INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第33話、灰色の強さ

スマブラに戻ってきたことにより事件は幕を閉じ、日常へと戻って行った。多くの事が明らか

になった今回の事件だが、一部のファイターたちの中で一つの区切りとなる。そんな中ファイ

ター達の事を知るWii Fit トレーナーは唯一知らない少女の事が気になり尋ねるのだった
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「というと?」

「ゲームって言うのは主人公がいて、主に軸となる人が主人公。カメラ視点次第で誰でも
 主人公になり得ると思わない?今回だって、もし私が映らなければ私は主人公じゃない」

「それは・・・そうですね」


出番の多さによって物語の軸は決まる。それも見ている者がいて初めて成立するのだ



「ニンテンドー内で言えばアイクの『暁の女神』に関わったし、『パルテナの鏡』にも
 関わったよ。あぁ、新ファイターで言えば、ルフレとルキナの『覚醒』にも関わったね」

「けどそれには・・・それぞれ主人公がいますね」

「そういうこと。ファイターと関わっていないことだって、見る人によっては私はただのモブかもよ?」


そう言うと、イスに座り近くにあったコーヒーを入れる。向かい側にトレーナーも座ると


「そうだね。ファイター関係なしに言うと・・・蒼真の試験の為に戦った事もあっ
 たね。後は・・・日本にいた時にモンスターと戦ったり人と戦った事もあったよ」

「・・・随分と色々な事をしているのですね」

「しているっていうより起きた場にいた方が正しいんじゃない?それに生きてきた中でい
 ちいち何があったかなんて相当衝撃的な事じゃなければ全部話すのは無理でしょ?」

「それはそうですね」


コーヒーを飲むと彩花はカップをテーブルに置き、笑みを浮かべると告げた




「ただ、今しっくりくるのは・・・組織アクマリン団の団長、だよ」





その時、扉が開くとマルスがある人物を連れてやってくる。それはファイターではなく


「あれ・・・」

「ここにいたんだ!」

「え?」


そう言うとやってきた人物シーダが駆け出すと彩花に向かって箱を差し出した


「これ、服を選んでくれたお礼に私も服を選んでみたの」

「えっ」


その瞬間、彩花の額に汗が流れる。すると遅れてリビングにやってきたピーチ達が


「着てみましょ!」

「えっ」

「いいわね。私も着たところ見てみたいわ」

「えっ」


数人は彩花の表情に違和感を感じながらも引っ張られていく彩花を見ていた


「・・・なんだか嫌そうだったな」

「Wii Fit トレーナー。あいつも服のセンスがないのか?」

「・・・そんな話は聞いたことありませんが・・・」

「いや、多分違うだろう」


ふとやってきたマスターハンドの言葉に一同は振りかえった



「ピーチ落ちつけ」

「・・・・・・」


部屋の中、渡された服を見て彩花の手は震えていた。扉の向こうを覗きシーダ達に尋ねる


「あの、これ・・・着なきゃだめですか」

「気に入らなかったかしら・・・」


落ち込んだように告げるシーダにハッとすると


「そ、そんなことないです着ます!」


パタンと扉が閉まり数分後、再び扉が僅かに開くと彩花はシーダだけを招き入れた。面

白半分にファイター達が集まるがシーダのみ入る事を許され一同は不満を漏らしていた


「ずるいずるい僕も見たいー!」

「私も見たいわ!なんでシーダだけなの!」

「相当嫌がっていましたし・・・もしかしてとんでもない服なのでは」

「お前ら、よく考えてみろよ」


ピーチを始めとした数人が不満を言う中クレイジーハンドは呟いた


「王女が選んだ服だぞ、お前ら、王族が普段どんな服着てると思う?」

「それは、ピーチやロゼッタみたいな・・・ってまさか・・・」


『とっても似合っているわ!マルス様や皆にも・・・』

『やめてください!これは公開処刑ですか!?なんですかこれは!?』


その時、扉の向こうから聞こえた叫び声にファイターたちは振り向いた


