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INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログ

第32章、決意

思わぬ偶然が重なり彩花達はリレミアの王子ミズキと共に戦争を終わらせる為

に決戦地へ赴く。多くの人が倒れ血で染まる、そんな中一筋の光は差し込みか

けた。しかし途中で姿を消したベス王ラグラートは『生滅竜』ランドールの復活を

企んでいると踏む。破滅を防ぐため、一同は生滅竜の祠へ向かう……
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「つるぎもユグもここにいるのに、ラグラート王はどうやって生滅竜の復活を?」


移動途中の休憩の場でミズキはカンパネラに問いかけた


「……生滅竜の復活には、いくつかの条件が必要なの」

「条件?」

「方法は主に二つ。一つは、大規模な戦争や殺戮を長期間起こし絶望に
 満ちた時。もう一つは、祠の前でつるぎとユグを用いてある儀式を行う事」

「……」

「だけど、実はもう一つだけ、極めて特殊な方法があるの」



カンパネラの言葉に誰もが息を呑んだ。その答えを待ち続けていると


「それはこの大陸のどこかにあるとされる、炎の紋章の力」

「……炎の紋章?」

「先祖達による伝承によれば、竜の遺産である『生滅竜のつるぎ』と『竜の子』
 は竜を見たという旅人に託されたという。しかし炎の紋章は遥か遠くに飛ん
 でいった。だから伝承でも一文にしかなく真意は誰にも分からなかった……」

「まだそんなものが存在していたというの?」

「おそらく、代々竜の子達が伝えてきたのでしょうけど、それもいつしか廃れ
 ていったのでしょう。その炎の紋章は、希望であり、絶望とも呼ばれている」

「希望であり、絶望である、か……」



正式な書面でのやりとりはないが、一大事ともとれる事態に各国は一時同

盟を結ぶ。そして彼らはランドールの存命を望む『ランドール軍』とした



「アルデバラン・メライが率いる先導軍はお父様が主導権を託された。そして……」



カトレアはしかめ面をしながらミズキを見るとため息をついた


「……僕では不満なのか」

「そういう訳ではないわ。ただ、お父様に比べて少し頼りないなと」

「……」


互いに沈黙が流れかけると横から笑い声が聞こえた


「はっはははは」

「コレット女王?」


威勢のいい笑い声に振り向いたカトレアは疑うように問いかける


「君達は随分仲がいいようだね」

「なっ……?!」

「コレット女王、私達はそういう訳では……」



二人が焦ったように否定するとコレットは楽し気に告げる


「まあまあ、折角同じ中央軍になったんだ。今のうちに少しでも親睦を深め
 たいだろう?私は最低限以外は各国の王達とは顔を合せなかったしね」

「そういえば、軍議にもいつも欠席されていましたね」

「あぁ、私達は元々『中立国』だったからね」

「……」


顔をしかめたカトレアに対し、何かを察したように


「私達が気に入らないかい?」

「え?」

「それは……」

「君がそう思うのも仕方のないことだろう。ベスと他国、どちらが非道だったかで
 とればそれは明らかだったからね。だけど、私達は中立を何十年も貫き通した」

「……」



コレットの言葉は続く。ベスの力はあまりにも強力で、逆らえる状態ではなかったと



「我がクレモアはアルデバランのような文武多彩ではない。かといってリレミア
 王のように言葉で物事を動かすカリスマ性もない。まあ、臆病者ってことさ」

「……」

「だからこそ、君達の誠意には心底心打たれたよ。……クレモアは、私は父
 上がベスに殺されながら、その怒りをぶつける事は出来なかった。国と、
 民を守る為には感情を殺してでも今生き残る術を選択するしかなかった」

「コレット女王……」



やがて、ある天幕の中で重要人物たちが集まり軍議は開かれる


「まず、密偵の情報によればあの研究者の言っていたことは真だろう」

「ということは……」

「うむ。祠までの道のりで多くのベスの軍勢が待機しているそうだ」

「我々を止めるつもりだな?」


メライ王の問いかけにアルデバラン王は頷いた



「恐らく、ベスは多くの兵力を配置しているだろう。そこで二つの部隊に分け、ひ
 とつはそれらの足止め、そして中央軍へ先導を渡す。中央軍はベス王及びそ
 の軍師、そして生滅竜の復活を止めるのが主な目的となる。これでよいか?」

