INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第30章、仲間いる限り

絶望的な連合軍の報告にミズキは王位である自らの使命を投げ出す

心の声を叫ぶミズキと同様に彩花も叫ぶも約束した以上この国を守ると言い残し

ミズキ抜きで対策を立てる。そしてギンとシズクの偵察の末兵士が待機している

砦に奇襲をかける計画を立てるのだった

自由にいたかった。王子などなりたくなかった。その言葉を聞いた途端彩花の中では

ある人物が浮かんでいた。そしてその人物もまた話によるとこんな絶望的な状況だったらしい

そして今のミズキとほとんど、なにもかもが一致していた



温厚な性格、強い正義感、身分、そして・・・偶然にも全体的な身なりも



「・・・・・・っ」


レプシスが近づこうとした時、部屋中に声が響いた



「ふざけんじゃねえっ!」



突然の大声に、今までの素振りから到底出ないような口調に誰しもが驚いた

頭を抱えてうずくまっていたミズキでさえピクッと反応した


「国を助けるだけなら、敵を倒すだけなら自分たちでもできる!だけどこの国を・・・
 この城の兵士たちをまとめられるのは王子だけだろ!私がなんといおうと国民
 は聞く耳を持たない。多くの人に伝える力を持っているのはあんただけなんだ!」


同じく彷彿とさせた感情をぶちまけると誰しもが唖然としていた

だけどここは現実で私は女の子らしさやおしとやかさなんて求めていない

ずっと前から口は悪かった。旅にでると同時に直そうとしてはいたが


「私の知り合いにも同じように国を追われ絶望的な状況に陥った王子を知っている。そ
 いつも「自由でいたかった。王子になんてなりたくなかった」って言ってた。だけど仲間
 がいたから乗り越えられたとも言った。お前にもいるだろ!忠誠を誓っている仲間が!」


