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INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログ

第28章、選ぶ道

シズクより聞いた話を頼りに二人の救出に向かうミズキ達。間一髪間に

合うものの、その後ミズキはかつて見ていた光景を思い出す。自分にしか

出来ないことを知ったミズキは共に戦う仲間の為、剣を振るうと決める……
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「城よりも・・・効率が高く戦力を削れる場所を見つけました」

「そこの方が削れる戦力は微力ですが・・・成功の確率が高いかと」


手に持っていた地図を広げるとギンはある場所を指した


「ここに兵士約四千人がいるとの情報を入手しました」


広い国であるべスは各地に支所と言うべきか多人数の兵士を待機させる

場所があるようだ。撤退した兵を含め、そこそこの戦力を蓄えているという


「確かに、城を攻めるよりそっちのが良さそうだ」

「一番兵士の数が多いのはここのトバスタ砦でしょう」


体勢を持ち直した一同。ミズキの復帰により兵士たちの士気も戻り

つつある中、斥候やギンの偵察によってある情報を入手していた


「皆さん、これを」

「ルイス、これは?」


ルイスは各隊の要に小さな石を渡していく。宝石のようにも見え光によって

反射する為、ただの石ではないと思っていたところ、ルイスが説明した



「ふふ、これはある大陸で手に入れた、魔力を通して遠くの者と会話できる石です」

「そんなものを……よいのですか?」

「まあ、何度も助けられていますし、お代はそれと引き換えでいいですよ」


城から出発したミズキ達はやがてトバスタ砦付近に辿り着く。レプシスの

合図で立ち止まると言われた通り砦のような建物が見え、一同は頷く


「あれが目的の砦、ですか」

「本隊よりは兵力が薄いとはいえ、ベス兵に変わりはない。全員気を抜かず
 に制圧しよう。陽動隊が動いた後、僕を始めとした本隊が制圧する……」

「上手く行けば少なくともダメージを与えられるはず。……いえ、必ず成功
 させるわ。もう後には引けないもの、ここを逃せば……もう術はないわ」

「よし、全軍、作戦開始!」


陽動作戦は上手く行き、リレミア軍は瞬く間に砦を制圧した。やがて一箇所に

集まった一同は、この襲撃を受け周りのベス兵が動き出す事を警戒し一度

帰還することとなる。道中遭遇することもなく、無事城に戻ることに成功する


「皆のお蔭でひとまずは上手く行ったよ」

「これで、ますますベス兵の進軍が遅れると推測されます」

「……皆、ありがとう」



そうお礼を告げると、迷いのない言葉でレプシスは告げた


「何を言いますか。私はこの国に忠誠を誓う身。最期まで、王子と共に」




その後、一同が去っていく中、彩花は残るとミズキに話しかけた


「ねえねえミズキ」

「何でしょう?」

「んー……」


そっぽを向きながら何かを考えるそぶりを見せた後、僅かに笑うと


「ミズキは戦うことを決めたんだね」

「……えぇ。まだ怖くないといえば嘘になりますが……。貴方の言った通り、
 私を信じてくれる皆さんを裏切る訳にはいきませんから。……彩花様に
 は感謝してもしきれませんね。何度も何度も、私を助けて下さって……」
 