「我らは異存ない」

「私もです」


メライ王とミズキが頷くとアルデバラン王は


「そこで、だ。その先導は我らアルデバランとメライが引き受ける。ミズキ王子、
 コレット王女、そして我が娘カトレアよ。中央軍はそなたらが中心となり進めよ」

「え……?」

「お父様?」

「我らをここまでつなぎ止めたのはそなたらであり、これからの世はそな
 たら若い者が中心となっていくであろう。見事、この地を守って見せよ」



再び出発したとき、一同の元へある報告が上がった。それはこちらの様子

に気づいたベス兵が向かっているというもの。それを聞いた一同は戦闘に

備え武具を整えると進軍し続けていた。そして



「!」


ベス兵達が駆け出すと突如この場は戦場と化した


「ユグは馬車の中に隠れていて」


とカンパネラは後ろへ促すと、しばらく俯いていたユグは


「ねぇ、カンパネラ」

「?」

「私、考えたの」


戦闘音が聞こえる中、ユグはカンパネラにあることを話し始めた


「ユグは竜の子で。ユグの力のせいでこんなことになってるんだよね?」

「それは違うわ。貴方は何も悪くない」

「そんなことないよ!……ずっと考えてたの。この力はユグにも分かんないから
 どうすることもできない。だけど、ユグにもユグに出来ることを、したい……!」

「え?」

「何百年も色んな人に追いかけられて、その度にユグの力はその人達を傷つ
 けた。でも、今なら、この力は傷つけるだけじゃなくて『守る』こともできるって」

「ユグ……」



真剣な表情で見つめていたユグに対し、カンパネラは息を吐くと


「……えらいわね」

「!えへへ、これでもユグ、カンパネラより皆よりずーっとお姉さんなんだよ?」

「そうね。貴方の力は強力で恐ろしいものだけど、決して必要ないもの
 じゃないわ。貴方の力は、ミズキ王子や皆を守る為に必要な力なのよ」

「うん!」


大きく息を吸い込み瞑想すると常に持っていた竜石が輝き、光が身体

を包みみるみるうちにユグは竜の形へと姿を変えていった。大きく息を

吸い吐き出すと竜のブレスが行く手を阻む兵達を一掃していった



「はあっ!」


ミズキもまた迫りくる兵達を倒していく。やがてその場から兵達の姿は消

えた。それから何度も進軍先にベス兵は現れミズキたちの行く手を阻んだ。

しかし確実に距離を縮めていき祠のある領内にまで到達していた



「流石に、ここまで近づくと攻撃も激しくなって来るわね」

「そうだね。ユグの事も心配だけど……」

「私達に出来るのは儀式を止める事だけよ」

「わかってる。けどこれから先はかつてないほど激しい戦いが予想される。
 万全を期して臨みたいと思うんだ。この大陸に関する大事な戦いだから」

「……」


その時、レプシスはカンパネラに問いかける


「カンパネラ殿、以前話された貴殿の話から推測するに、『炎の紋
 章』はベス王が既に手に入れていると考えていいのだろうか?」

「その可能性が高いわね。炎の紋章を用いての儀式はどういった条件で
 成り立つのかは定かではないけれど、ひとつ確実なのは紋章を取り戻
 せば儀式は中断されるはず。ベス王の手から離すことができれば……」

