INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第28章、決められた運命

リレミア城に入ったのはべス兵により村人が捕虜となっている方向だった

助けるべく動き出す王宮騎士団と彩花達だったが助けた村人たちが告げるのは

国に対する不満だった。複雑な国情に口を出せないまま3人は戻るのだった

昼に差しかかろうとした時、ミズキの元にある報告が入った

それは悲報ともいえる報告でここから先森を抜けた砦でべス兵が村人を捕虜として

捕まえ立てこもっているという報告だった



「この忙しい時に・・・王子、どうされますか」


レイムがミズキに尋ねるとミズキはレプシスと彩花達を呼ぶように伝えた



「・・・・わかりました。直ちに向かいます」

「わかった」


報告を受けたレプシス率いるリレミア王国王宮騎士団と彩花達3人で

助けに向かう事が決定された


「では早速行ってきます」


背中を向けレプシス達が出ていく中ミズキは彩花を呼びとめた


「彩花様」

「何?」


近づいてくる彩花の元にミズキは小さく話した


「・・・先日の話は・・・誰にも言わないでください」

「・・・わかった」


一言告げると彩花もまた扉を抜けていった




「シズクはいいなー空飛べるから」


クーヘンの乗っている馬に乗りながら彩花は呟く

空を飛ぶ事もまた、人間ならほとんどの者が一度は夢見るだろう


「あそこだな」



レプシスが呟くと前には城ほど大きくはない砦が見えた

その時鴉となり様子を見に行っていたシズクが戻ってきた


「入口は正面一箇所しかなさそうですね」

「ということは・・・正面突破しかない・・・?」


砦の前に着くとそれぞれの指示を聞き彩花は馬から降りると小さく『ミラージュ』を唱える

一気に突入すると突然の騒音に気づいたべス兵達が一斉に現れる

さすがは国を守る団だけあってかその実力は一段と上だ



「さて・・・私達は捕虜を探しますか」

「それならすでに見つけました」

「え?」


彩花の隣でどこからともなくやってきたギンが告げた


「地下室ですね。そこで数人の捕虜を確認しました」

「早っ」


探す前にその居場所が判明しギンがこういうことが得意なのだと改めて知る

居場所がわかれば探す必要もない。3人は急いで地下室へと向かった



「あ、あんたたちは・・・・」

「リレミア城の者です。もう大丈夫ですよ!」


後ろから次々とやってくるべス兵達をシズクが押さえる中

2人は牢屋の扉を開けようとしていた


「鍵がかかってる!当たり前だけど」

「任せてください」


彩花に変わりギンが鍵を持つと普段使う短剣よりもさらに細い針のようなもので

鍵の穴に差し込む。ガチャガチャと動かしたかと思うとガシャンと音がした

鍵が解けた音のようで扉は開いた


「さすが!」

「シズク!そっちの様子は?」

「数人べス兵が残ってはいますが・・・・今がチャンスです!」


シズクの合図で捕虜たちを連れて3人は一気に砦の中を抜ける

途中襲って来そうになるべス兵たちは3人と騎士団によって止められる

捕虜を連れ3人は砦の外へと脱出に成功した



「後は・・・・王宮騎士団ですね」

「こんなところにまでいちいち将がいるとは思えないし・・・大丈夫だとは思うけど」


心配するまでもなく数十分後王宮騎士団の姿が見えた

再び馬に乗せると村まで村人たちを送って行く



「・・・・・・・俺達はあんたたちに礼はいわねえ」

「えっ!?」


驚くギンに対し村人は荒げた口調で叫んだ



「あんたらがいつまでもちんたらやってるから俺達にまでこんな目に会う
 んだ!いつも国民がなんかあっても貴族どもを最優先するくせに・・・!」


村人は声を荒げたまま騎士団に向かって叫ぶ

その内容は国政の緩さだけではなく王子であるミズキの力不足の事までも出てきた

そしてやはり城を奪われた事も伝わっているようでそれをいいことに暴言を吐く


「・・・・・・・・・」


レプシスは何も返せないままその暴言をただ聞いていた

この国に、ミズキにそんな差別があるわけがない。だが彩花は知っていた

国にも色々と事情があるのだと。本当に優先したい事とは裏腹に思わぬ行動を

取らなければならないことがある事を



「ミズキさんたちも頑張ってるのに・・・!」

「裏の事など、表には見えないものです」