『こういうのはシーダさんみたいな人が着るからこそ似合うのであって・・・』

『そんなことないわ、もっと自信を持ちなさいな』

『いや無理ですって!馬子にも衣装とかそういう次元の話じゃないですよ!?』


「これが落ち着けと言うの!?見るしかないじゃない!」


鍵がかかっているようでピーチは何とか開けようとドアノブをガチャガチャ動かすが開く気

配は無し。だが今の会話から彼女の選んだものがドレスのようなものである事は確定した


「誰かピッキングできないの!?」

「姫がそんなこと言っちゃだめだろ!」

「あいつがこんなん着てるとか想像つかないんだが・・・」

「あーけーなーさーいー!」

『断る!!』


さらに叫ぶと聞こえていたのか扉の向こうから彩花の叫び声が聞こえた


『ぜっっったいに嫌だ!』



次に扉が開いた時、少女はいつもの服装に戻っていた。心なしかげっそりとしながら


「あんなものどこで着るんですか・・・」

「どこでも着てちょうだい」

「いや日本で着たらコスプレになりますよ!?」

「コス・・・プレ?何?それは」

「あああああうううううう」


頭を抱えながら唸る彩花に対し冗談ではなく本当にわからずシーダは首を傾げて

いた。しばらく時間が立つと、彩花を見つけたサムスはふと思った事を口に出した


「私と貴方って案外似ているのかもしれないわね」

「随分と今さらだね。いじっぱりな所とか・・・ねえ?」


彩花がにやりを笑いながら近づくとサムスは焦ったように


「な、何の話かしら」

「おやおや、神月さんは知ってますよ?散々人に言っておいてサムスもツンデ」

「なななな何を言っているの!?」


珍しいという風景にますます彩花の顔はにこやかなものになる


「特に私くらいの時はまわりに女扱いされたくなくて強がっていたとか何とか」

「な・・・なんでそんなことを・・・!?」

「うふふふふ」

「こ、答えなさい!」




「ねえ、なんでまた起こしに来るようになったの?ちゃんと起きてるじゃん」

「それは・・・たまに起きない時があるから」


不機嫌のままテレビを見ている少女に対しマルスと共に紅茶を飲んできたピーチが口を開く


「それは、起こしに行きたいからよ。もう、分かってあげなさいよ」

「ピーチ!?」

「は?」


ふふんと天狗になるピーチに対し彩花は疑うような目でピーチの方向に向いた


「城じゃ僕らは起こされる立場だからね、お世話したくなるのもわかるかも」

「マルス!?」

「君たちの事は知らないけど家でもここでも起こされる私の身にもなってくれよ!」

「あはははは」

「笑うな玉子!」


その時、扉が開くと翔太が駆けこんできた。続いて沙織と数人がリビングにやってくると


「ロイ!俺と乱闘しようぜ!」

「え?・・・翔太と?」


唖然とした様子で尋ねるロイに対し翔太は冗談ではない表情でいた。あっという間にファ

イター達に広がり普段観戦しているルイージ達から珍しくガノンドロフ達までやってくると


「そういえば、前来た時って翔太戦えなかったっけ?」

「いや、戦えたが我々が知らなかったのだ」

「念の為、フェアも兼ねて最後の切り札はなしにしてある」


ファイター達が口々にいう隣でマスターハンドが告げるとピーチは楽しげに


「これは面白い展開になったわね!」

「え?どこがですか?」


あの事を知らないピーチは楽しげに言う隣でサムスは少し考えた後口を開いた


「ロイ、勝ちなさいよ!ロイが勝ったら・・・彩花、あの服を着なさい!」

「はっ?!やだよ!」


苦い表情をする彩花に対しサムスはピーチといい勝負の笑顔で


「誰も皆の前に出ろだなんて言わないから、私にだけ見せてくれればいいから」

「断る!冗談じゃない・・・そうだカービィ、クレープ屋が出来たらしいんだけどいかない?」

「いくー!」

「ええっ2人の乱闘見ないの!?」


ルイージが叫ぶと一部のファイターたちはため息をつき、また一部のファイターは叫んだ


「お前逃げる気だろ!」

「興味ないですし」

「翔太とロイどっちが勝つと思う?」

「赤い人じゃない?所詮は戦いの数が違うわけだし」