「大げさ過ぎるよ。私も元はただの平民なんだからさ」


そして、ミズキの腰に差さっていた剣を見つめると


「綺麗な剣だね」

「あぁ、これですか」

「やっぱり、私剣好きだな」

「どうしてですか?」

「なんだろう。何かを守るのに一番しっくりくるからかな?倒すのも、守るのも
 一通りこなせるからかな?剣って、持つ人の心を表すような気がするんだ」


だが、ハッとした様子で


「あ、別に他の武器が悪いとかじゃないんだよ?でも、なんでか剣が
 一番好きなんだよね。キラキラしてるし、なのに誰かを守れるから」

「ふふ……」

「何?」


僅かに笑みをこぼしたミズキに問いかけると、彼は笑いながら告げた


「時々、彩花様は子供のようになると思いまして」

「えっ!?」

「いつもは私達に知恵と勇気を与えて下さるのに、言葉を交わすと
 時折年相応と言いますか、それより幼く見えて微笑ましくなります」

「ひどい!」

「す、すみません」


そう謝りながらも笑うミズキに対し、ため息をつきならも笑うと



「……私はこの国に協力すると決めた。その気持ちは今も変わらない」

「!」

「私も、きっと出来ることは大したことないけど、でも、出来る事は協力
 するからね!私も、はやくこの世界が平和になって欲しいから……!」

「……ありがとう、ございます」


やがて、彩花の姿も去るとミズキは城の外を見渡して呟いた




『この国の運命を・・・・変えてみせる』




後日、ミズキの元にある人物が訪れた。それはアルデバラン王国の兵で

、彼から手渡された文からミズキはレプシスや彩花達を部屋に呼んだ



「え、お父様から!?」



集まるなり、ミズキの言葉にカトレアが反応を示す


「はい。アルデバラン王からの文によると、ベス兵はアルデバラン王の元へ
 向かっているらしい。急に引いたのは、居場所を突き止めたからなのか……」

「それで、お父様は?」

「王は、兵がこちらへ進軍していた際手薄になった頃を見計らって、城を
 取り戻した。だから今は王城にいるはずです。我々に協力して欲しいと」

「……」


当然、カトレアは向かうだろう


「それで、どうするの?」

「……」


カトレアの問いかけに対し、ミズキは間をあき答える


「当然、援軍にいく」


ミズキはアルデバラン王へ向けた返答の文を書き、渡すよう兵士に指

示を出した。やがて出発したリレミア軍達の元へ一人の男性が訪れる


「貴方がミズキ王子か」

「貴方は?」

「ザラ!」


答えを聞く前に、飛び込んだカトレアがその名を呼んだ


「おお、カトレア王女、お元気そうで何よりです」

「お父様の親衛隊の一人よ」

「俺はザラ、まあ、平たく言うと情報交換しに来た、という訳です」


ミズキからの返答を受け、王の命で彼はここへ来たのだという


「我が国とべス・クレモア連合軍は5日後、アルデ山岳にて大規模な戦
 が行われると予測されています。多少の誤差はあるでしょうが、状況は
 ……やはり我らだけでは兵力差が激しく、勝つのは難しいと言えます」

「それでも、僕達は……」


この場に、ほんの数日前まで見ていたミズキの姿はなかった


「・・・・これ以上多くの者を死なせるわけにはいかない」

「では……」

「返答の書状に書いた通り、僕達はアルデバラン王国に加勢する」



それが祖国の民であれ他国の民であれ、同じ人である事に変わりはない

同じ命に変わりはない。それが、悩んだ末に出したミズキの答えだった


「では、そのように伝える」

「あ、待ってくれ」

「?何か?」


これも国王に伝えて欲しい、とミズキはザラを呼び止めた


「僕達は連合軍に勝つためではなく、この戦争を終わらせる為に戦うと」

「……承知した。そう伝えておく」


城から出ていくザラの姿を見送るとミズキからレプシスへ、レプシスから

各隊へ準備を指示した。そして、それは彩花達の耳にも入るのだった。彩花

やカンパネラ達が部屋に集まっていた中、静寂を破るルイスの声が聞こえた


「大変な事になってしまいましたねー」

「そうね。だけど、ある意味これは好機だわ」

「どういうことですか?」


ルイスがカンパネラに尋ねると



「現在、ベス王国とクレモア王国が同盟を組み、アルデバラン本隊の元へ向かって
 いる。そこにミズキ王子リレミア軍が向かえば、四国が一箇所に集まるという事」

「上手く行けば、この戦争を終わらせられる可能性もあるってことね」


隣でカトレアが問いかけるとカンパネラは頷いた


「きっとこれから起こるであろう戦いはどこも総力戦。よって国のトップが集ま
 ることになる。この戦いがどう転ぶかは、各国の統治者次第でしょうけど」


それぞれの国の頂点に立つ者が意思を揃えないとこの戦いは終わらない。

そうでなければこれまでの行動や思いは無意味なことになる。更に彼女は

言葉を述べ、更なる意見をスノー達が告げていく


「恐らく、戦力の事もあってクレモア王国はベス王国には逆らえない」
クレモア王国の勢力だけをこちらに巻き込むのは厳しいでしょう」

「えぇ。両者一気にか、ベスを先に無力化する必要があるわ」

「つまり、僕達が戦うべき相手は……ベス王国、ということになる」


そんな横では、セルリアが呟いた


「私、やっぱり戦争は嫌いです」

「ユグも嫌い、いいことなんてひとつもないもん」


足をばたつかせながらユグは告げる


「ユグ、ずっと生きてきて色んな戦いを見て来た。だけど喜んでる人なんて
 誰もいなかったよ。だから、こんな悲しい戦い早く終わっちゃえばいいのに」

「……こうして、争いがあるから平和を望む人がいる。……この戦いが終
 われば、考えを改めて平和を望んでくれる人が増えてくれるでしょうか?」

「きっといます!」


二人の問いに対し、答えたのはクーヘンとジュートだった


「だって現に今、私達は力を合わせて戦っているではありませんか!」

「……!」

「クーヘンさん……」

「本来、子供があるべき姿でいられるよう、この世界を変える必要がある」

「ジュート?」

「戦いを終わらせるのが最終目的じゃない。それぞれの国が同じ意思
 を持ち、二度と戦争を起こさないと心の底から誓わなきゃいけない」

「……」


そして、横から彩花の声が聞こえた


「王族だからとか、そういう問題じゃなくて、国民もそういう意思を持たなき
 ゃいけない。そうして、何十年先の未来までも伝えなきゃいけないんだ」



そして、ついにその日はやってくる。城の広場に兵士が立ち並び、彩花達もま

たミズキと共にいた。そして、整列が終わった事を確認するとミズキは前へ歩

み出て、兵士達の前で止まった。誰もがミズキに集中する中、彼は告げる


「我々の動き次第でこの戦いを終わらせられるかもしれない。この国を、この
 世界を平和にするために皆の力を貸してほしい。頼りない王子だけれど、僕
 は王子として……この国を愛する国の民……皆の為にその使命を果たす」