言いたい事を感情に任せ叫ぶと前のめりになっていた体制を元に戻し

冷静に戻った口調で告げた


「・・・私は決めた。この国を守ると。だから王子がいなくても・・・戦ってみせる」

「・・・・・・・・・・・」


そう言い残すと彩花は扉から颯爽と出て行った。それを追いかけるようにギンとシズクも出ていく

一瞬ミズキを見るレプシスとレイムだが静かに部屋から去って行った


「・・・・・・・・」




「・・・・・・」

歩くスピートはいつもより速くあんな表情を、あんな口調で話す姿は見たことないと

ギンは思った。シズクほどではないが普段あまり表情を変える事がないため

一層恐怖すら感じた。話しかけづらい中シズクが口を開いた


「・・・珍しいですね。彩花さんが怒るなど」

「怒るって言うか思った事を言っただけだよ。相手を倒すだけなら私達でも出来るけど
 ・・・最終的にこの国の治安を安定させる事ができるのはミズキだけだと思ったから」


それができるのは・・・・国の頂点に立つ、国民に一番支持を得ている

王族だけだと思っていたから。会議室に着くと数分後レイムさん、レプシス将軍、

ルイスが現れ会議は始められた。とはいえこれが会議と呼べるのかどうかは分からない


「・・・そんな事があったんですか」

「だから今回はミズキなしで進めることになる」

「・・・・この状況でなにか打開策があるのか?」


レプシスの疑うような疑問に彩花ははっきりと「ない」と答えた

この兵力ではこの状況に太刀打ちできる事がない事はさすがの自分でも分かった


「だから、騎士団と私達以外の兵士は城の守りに徹してもらいます。そして・・・
 将軍には悪いですが私の指示で動いて貰います。1人でも死なせないために」

「・・・この状況でまだ死なない方法を取るのか?」

「当然です。不可能であれ、それを前提に動くのはありだと思いますけど」

「・・・・確かに。・・・・君を信じよう」


一番早い方法。被害を最小限に抑える方法。それは


「私達でべス城に攻め込みます」

「べス城に!?」


声を上げたのはギンだ。彩花は兵力を減らすことを目的に一番の兵力があるであろう

べス城を責めることを提案したのだ。そして攻め込むのは王宮騎士団と3人のみ


「私の力なら可能です。基本固まって制圧していきます」


数日の間に出発すれば相手の兵力が集まる前に攻撃を開始する事ができる

それを見越して彩花はギンとシズクに偵察に行くようにと命じた

それから3日が経とうとした時、ある一室でレプシスは尋ねた



「君の自信は尊敬に値するが、過剰な自信は足元を救われる事になりかねん」

「知っています。テリウス大陸で経験しましたから。私じゃないですけど」



テリウス大陸でも人より何倍の力を持つ種族ラグズ。その中の王子スクリミルは

圧倒的な力を持ち負けることを知らなかった。好戦的な性格とその自信によって

進軍した結果とある人間の将軍に負けた


「彼は無事でしたけど、それでもかなりのショックを受け立ち直るには時間がかかりました」

「そして・・・私が絶対勝てると言えるのも女神の力があるからです。広範囲魔法ディン
 絶対防御のネールがなければそもそも戦争に参加しようともこの国を救おうとも考え
 ません。思ったとしても・・・おそらく動く事はなかったでしょう。私は卑怯な人間ですよ」


絶対死なないという確証がなければ死の可能性がある事件に首を突っ込んだりしない


「私はテリウス大陸に行くまで戦争を知りませんでした。私の国では過去にあったとはい
 えそれは私が生まれるずっと前に終戦しています。その被害と残虐さから二度と起こさ
 ないと国同士が誓い合いました。戦争は起きてはいけない事ですが・・・テリウス大陸
 で私は戦争の恐怖を知ると共に私の中の考えを変える大切なことを教えてくれました」

「大切な事?」

「私の国は平和ですが、略奪や殺人、強者による弱者虐めはあります。私は自らの国が嫌いで人は
 信用するだけ無駄だと、信用してはいけないと思っていました。ですが戦争では仲間同士の信頼
 関係や絆、協力が痛いほどに伝わりました。そこで少しだけですが・・・私の考えは変わりました」

「今でも自国の人間を信用する気も馴れ合う気もありませんが他の国の・・・今まで関わってきた国は
 どこも何者かに襲われたり世界が破滅に導かれたりと事件が起きていました。日本も・・・私の国
 もそういう事件が起きればなにかが変わるのかもしれませんが・・・あり得ませんね。多分・・・・・」


そこにクーヘンさんがやってきてその背後にギンとシズクの姿があった


「城よりも・・・効率が高く戦力を削れる場所を見つけました」

「そこの方が削れる戦力は微力ですが・・・成功の確率が高いかと」


手に持っていた地図を広げるとギンはある場所を指した


「ここに兵士約4000人がいるとの情報が。他にもべス兵が各地に拠点を構えているようです」


広い国であるべスは各地に支所と言うべきか多人数の兵士を待機させる場所があるようだ

日本で言えば各県にある警察本部がかく土地に支所を構えるのと同じ原理だろう


「確かに、城を攻めるよりそっちのが良さそうだ」




「一番兵士の数が多いのはここのトバスタ砦」


すでに報告を受けてから5日が経っており時間はない。目的地を決めると早速王宮騎士団と

彩花達は城から出発するのだった。そんな様子を見るミズキの傍らでレイムは数刻前

彩花により渡されたあるものを見つめていた



「レイムさん。この城で何かあればこれで教えてください」

「これは・・・?」

「ルイスが言うには離れた場所で会話できる道具らしいです。魔道が使えるものなら使う
 事ができると。レイムさんは・・・確か魔法が使えるんですよね?昔は戦っていたとか」

「・・・とはいえ、私に才能はなくどちらかというと先王や王子のお付きでしたけどな」



地図を確認するとレプシスは目的地に着いたと一同に伝えた。北方向に確かに砦のような

大きな建物が見えその大きさからすると数千の人間がいてもおかしくはない

彩花が先陣を切り進んでいくと制圧を完了し次々と周辺の砦を制圧して行く

当然日数はかかりおそらくべス城も異変に気付き進軍を開始しただろう



「数が多すぎますね。戦力を減らすのはこれが限界でしょうか。城に戻るべきかと」

「・・・そうだね。ここから2日以上はかかるわけだし」


その日の夜、火を囲みながら王宮騎士団の1人クーヘンが尋ねた





「なぜ彩花さん達はこの国を助けようと?3人にとっては関係ないはず・・・」





この国が滅びようと侵略されようと彩花達自身には何の損も得もない

そんなことを思ったクーヘンは尋ねた。それに対し彩花は困った表情で答えた


「なんでって・・・うーん・・・ミズキに会っちゃったから?」

「偶然でしたねあれは。今でも信じられません。まさか王子だったとは」


主人公がよく言う言葉が思いついた。主人公を気取りたいわけではなくただ思ったこと


「なんでって・・・困ってたら普通助けるよ。ミズキは国民の事をよく考えているし私と同じく
 出来る事なら人の命を奪いたくないと思っている。あんな王子は絶対と言ってもいいほど
 必要だと思うよ。だからこの国を、ミズキを助けたいと思った。出会って知った以上はね」