それから乱闘は数回行われ、回数が重なるごとにファイターたちは散って行く


「結局見てるじゃねーか」

「いやあ、あの人達よく飽きないね。能筋かな?」

「うーん・・・まあ、切り札がない分フェアと言えばフェアだよね」


画面上に2人の戦いが映っているのを見ていると、ふとポケモントレーナーが口を開いた


「そういえば、昨日翔太とポケモンバトルしたんですよ」

「へえ・・・ってお前らいつの間にそんな仲良くなったんだよ」

「同じポケモントレーナーですしね。ですが・・・見事に負けまして」


翔太は現役でポケモントレーナー、リーグ準優勝者だったりと実力者だ。さらに一同は

彩花によって新たにある事を知る事になる。それは後に彼が優勝者になったことだ


「あの後、ホウエン大会に再挑戦して優勝したんだって」

「ええっ!?」

「彩花さんも翔太もすごいなあ・・・」


画面を見ながら呟くポケモントレーナーに対し数秒後、彩花は口を開いた


「翔太はともかく・・・私はそんなでもないよ」

「またまたあ・・・」

「いや、本当に。アレがなかったら・・・優勝なんて出来なかったと思う」

「アレ?」


画面が切り替わり2人が戻ってくるとふと彩花の言葉が耳に入った


「元々私は同じくトレーナーですらない同級生にすら一回も勝てないほど弱くてさ、そ
 の時はイーブイしかいなかったけど・・・散々リーグ出場なんて無理だって笑われたさ」

「・・・え?」

「あの時は、本当になにも才能がなかったんだ」


そんな最中、あの出来事が起きた。そしてトレーナーになれる時期をきっかけに

最初のリーグ挑戦は遠い地、カントー地方になることを話し合いの上で決定した


「ホウエン地方ではなくカントー地方を選んだのは・・・」

「普通に考えて皆自分の住む地方を選ぶでしょ?あそこなら、誰にも遭遇しないと思ったんだ」

「・・・・・・」

「唯一周りより優れていたのはお父さんの関係もあってポケモンに関する知識だった。どう
 しても納得いかないからイーブイと話し合って図鑑をもらう日まで、特訓する事にしたんだ」


基礎の基礎から。相性を全て覚え、野生のポケモンと戦う事でバトルの練習をした

トレーナー相手に勝てないのは野生のポケモンでも大差はなく、幾度となく敗北した




「それでも諦めなかったさ。ただ一つの機動力、あいつらに『復讐』してやるってね」

「!!」

「こうしたことを後悔させてやるって泥だらけ傷だらけになりながら特訓したものだよ」




毎日復讐だけを胸に留め、泥水啜る思いで特訓した。当事者だったイーブイは誰より

も彩花の理解者でありイーブイもまた従うようにボロボロになりながらも特訓に励んだ




「ある意味、それが最初の努力だったかもしれないね。いや・・・元々努力が出来
 ない人間だったから唯一努力出来た事の一つ・・・って言った方が正しいかも」

「そんな事があったんですか・・・」

「随分と綺麗じゃない目標だったと思うよ。カントーのリーグに出る為にジムを回る時
 だってリーグに出たいからじゃなくて強くなって復讐したいからって気持ちで挑んでた」


「・・・随分と悪いタイミングの場で出くわしたもんだな」


その時、ワープ装置付近から動かなかった翔太が口を開いた


「え?」

「カントー最初のニビジムで遭遇したんだ。丁度俺もニビジムに挑もうとしていた所でな」

「「えっ!?」」

「そうだね。けどあの時点じゃ勝てないことなんて分かってた」



それから順々にジムバッチを手にし、様々な場所を旅した後にリーグ出場となる




「なるほど、納得がいった。あれだけ弱かったはずのお前がリーグに出場出来た理由が」




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次回

サムスの質問に対し彩花はある話をし始めた。それは遠い過去の話、一つの憧れ

の話。一方彩花の過去を以前より知っていたマスターハンドは彩花と翔太の事が気

になっていた。それを尋ねた時、彩花は答えと共にある事を口に出すのだった


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