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INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログ

第30章、四国集結

マンドラを倒し、過去の無念を晴らしたレプシス達は更に先へと進む。そして辿り着い

た先には対立する連合軍とアルデバラン王国の姿があった。ミズキの声により一同

は動きを止め、アルデバランとリレミアは戦を終える為に、協力関係を結ぶのだった
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連合軍兵達と攻防が続いている。目指すは連合軍の指揮者の元だが、

波寄せる兵達の手で足は度々止まり、思うように進まない。先の先すら

ベス兵とクレモア兵に埋め尽くされており


「あぁ、もう!これじゃいつまで経っても進めないわ!」


カトレアの嘆き声が聞こえ、ミズキ達も同じことを心の中で思っていた


「消耗戦になったらこっちに勝ち目はない。何か方法を考えないと」


「彩花さん、ミズキさん、行ってください!」

「ギン!」


彩花達の横でギンは叫んだ。それに続いてシズクもまた化身すると彩花達に

告げる。そして二人は目の前の敵を倒し僅かに先へ進めそうな道をこじ開け


「ここは私達に任せてください」

「シズクさん」

「ミズキさん、この戦いを終わらせられるのは貴方だけ」


シズクの言葉を聞いたミズキは思い返すように目を伏せる。そして背を向け

ると二人がこじ開けた道を駆け抜けていき、カトレアや彩花達もまた駆け出し

た。そして三人が通っていった事を確認するとギン達も後を追いかけていく



「……」



敵将の元へ駆けていく中ミズキは攻撃をいなしながら周りを見ていた。

これまでの中で戦い、敗れた者の倒れた姿、そこに流れる血、痛々しくも

赤く染まる地面やそこに転がる武具の数々。



「……っ」


目を逸らしたくなる。だが逸らしてはいけないと心の中に言い聞かせた。

この状況を受け止め、前に進む。それが考えた末に出した結論なのだから。

そんな中彩花もまた、周りを見て目を逸らすように前を見て口を開いた


「何度見ても、この光景は嫌い」

「彩花様……」

「……」


唯一、依然と表情を変えぬまま走っていたカトレアも振り向く


「はい。僕もです。ですが、もうここで立ち止まるわけにはいかない。目を逸
 らし逃げるわけにはいきません。それが、願いを叶える為の方法ならば」

「……やっぱり君は。それが、君の本当の『強さ』なんだね」



すると彩花は迫りくる兵士の中彩花は立ち止まり


「私に出来るのはミズキを前線まで送り届ける事だけ」

「彩花……?」

「王子ー!」


追いついたレプシスにミズキ達が振り向くと同時、彩花は告げる


「この後の戦いの事を考えると、これ以上私にはきつい、かな」

「え……?」

「……ウィンディ!」


手をかざし前方に魔法を唱えると、暴風が兵士達を吹き飛ばし、大きく

道が開けた。大きく開いた道と彩花を交互に見つめると


「先に行って」

「えっ……?!彩花?ここまで来て一体どうしたの」

「ふふ、カトレアさん。一番堕落的なのは、ミズキ王子ではなく私ですよ。
 これ以上、このペースで進むのは私には無理かな。つく前に力尽きます」

「え……」

「最後まで持たせられるように、私は私のペースでそっちに向かいます。だから」



塞がれた道を再び魔法で開くと


「先に行っていてください」

「彩花様……」

「……」

「彩花殿……」

「……分かりました。ですが必ず僕達の元へ来てください。約束、してください」



ミズキはそう言い残し、背を向けると埋まっていく道を駆け抜けていく。彼らが

通った後は完全に塞がり、彼らを追いかけようとする兵士たちに向けて魔法を

放つ。その表情は強張っていながら、確かなものを見据えていた



「……」


次々と兵士が迫り、その勢いが激しくなっていることから敵将は近い。

ひたすら迫る敵を倒し、走り続けていたミズキに向かってカトレアは



「どういう意味かしら。こんな軍勢の中一人だけで残るなんて」

「分からない。けど……」


ミズキの不安の色は、カトレアにも伝わり


「……まさかとは思うけど、ここで討ち死にするつもりじゃないでしょうね」

「そんな、あの方に限ってそんな事は……」


そう言いかけるものの、途中で言葉は止まり


「……僕がそれを望むなら、どんな方法を取っても協力すると。まさか……」

「いえ、大丈夫ですよ。きっと彼女なら」


そんなミズキを遮ったのはレプシスだった


「レプシス?」

「彼女は、誰よりも『死』を恐れている。……こう言うのも何ですが、騎士
 である私から言わせれば、その考えはあまりにも情けなく、愚かです」

「……」

「ですが、だからこそ我々は安心して前だけを見ていられる。あの者は、死す
 くらいならば、この場から逃げ出し体勢を再び好機を伺うような人ですから」

「……」



そして、走り続けた先は兵士たちの間が空いていた。そしてその先にはまる

でミズキ達がここへ来るのを待っていたかのように立ちふさがる一人の男


「ベスの王、ラグラート王」

「……」


男は、ミズキの痕に続き現れたアルデバランの姫、そして将達を見つめると


「やはり来たか。ミズキ王子よ」

「私に戦う意思などありません。これ以上この戦いが無意味である事は、
 誰もが知っているはずです。ですから、ただちに攻撃を止めて下さい」


そういい引き抜かれていた剣を鞘に納めると周りはざわめきが聞こえた



「リレミアを始め、アルデバランも承諾を受けています。後はべス・クレモア連合
 軍が武器を下ろせばこの争いは集結します。これ以上血を流すこともない」

「まさか若造たるお前がここまでやるとは思わなかった」


ミズキの姿を見つめたまま、男は笑みを浮かべ告げる


「だが。その願いを聞き入れる事はない」

「なに……?」

「何も我らは、血を流さぬことを望んではいないのだからな」


その言葉にミズキを始めカトレアやレプシス、シュロも反応を示す


「むしろ、この状況こそ我が誇り。我らばお前達と違い、この手でランドールの
 商店に君臨しつづける!逆らう者は、どうなろうと私の知ったことではない」

「なっ……」

「平和?そんな虚想は人間本来の本能を鈍らせる怠慢な行為である。戦いを
 求め、命を奪い、奪われる。その窮地こそ我らが生きる全て。貴様らもここまで
 だ。我が夢を邪魔する者は全て排除し、この地、いや、この世界の王者となる」



「クレモア王国もこんな戦いは望んでいないはずだ!貴国が訳あってべス王
 国と同盟を組んでいるのは分かっている。だが、大陸中の国が力を合わせれ
 ば助け合えるのではないだろうか。これが私の……リレミア王国の意見です」

