で、見せたいものって何?」

問いかけるとすぐに答えは出ず、彼はもったいぶるように笑みを浮かべて笑っていた

「ふふふ」

「……何その声」

「きっとお嬢様驚かれるだろうなと」

「なんなのさ一体?」

「まあまあ、きっと家に帰れば分かりますよ」


どこかこの状況を楽しんでいるようにも見える。結局答えは聞けぬまま家へ

辿り着き、扉を開ける。玄関に入り靴を脱ごうとするとリビングから足音が

聞こえ、数秒と絶たぬうちにリビングの扉から人の姿が現れた


「おかえりなさい!」

「……」

にこやかに告げたその姿を見て彩花は動作を止め固まった。本来この家

には彩花と啓しか生活していない。そんな中玄関に現れたのは金髪の青年

だった。数秒後、やっとの思いで彩花は口を開いた


「え……」

「……」

にこにこと笑みを浮かべる人物に向かって

「……リオン……?」

「ハイ!」

「え?……え?」


目の前にいたのは紛れもないリオンだった。リオンは、去年の秋に神月家

に研修生としてやってきた執事見習いだ。その関係でここにも来て数日間

研修していた。しかし彼は研修が終わると同時にイギリスに帰っていった

はずなのだ。その記憶と目の前に見える現実に彩花は困惑しながら


「ど、どういうこと?なんでリオンがここに?」

「ふふふ〜」

「えっ、だってリオンってイギリスに帰ったでしょ?」

「えぇ。その後仕える場を選定し、卒業試験を受け、合格した者は学校を卒
 業し決められた時期からその場に仕える……。これが一般的な流れです」

困惑している姿を堪能した後、啓は種明かしをした

「ですので、彼は正式に『神月家』に仕えることになったということですよ」

「……え、えええええっ!?」


やがて、リビングに移動するとソファの隣に鞄を置き座る。啓もリオン

も同じようにソファに座り、疑い深くリオンを見ていると啓が再び口を開く


「博様曰く、彼を神月家に誘った所、受け入れて頂けたとか」

「私もここのような場がいいと思っていましたが、願ってもないお誘いでした」

「お嬢様も気に入っていたからと即決したとかなんとか」

「……って誰が気に入ったってぇ!?」

勢いよく叫ぶと啓は茶を入れながら

「別れ際、残念そうにしているのを見てそう思ったのではないでしょう
 か?残念がる、という事はそれなりに好感があったという事ですし」

「ちょっと!?この展開はひどくない!?……あの時の気持ちはどうし
 てくれるの!?まさかこんなすぐ再会するとか一体誰が思うのさ!?」

「博様の事ですし、私はなんとなくこうなるのではないかと思っていましたけどね」

「うええ!?」
家に帰り数十分が経ち、やっと現状を受け入れると彩花は問いかける

「えーと、ここにいるということは……」

「御主人様からは、ここで生活の手助けをして欲しいと頼まれました」

「成程。……私も手は欲しいと感じる部分もあったので助かりますね」

「いや、あの、まさかとは思うけどリオンも実は同じ高校に編入する
 よーとかないよね?まさかクラスについて口出ししなかったのはこ
 れを知ってたからとか……!?」

「残念ながら。リオンには洗濯、掃除などの家事を担当してもらう
 予定です。元々留守なのも不用心だと思っていたので助かります」

「Mr.ケイ、任せて下さい!」

誇らしげに告げるリオンに対し

「私はもうteacherではありませんよ?ですからMr.と呼ばず啓と呼
 んで下さい。私と貴方は、もう同じ人に仕える仲間なのですから」

「……それもそうですね。では改めてケイ、よろしくお願いします」

「こちらこそ。よろしくお願い致します」

啓に挨拶を告げた後リオンは立ち上がり、彩花の前に歩みでると膝を折り跪く

「……!?」

「私もお話を頂いた時は驚きました。まだまだ不慣れな事も多いです
 が……これからは正式な神月家の執事としてよろしくお願いします」

「あっ、うん。驚いたけど、またリオンに会えたのは嬉しいし、リオンならまあいいかな」

やがて、彩花の手を取り甲にキスをし

「末永く、お仕え致します」

「……っ!?」


彩花は自然に行われた行為に目を丸くすると、やがて手が離れた瞬間飛

び上がった。手を片手で覆い唖然としているとその顔は赤に染まり、その

様子に気づいたリオンは固まったままの少女を見て首を傾げていた


「……」

「何か?……おかしな所でも?」

「なっ、リオン……今のは!?」

「え?今の?」

「リオン、日本人はこういうのに慣れていないんですよ。英国の基準とは
 かなり違う部分も多いので。貴方の取った行動は悪くないのですが……」

「そうか……やだ外国人怖い!」
啓が振り向くと彩花は手を抑え真っ赤に染めたまま叫ぶ

「やっぱり外国人はこういうの普通な訳!?」

「こういうの?」

「挨拶に……チューしたり、ぎゅーってしたり!?」

「え?全てがそうとは限りませんが……大抵は?」

「やだ外国人怖いっ!」

「えっ!?」

彩花の言葉に困惑するリオン。そんな様子を見ていた啓はため息をつき両者に告げる

「日本人はストレートに伝える風習はあまりありませんからねぇ。今のは、
 少し刺激が強すぎたかと。ですがお嬢様、いずれ海外の名家と接する
 可能性も大いにありえますし、らばある程度の耐性はつけて頂きますよ」

「……」

「むしろ、生粋の英国生まれのリオンが来てくれたのは良い訓練
 になるかもしれませんね。彼も元は大富豪の家系の出ですし……」

「ええっ!?なにそれ怖い!」

「ええっ、怖がらないで下さい!」

焦ったようにリオンは告げ、瞬く間に室内は慌ただしくなるのだった

===================================

次回

現時点で二人しかいない第三生徒会。臨時で北条啓を役員とするものの問

題はまだ解決していなかった。そんな二人に不良が今年入学したと緒方結希

は話す。後日、そんな第三生徒会にある女生徒が訪れ……?


次回 第32話、「目覚めよルーキー」


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