INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第30話、塗り替えられた記憶

仕掛けにより落下していった2人を追おうとするファイター達だったが頑丈な床により

通路が確保できず、また召喚される魔物や人間たちによって行く手を阻まれていた

また下にて3人と対峙していた2人も想像以上の力に悪戦苦闘するのだった・・・
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その時、頭上から轟音が響くと天井と思われる破片がパラパラと落ちた。中央

に巨大な塊が鈍い音を立てて落ちると2人の前に誰かが飛び降りた気がした



「彩花!!」

「なっ・・・!?」



そこにいたのは紛れもない本物のロイだった



「無事!?生きてる!?」

「なん・・・とか・・・」

「今度こそ、間に合ったね・・・?」




それと同時に、笑っていた英霊ロイは光り輝き魔符へと変わった。それを手に取ると





「・・・ありがとう・・・」





魔符をポケットにしまい、立ちあがると僅かによろめいた


「彩花?!」

「大丈夫」

「どうして!?ここは壊せるほど脆い天井じゃ・・・」

「残念だったね。君たちは甘く見過ぎだよ」




剣を構えるとロイは告げる



「ここには、常識なんて通用しない人達が集まってるんだよ?彩花、自分にネールを!」




ハッとしネールを唱えると駆け出したロイが向かった先は翔太の前に立ちはだかるゴーレム

相性が悪いと思われる中、剣を構えると次第に剣は見た事もない高温の炎を纏っていく



「そいやあ!」


全力とも思われるような大振りにゴーレムの足は崩れ翔太はおろか3人も目を見開く


「まだまだ!」


攻撃を繰り返す度にゴーレムの身体は崩れ、最後の一撃で崩れ去った

3人に相対する姿に2人が近づくと彩花は手に持っている剣に気づいた




「その剣・・・」




常に持っていた封印の剣とは違い、見た事もないような炎を常に纏っていた。そしてロイ

は傷だらけの彩花を見ると更に目線はきつくなりその瞬間彩花はある事に気づいた


「っ!」


その時見える表情は、今まで見たこと無いほどに怒りに満ちていた。その瞬間彩花は気づく



「翔太、あの赤いのを止めろ!」

「えっ!?」




ロイが駆けだした瞬間、彩花は翔太に向かって叫ぶ




「あいつ、殺す気だ!」

「えっはっ!?」



翔太も駆け出そうとするが彩花はフロルを唱えると走っていたロイの前に立ちふさがった



「彩花!?」

「・・・・・・」


彼女達に背を向け、立ちふさがる彩花に対し理解できないと言わんばかりに叫んだ


「なんのつもり!?」

「殺す気!?」

「当然だよ!あの3人は・・・絶対に・・・許せないんだ!」


見た事もない、感じた事もない気迫に一歩下がると恐怖を覚えた。これが戦場

の場での本来の姿なのではないかと思い知らされる一方負けずと彩花は叫んだ




「あいつらのせいで・・・彩花は・・・!」

「君の国ではそれが正しいかもしれない!けど・・・それは日本のやり方じゃない!」

「!」

「君の国と違ってこの人達は日本のやり方でするべき人がするもの。私たちが勝手に
 出来る事じゃない。ちゃんとした方法で罰されるべきだ。だから・・・殺しちゃだめだ!」




その時、後ろに見えた少女達が動き出すのが分かった。注意を促そうとした時少

女は振りかえり魔法ブリザードを唱える。突然の吹雪に3人はその場から離れた


「彩花が戦う必要はないよ!これは戦いを知らないからとかじゃなくて・・・わざわ
 ざ辛い事に立ち向かう必要はないんだ!僕が・・・僕が守るから!守らせてよ!」


頭を下げた少女に対してさらなる叫び声がこだまする




「もう二度と・・・君を失いたくないって思ったんだ!」

「・・・っ・・・」




強く目を瞑る。瞑っても頭の中に声が繰り返される


「あの時だって・・・あの時僕は誓った。二度と同じ事は繰り返さないって。記憶を変えるん
 じゃなくて・・・今の彩花のままで・・・何度ぶつかっても・・・僕は・・・君を守りたいんだ!」