「……」


誰もがミズキの言葉に耳を傾け、清聴していた


「……」



やがて、静まり返っていた中から、ぽつり、ぽつりと声が上がっていく


「……リレミア王国に平和を!」

「……!」


やがて、その声は大きくなり、数も増え、至る所から拍車が巻き起こった


「リレミア王国に平和を!」

「この戦いに終止符を!」



次々とそんな叫び声が聞こえると兵士たちは声を合わせリレミア王国の名

を連呼した。その声は城の周りに集まっていたリレミア王国中から集まった

国民達にも聞こえ、外からもリレミアを呼ぶ名が聞こえた



「リーレミア!リーレミア!」



王国と国民が一丸になったような。ひとつになったような声援は城だけでなく

その周辺にも響き渡った。今までに感じた事のないエネルギーが感じられる。

そんな大エネルギーに圧巻されながらも、ミズキは胸の前で手を握った


「……」



そして、目を開くと意思を確かめるように呟く



「僕達で、この大陸の……この国の運命を変えるんだ……!」



兵士たちが動き出し、ミズキが戻ってくると一同は温かな目で迎えた



「中々様になってたじゃない」

「カトレア王女……」

「少しだけ見直したわ。今の貴方なら、安心して背中を任せられる」

「まだ気は抜けませんが、光が見えて来た。それは民や兵士達にも
 伝わっております。今の我らなら、不意を突かれることもありますまい」

「ここまで来たら最後まで協力します!」

「私達も協力するわ。この国の未来は……貴方達にかかっているのだから」



大規模な戦争が起きると予測される日まであと4日、ミズキ達は僅かな希望

に賭けて進軍を開始した。未だそれぞれに不安の色と追い込まれた心境は

あるものの、残されたチャンスに賭けそれぞれ歩みを進めていく



「……」



それは、遥か昔の話。まだこの大陸が他国に知られるほど発展していない頃



『竜の残した言葉とこの竜の子。なぜ竜は在処を残したのかしら』



本を開き呟いたカンパネラに対し、男性もまた不思議そうに呟く



『何故だろうね。実は竜もこの地で生きたかったって名残かもしれないし』

『どういうこと?』

『ただの仮説さ。ただ、生滅竜と呼ばれながら人々は生滅竜を神のように祀っ
 ている。僕達もそうだ。竜の力がなければ、ここはずっと荒れ地だったからね』



まだ、研究者が少なかったこともあり、諸説には有力な情報はなかった


『ただ、確かなのは竜の子が竜の復活に関与しているということ』

『『再び滅びの道を辿る時、竜が復活し世界を滅ぼさん』……』




「全てはこの戦いにかかっているわ」

「?」


カンパネラの呟きに対し、ユグは首を傾げていた



「あの伝承が本物なら、戦争どうこう以前にこの世界が滅びかねない」

「カンパネラ?」

「ユグ、体に変なところはない?」

「うん、ないよ」



未来には誰にも分からない。これから何が起きるのか、この判断がどう

なるのか。それでも希望を持つのなら、私達はそれを見届ける義務がある



「ねぇユグ、覚えてる?私達が貴方と出会った時の事。貴方はあの祠で
 眠っていた。そして私達は、あの場が一番竜の影響が強い場だと突き
 止め、訪れ、そして貴方の姿を見つけた」

「うん。……ユグは、普通の人とは違うから、隠れてるしかなかったの」

「けど、今なら……」



カンパネラは告げる。今ならユグも受け入れられるのではと


「ずっと里にいてつまらなかったでしょう」

「ううん、そんなことないよ!里の皆が作ったものを見せてくれたり、一
 緒に遊んでくれたりしてくれたもん。里長も沢山の本を読んでくれたし」

「そう。……私達は、貴方の身を守る為に、貴方がいた祠の近く……
 あの里に貴方を託した。それが正しかったのかどうかはわからない」

「……」

「でも、これから私はずっと貴方と一緒にいる」

「……カンパネラ……」


その後、ユグはカンパネラの服の裾を握ると呟いた



「これからは、一緒にいられるの?」

「……えぇ、ずっと。何があっても……ね」




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次回

決戦地に向かうミズキ達だが、遮るようにある男が現れる。それはかつて村

を襲ったマンドラだった。彼はセルリアにとってだけでもなく、レプシスにとって

も縁深い存在だった。かつての無念を晴らす為、彼らは刃を向ける


次回 第29章、「共通の願い」


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