「なるほど。では炎の紋章を取り戻せば我々の勝利ということか」


近づいたことにより、当初の予定通りアルデバラン、メライ兵と分かれ彼ら

先導して先へと進んでいった。やがて知らせを待っていると瞬く間に戦闘

開始の知らせたミズキ達の元に入る


「始まったようですね」

「あぁ。そろそろ私達も動き出すとするか」

「そうですね。皆、準備はいいかい?……じゃあ、行くよ……!」


ミズキの合図で一同は進軍を始めた。しばらく進んだ先で戦いの最中で

ある両軍を見つけ、アルデバラン・メライ軍によって切り開かれた隙間を

リレミア・クレモア軍は突き進んでいく。やがて通り過ぎていくと



「若者たちよ、ランドールの未来を頼んだぞ」






「祠が見えて来たわ」

「リレミア軍が見えたぞ!総員、戦闘用意!」


祠が見えるなり祠への入口を塞ぐようにベス兵達が立ちふさがっていた。

その中にローブに身を包んだ男だけが周りと違う雰囲気を感じさせていた



「後少しでランドールは復活する。ここで邪魔されるわけにはいかぬ」

「そんなことさせるものか!」



他の兵が兵士達とぶつかる中ミズキ、カトレア、コレットは軍師テルミンの元へ

駆け出していった。やがて彼の前に辿り着くと両者は対峙し武器を構える



「貴方達の野望もこれまでよ!」

「ふふ、それはどうかな。お前達に我らは止められない」

「止めてやるさ」


真っ先にカトレアが飛び出すと槍を振るうもテルミンはそれをあっけなく避けた。

間髪入れずコレットが槍を振ろうとするもテルミンから発せられた魔道によって

攻撃は中断された。飛び退くように間合いを取ると時間だけが過ぎていく



「この威圧感はなんだ?……いや、この者から発せられるものではない……?」


背後にそびえ立つ遺跡を見上げるとコレットは呟いた


「まさか、これが生滅竜の力だというのか?」

「ふふ……」

「なんという禍々しい……ずっとこの中にいれば我を失いそうな禍々しさ」



自らの心の中に喝を入れると正面に向き直りコレットは槍を握り直した



「……っ!」

「このっ!」

「増援よ、この者たちを蹴散らせ!」


そう告げた直後、物陰から更なるベス兵が一同の前に姿を現した


「増援!?」

「かなりの数をアルデバラン王達が足止めしているはずですが、それでも
 まだこれだけの兵力が残っているとは……。あの策がなければ今頃は」

「もっとすごい事になってただろうね」


シズクの隣で彩花が呟くと、少し離れた場にいたスノーが


「けど、これだけ怒涛の兵を動かしているということは、向こうは全力で来て
 いることになる。竜を復活させる為に、なりふり構ってられないともとれる」

「……」

「なら、ここで全員倒しちまえばこれ以上増えることはないってことだ。
 盛大に暴れちまおうぜ。なんせ、これが最後の戦いになるんだからな」

「ドットさん……」

「ずっと望んでたんだ。例え刺し違えてでも……」

「そんなことさせないっ!」


その時、上空に現れたドラゴンナイトを矢が撃ち抜く。ドット達が振り返ると


「スノー、お前」

「そうですよ!ここまで来たからこそ、誰も死なずに勝つことを考えましょう?」

「……」


ひしひしと誰もが、これが最後へと繋ぐ最も重要な戦いだと認識していた

そのこともあってかあのベスとの戦いから士気は途切れることなく続いている

その勢いに感化されるようにシズクを始めとした一同も気合を入れ直し


「負ける訳にはいきません」

「もちろん」


総攻撃の末、周りにいた兵達は片付き増援も現れなくなった。一同がミズキ

の援軍に向かおうとすると、ミズキの前にいたテルミンはふと攻撃を止めた


「……?」

「……時間だ」


そう言い残すとテルミンは背を向けその場から消えていった


「ミズキさん!」

「軍師が消えた?これは一体……」

「時間・・・・・。……まさか……!皆、急いで奥に向かおう!」


そう投げかけ走り出したミズキを追いかけ一同も階段を駆け下りていく。

同じ風景が続く中何弾も駆け下りていくとやがて開けた場所に出る



「ラグラート!」


真っ先に辿り着いたミズキは前方にいるラグラートに向かって叫んだ。声

に反応するように彼はゆっくりと振り返り、その隣にはテルミンの姿もある



「遅かったな。既に儀式は終わってしまったぞ?」

「貴方、やっぱり……!」


カンパネラが怒りを表すとラグラートは笑みを浮かべた


「いますぐ中断しなさい!自分が何をしているのかわかっているの?」

「くくく、歴史的「瞬間に立ち会える絶好の機会ではないか」

「くっ……。貴方の身勝手な欲望がこの地を滅ぼすというのに!」

「どちらにせよ、お前達は我らベスの支配で滅んでいたであろう?」


ラグラートの背後では生滅竜のつるぎに纏っていたものと同じ色の渦が

巻いていた。そこから発せられる気は大人も子供も、魔道の心得がない

ものですら体感できるほどに強い力を放っている



「あれは……?」


そんな中、ミズキはふと前方に飾られていた聖杯に目が留まった


「まさか、あれが……?」

「『炎の紋章』……?あんな形をしていたなんて」

「くく、探し出すのに随分手間取ったが、ある日私の元に巡った。これは
 生滅竜を目覚めさせよという天の導きでしかない。そう私は確信したよ」

「炎の紋章は悪しきものが手にすれば絶望に、正しきものが手にすれ
 ば希望になる。元々ベス王のやり方には批判も多かったけれど……」

「ふふ、はははは!それもこの力を目の当たりにすれば失せよう」


高らかに手を上げ、その動きに合わせて聖杯が宙に浮いていった



「目覚めよ、生滅竜ランドールよ!!」

「っまずい!」



ミズキは剣を構えるとラグラートに向かって駆け出した



「何としても、お前の野望を止めてみせる!」




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次回

ラグラートを止めることに成功せど生滅竜ランドールは甦りこの地を滅ぼ

さんと攻撃を仕掛ける。ラグラートの残したベス兵を相手にしながら一同は

ランドールの元へと急ぐ。その途中『炎の紋章』が反応を示し……


次回 第33章、「生滅竜ランドール」


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