「っ!」




衝撃が走る。何度も似たような言葉は聞いてきたけれど、曲がらないんじゃないかと思うくらい

真っ直ぐな言葉に言葉は返せず、強く睨むと正面に立つ少女達に向かって剣を構え、告げた




「私だって、誰かが辛い思いをするところなんて見たくないんだ」





それは過去の話。日本と言う国柄から法律として、学校に通う事が義務付けられていた



「今日もドッジボールやる?」

「やるやる!」


茶色と白を基調した教室の中に何人もの生徒の会話が飛び交っていた。その中で

机から立ちあがった人物はある少女の元に駆け寄ると問いかけに対し少女も答える

数人の少女少年たちは教室を出て外、校庭へとやってくる


「今日こそ最後まで残ってやる!」



授業は嫌いだった。歌う事が好きだったり物語を読むのは好きだったから国語と音楽

はそうでもない。毎日休み時間が待ち遠しくて、唯一時間の長い昼によく外に出ていた


「えいっ!・・・」

「よっわ!」

「ち・・・ちからないんだからしょうがないでしょ」


時にかくれんぼ、時にはドッジボール。雨や台風でもない限り外に出ない日はなかった

そして学校が終わってからも、両親がいない退屈さから友達と近くの公園で遊んでいた

秘密基地を作ったり、その時に流行った玩具で遊んだり、誰かの家でゲームをしたり



「これが秘密基地!」

「ほう、これは屋根か。よくできているな」

「マスターハンドだから教えたんだからね。秘密だよ?」




なにもわからなかった。これが変わるなど想像も予測もできず、それは突然変わった





「・・・・・・」




最初は何かわからなかった。けど次第に違和感に気づいていく。自分が避けられている

事に気づき、話しかけても誰も反応を示さなくなった。なんの前触れもなく、ある日突然



「くすくすくす」




元々聴覚は良かったから、その日から周りに耳を傾ける事が多くなった。困っている姿を

見ては笑い、失敗を笑う。いままで当たり前に出来ていたグループ決めも裏を返すように




「・・・・・・」




ほんの昨日まで、記憶にある限り普通に遊んで話していた。それから私は一人になる

怒らせるようなことをしたか、嫌われるような事をしたか考えるも答えは出ず、状況を理解

し始めた時全てに裏切られたのだと知った。そこから、暗雲とも呼べる日常は始まった


(また負けた・・・)

「また負けた」




さらに心を傷つけたのは、先生や怒る対象の前で普通に接する事。授業の時は普通なのに

それが終わった瞬間なかったかのように皆がどこかへ行く。常に誰かと共にいた休み時間は

教室にいるか、図書室で本を読む事に変わっていった



「・・・そんなことが・・・」

「何か悪いことしたのかな?言ってくれれば直すのに・・・」



異変に気付いたのはマスターハンド。けれど神であるマスターハンドにはどうすること

もできない。当時幼かった自分でもそれは理解していたつもりだった。それから数か月

季節は変われど状況が改善される事はなく、次第に自分自身に変化が訪れる





(助けてくれるなんて嘘だ。誰も気づかない)




自分に関係なくても、誰かの笑い声が怖くなった。誰かが笑うたびに耳を塞ぐ。多く

の人が存在する中、周りの人に色がついているのに、自分だけ灰色の気がした


(最初から一人なら、こんな思いはしなくて済む。信じるから・・・信じちゃだめなんだ)



「そんなことはないはずだ」

「もういいよ。考えるだけ無駄なんだ。もう誰も信じない」



独りでいることが当たり前になった。それが自分にとって普通になった。更に歪みが進むと

自分の身に不幸が起きようともそれが運命だと悟った。自分なんかが何かを望むのは間違

っていると。自分なんかが幸せになりたいだなんて願ってはいけないと心に言い聞かせた



(信じるだけ無駄だ)



そして、ある時期をきっかけに私は逃げ出した。回想から戻ると少女達はニヤリと笑みを

浮かべ攻撃しようとする。しかし瞬時に身動きが取れない事に気づくと足元が凍っている


「会話は最後までさせるってアニメじゃお決まりなんだけど?」

「は?アニメ・・・?だっさ、そんな年になってアニメ?超きもっ」


嘲笑う彼女達の言葉に返答はなく、彩花はロイに対し話を続けた


「自分は不幸である存在だ。不幸なのが普通だと思っていたよ。これ以上悪い展開なんて
 想像できなくて出来るならば今すぐ死にたいって、この人生を終わらせたいと思っていたよ」

「なっ・・・!」

「どうせ自分が死んだって悲しむ人はいないってね」

「・・・・・・」


ロイが驚きの声を上げる中ふらつきながらも腕を抑え翔太は立ったまま無言で聞いていた



「けど自分のせいで誰かが自分と同じようになるのは御免だからね」



忘れるもんか。あの時記憶を取り戻した事を知った時の表情を、戦いに勝利した後の出来

ごとを。偽善じゃなく、こんなことが世の中に存在するのかと疑う事すらも忘れそうな強さ



「自分が死んで悲しむ人がいるのにわざわざ死にに行く馬鹿じゃないんでね」

「・・・・・・!」




(大丈夫。・・・大丈夫)




心に言い聞かせるように、何度もくり返す。そして三度目、言葉は声となって発された





「大丈夫。私は・・・独りじゃない」




「あーうざいうざいうざい!」




叫び散らす友里に対し彩花は逸らすことなく剣を構えていた。頭を抱えていた友里は

顔を上げ、この事件で一番かと思われる黒い笑みを浮かべると再び違和感が襲った



「なに・・・これ!?」



初めて見るロイも彼女を纏う黒いオーラに声を上げる。そして黒いオーラは彼女の体を

離れどこかへと飛んでいく。その方向は・・・2人の黒いオーラによって創られた影の剣士

剣士の中に黒いオーラが吸い込まれるとさらなるオーラを放ち3人は目を離せなかった




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次回

圧倒的力を放つ影の剣士に対し友里は笑みを浮かべある事を告げる。しかし直後違和

感を感じると彩花もまた内に秘めた似た存在を駆使して対抗する。決着はつき倒れる3

人に対し彩花は告げる。そして沙織によって彩花と和葉の関係が明らかになるのだった


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