「……」


ミズキの問いかけに違う色の鎧を身につけた兵士たちは困惑の色を見せて

いた。だが、そんな兵達の思考を止めるが如くベス王の叫び声がこだました


「攻撃の手を緩めるな。一人残さず、この地を赤く染め上げろ!」

「……」


叫び声が耳を通ると再び兵士たちは武器を握る。しかしその中で兵士

たちの間を縫い、ある女性がミズキ達の元へ歩み出た。その姿に気づ

くとミズキ達は振り返るが、緊迫感さえ感じる中女性は口を開く



「リレミア王国、アルデバラン王国はそう考えているのだな?」

「はい」


鎧を身に着けておらず、彼女が何者か分からぬが、彼女は言葉を続けた


「……昔からこの大陸の中でも特にリレミア王国はいつの時代も戦いを拒むな」

「私は祖先と……父の思考を受け継ぎ、また私も同じ意思を持っているだけです」



強い意志で答えるとしばらく時が経った後、彼女は叫び声を上げた



「……全兵リレミア、アルデバラン連合軍に対する攻撃を止めよ!」



彼女の叫び声で、黄土色の鎧を身に着けた兵士たちは困惑の声を上げる


「コレット様!?そのような……良いのですか!?」

「誰かコロンに伝えて欲しい。私はこの者たちにつくと」

「しかし……」


兵士の困惑に対し彼女はなりふり構わず、呆然としている一同に向き直る



「ええと、貴方は一体……」

「挨拶が遅れたな。私は……」


その時、ミズキとコレットと呼ばれた女性の声はかき消される。その主はベス

王であり驚きを含めた声に彼女はゆっくりと振り返る。そこにはこれまでより

一層緊迫した空気さえ流れ、ミズキ達でさえ安易に言葉を発せぬ状況だった


「コレット殿、我らを裏切るおつもりか」

「どちらに転べど、我らは結果滅ぼされる。違うだろうか?」

「……」


彼女の言葉と態度には虚勢の意がなく、只者ではないと明らかに感じさえた



「ここで我らがそなたらとの同盟を守ったところで、そなたらのすることは目に
 見える。他国の意思を聞いた以上、早いか遅いか、選ぶのはそれだけだ」

「残念だ。そなたらは後悔する」

「いや、既にしている」


そう告げると、彼女は槍を持ちベス王に向けて宣戦布告した



「クレモア王国は只今より、リレミア、アルデバラン軍に加勢する!」

「クク、そうか」



叫び声の痕、乾いた笑い声が聞こえると王は笑いながら後方にいた

人物に告げた。そこにいたのは、ベス王国将軍の一人、トルフェリアムだ


「トルフェリアム。奴らを根絶やしにせよ」

「分かりました」

「ここで奴らに負ける訳にはいかぬ。私の『夢』を実現させるまでは……」



マントを翻し、後方へ下がっていくトルフェリアムを追おうとするが、それは

目の前に立ちふさがったトルフェリアムと多くのベス兵達によって遮られる。

そして追うことも出来ぬままミズキ達の視界から王の姿は消えていった


「私はベス王国第一軍所属指揮官、トルフェリアム。貴殿らに決闘を申し込む」

「……」


剣を引き抜くとミズキ達に向け、意を悟ったミズキ達は静かに剣を引き抜く



「止められるものなら止めて見せよ。死の暴呪マンドラを倒したその手で」

「……」


剣を構えると、ミズキは意を決したように


「僕達は立ち止まるわけにはいかない。ランドールの未来のために」

「その通り。こんなくだらない戦いは終わらせてやるわ」



ミズキに続きカトレアが告げると、それを聞いていたコレットは槍を握り直し、

カトレアの元に叫び声が聞こえた。そこには鎧の音と共にシュロが近寄り


「カトレア様、我らもお供いたします」

「シュロ、それにザラ」

「このシュロ、カトレア様の盾となります。そして何があろうとも、死守致します」



そんな様子を眺めていたスノー達もまた意思を固めると


「大方揃った、ということかな」

「そのようですね。我々が成すべきことは、ただ一つ……」


彼らは待つ。この状況を作り出した、戦況を覆した者の号令を


「ここを突破し、この戦い、必ず勝つ!全軍、攻撃開始!」