全ては偶然が引き起こした出来事。偶然とは言うがこの世の全ての出来事は

全て偶然から始まり繋がっている。そんな中ルイスが口を開いた


「確かに私も旅商人ですから色々な場所をまわりましたけど、中にはべス王国のような
 国も珍しくはありません。実力主義だったりと・・・・ここまで温厚な者が国を治めて
 いる方が珍しいかもしれません。決して少なくはないですけどそれでも多くもないです」

「そういうものなのか」


隣でレプシス将軍が一言告げた


「はいー。ほとんどの国が治める者は初代からの子供だったり子孫だったりと繋がって
 ますけど中には実力さえあれば王を倒して新王になる事ができる国もありますしねー」

「こういうのは国によって様々ですからね」

「厳しい国だと女性は王に仕えられないなんていう国もありましたよー」


流石というべきか他の国の政治についてルイスはよく知っていた

ルイスもまた旅商人なのは先祖から代々受け継がれているものだと話す


「戦争があるから武器商人とかは商売ができるんですけどそこは複雑ですよねー」

「ルイスは武器以外にも売ってますよね?」

「はいー各国で面白いと思ったものなども売ってますから
 ・・・戦争がなくなったらただの道具商売人になりますね」


次々と各国の話が出る中次第に彩花の口数が減っている事にギンは気づいた

とはいえすぐにその理由は感づいた


「・・・・・はっ」

「寝たらどうですか?」

「寝たい・・・けど・・・ルイスの話が気になって」


ルイスの話はどれも新鮮なもので中にはどこかで聞いた事のあるような話だったりと

懐かしさも感じられた。彩花もまた様々な所を旅してきたのだ


「全て終わったらいくらでも話しますよー」

「・・・・・・・・」




「あれ?」




「・・・・・・・寝てますね」







次の日、部屋の中でミズキが外を見ていると1人の兵士がやってきた


「ミズキ様!このようなものが・・・・」


1人の兵士が差し出したのは一本の矢。その先には紙がくくられている


「矢文・・・またべスか?」

「わかりません」


手紙をほどき内容を確認するとレイムを呼びだした


「王子!どうかされましたか?」

「・・・・アルデバラン王国から矢文が飛んできた。協力要請だ」

「協力要請?」

「どうやら僕たちの前にアルデバランを制圧するみたいだ」



ミズキが読み上げた内容はアルデバラン王による救援要請だった

突如海からべス王国が攻め込んできたとのこと。アルデバラン王国もまた

リレミア王国と同じく幾度となくべス王国から被害を受けていた



「しかし今の我々にそのような余裕は・・・」

「アルデバランと協力すれば少しはこちらも兵力が増強される。義勇兵達もある
 程度の実力はつけてきているだろう。・・・・レイム。あの後僕は考えたんだ」


手紙を机の上に置くとミズキは再び窓を向いた


「僕は定められた運命が憎かった。変えられない運命だと分かっていても心のどこかで自由
 になりたかった。見たこともない世界を旅し、またルイスのように色んな風景を見たかった」

「・・・・ミズキ様」

「だけど、彩花様に言われて気づいたんだ。あの人の言う事は確かだ」


自分にはできない、望まない事がある中彼女たちにもまたできない事がある事を


「この国を動かすのは王子である僕にしかできなくて。全員に意思を伝える事ができるのも
 僕だけだ。国民が受け入れてくれるのは国の者・・・中でも僕が一番信じてもらえるだろう」


振り返りレイムを見るとミズキは強い芯の通った声で告げた


「・・・僕は父上が守ったこの国が大好きで・・・国民達が大好きだ。今は理解が無くともそれは僕
 の力不足が原因だ。だけど・・・僕は1人じゃない。レイムやレプシス。支えてくれる城の皆がいる」

「!」

「僕は・・・戦うよ。僕が・・・・守ってみせる」



強く拳を握ると机の上にあったリレミア王国の地形の入ったピンブローチを

胸につけると顔を上げ力強く迷いのない声で告げた



『この国の運命を・・・・変えてみせる』



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次回

運命と向き会う事を決意したミズキは彩花達にその事を伝える。再び先頭へと立った

ミズキの元にアルデバラン王国の兵士がやってくる。そしてべス・クレモア連合軍と

アルデバラン王国の大規模な戦争を知りミズキの出した答えは・・・・


次回 第31章、「国の運命」


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