「「おおおおおおっ!」」



掛け声と共に、なだれ込むようにリレミア兵は駆け出していく。動き出した

リレミア軍に対しベス王国は高場から魔導士兵達が魔法を詠唱し始める。

狙いは当然ミズキを始めとしたリレミア軍。そしてそれらは一気に放たれ



「!」



怒涛の炎が兵士達を巻き込み、一瞬でその地は焼け野原と化す。止まること

なく放たれる攻撃に攻撃はままならず足止めを喰らいながらも応戦していく。



「次の攻撃が来るぞ!」



叫び声に対し再び高台を見れば数人の魔道士達が呪文を詠唱し始めた。その

時、数本の矢が突き刺さり魔道士達は倒れていく。リレミア軍やアルデバラン

の陣形展開には予定されておらず、ミズキ達は矢が放たれた方向へ振り向いた。

そこには数人、数十人を超える人が立ち並んでおり、どの国の鎧も身に着けて

いないにも関わらず誰もが弓を持ち、弦を引いていた



「……人?」



その光景はミズキ達と離れた場で交戦していたギンやシズクの目にも留まり、

襲い掛かる兵を倒すとその方向を向いた。視力が特技でもあるシズクはその

中に一人、指揮者と思わしき姿を見て声を漏らすのだった


「あれは……メライ王国……?」

「え?」

「メライ王国の……プレッソさんでは?」

「……撃てーー!!」


中央にいた青年の叫び声で何十人にも渡る攻撃はベス兵達を射っていく。

そして十数人いたと思われる魔導士達が倒れると彼らは崖の下に駆け下り

る。その中でギンとシズクがその場へ向かうとある青年と遭遇する


「貴方は……メライ王国、第一王子、プレッソさん……」

「遅れてすみません。ですが……」



振り返った青年の視線の先には王の姿もあり



「一部始終を見させてもらった。リレミア王国ミズキ……確かに大したものだ。3国
 中2国を味方に入れるとは。我々はメライ王国。これよりそなたたちに加勢する」

「メライ王国だと……?」


やがて、この地の将同士が対峙したことにより各兵は最終決戦となるミズキ、

トルフェリアムの元へと終結しつつあった。そしてギンたちの先導でミズキ達の

目の前にメライ王国の面々が現れる。そしてトルフェリアムに向かって



「貴様は……この提案に反対するのだな?」

「反対も何も、そのような生ぬるい世界などいらぬ。それが王の望みだ」

「ならば、これ以上は何も言うまい」



べス兵は指示を受けると再び武器を構え、それに対しリレミア王国、クレモア王国

アルデバラン王国も武器を構える。メライ王国の兵士たちもまた武器を構える中


「どうやら彼らを説得するのは不可能なようだが……どうする?」

「こうなってしまっては敵将を討ち取る他この戦いを終結させる術はないでしょう。
 ベス国王ラグラートは後方に下がりましたし、そこまで辿り着く必要があります」

「ふむ」

「平和を愛せど、綺麗事だけでは世を統べられない。これは誰もがこの戦いを
 終わらせる為に必要なことだと認識しています。ですから、協力を要請します」

「……よかろう」


ミズキに対し、メライ王は深く頷き


「私は高台を制圧し弓兵部隊を指示する。プレッソ、お前はミズキ王子と共に行け」

「分かりました」

「他国がそうしたように、我々もそなたらに賭ける」


そういい高台に向かう為この場を去っていった王を見送るとミズキは息を吸い込み






「……敵はベス王国のみ!全軍、敵はただ一つ、ベスだけだ!」







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次回

メライ王国の登場により更に戦況は加速する。薄黒い気配が蠢く戦地にて

歴史に残る戦争は決着が近づいていた。それは短くも長く、身分も敵味方

もなく誰もがその胸に打ちひしがれる出来事となろうとしていた


次回 第31章、「ランドール戦争」


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