微かに怒りを見せるギンだったがそれを冷静な口調でシズクは告げる

シズクの言葉は正しかった。これは実際に国に関わりでもしない限り分からないだろう



結局村人にお礼は言われないままリレミア城へと戻ることになった

先程の余韻が残っているのかなんとなくこの空気が重たく感じた




「ここの案件はこれでよろしいかと」

「そうか」


あれから数日が経ったのだが未だミズキの机の上には大量の報告書が積まれていた

先の見えないその多さに思わずため息を着くが休んでいる暇はない



「王子イいいいいいい!」



慌てた様子で入ってきたのはレイムだった

先代リレミア王の時から王宮に仕えているレイムが慌てることなどそうそうなく

その慌てぶりは尋常ではなかった





「・・・どうした?そんなに慌てて・・・」

「た、た、大変ですぞーーーー!」




ミズキとレプシスの前に来てもなおその慌てぶりは収まらない

レプシスがいったん落ち着かせるように催促するとレイムはその内容を叫んだ


「「!」」


次の瞬間、2人の表情は一変した




「・・・眠い」

「ずっと寝てたじゃないですか!!」

「足りないよ。ふあぁ・・・・」




眠い目をこすりながら2人は廊下を歩いていた。

午前ではあるがおそらく普通の人なら普通に起きている時間だろう

そこにシズクが宙に浮いたままやってくる


「シズク。・・・・どうした?」


ギンはその異様な表情に気づき尋ねる






「・・・・緊急事態です。ミズキさん達が呼んでいます」








「えええええぇえっ!?」



その報告を受けるとギンは大声を上げて驚いた

彩花も大声は出さないもののその事態に眠気が一気に覚め脳までもが覚めた



「れ、連合!?」

「・・・・あぁ」


レプシスはミズキの横で総返事する


「べス王国とクレモア王国が同盟を・・・・!?」


その報告は最悪とも言える事態だった。あの強国べス王国と4人が唯一

訪れなかったクレモア王国が同盟を組み連合国を結成したというものだった

当然連合した軍が向かう先は・・・・


「そう遠くないうちに我が王国に攻めてくるだろう」


この大陸は基本的にクレモア王国、べス王国、リレミア王国、アルデバラン王国と並んでいる

リレミア王国を制圧した後はアルデバラン王国に攻め込み統一をしようとしているだろう



「・・・絶体絶命だ」


ミズキが呟く。その表情は絶望に満ちていた



(連合軍・・・・)


国と国が協力することによってその強力さはよく知っていた

かつて連合軍にいたこともあった彩花はその強さ、凶悪さを知っている

敵としてその連合軍が向かってきた場合・・・それはまさしく絶望的と言えるだろう



「いつ頃この国に?」

「・・・・早くて・・・・1カ月といったところだろうか」


その時間はあまりにも短く兵力差を考えても勝てる見込みがなかった


「おそらく城まで来るの待ってたらそこまでの村が被害に・・・」

「あぁ。見せしめ・・・というわけではないが手当たり次第に襲うだろう」


べス王国の集団は至って凶暴で手段を選ばない

我がものにするためならば罪のない命をなんのためらいもなく奪っていくだろう






「なんとしても止めないと・・・・王子?」





呟いたきり言葉を発しないミズキにレプシスは気づいた

その体は震えだすと震えた声で呟く


「もう・・・・駄目だ。この国は・・・・」

「王子!?」

「ミズキ様・・・!?」


その呟きにレプシスだけでなくレイムまでも驚きの声を上げる


「この状況でどうやって立ち向かうっていうんだ?勝てるわけがないじゃないか!」

「ですが・・・・・」

「なんで・・・・全て僕の所為になるんだ!」



突然ミズキは叫びだした。それはずっと溜めていた心の声

誰にも言えずに奥底にしまっていた感情


「僕は好きで王子になったわけじゃない!なのに・・・・どうして皆何かあるとすぐ僕の所為に
 するんだ!僕は最初から王子になんてなりたくなかった!!普通に・・・・生きたかった!!」

「!」

「自由に生きて、自由に旅して、色んなものを見て・・・・」

「自由に、生きたかった。王子に
      なんて・・・なりたくなかった!!」



初めて聞くその心境に2人は表情を変える

そしてまたそれを聞いていた4人の間にも不穏な空気が流れた



「もうこんなの・・・・嫌だ」




叫んだ後、誰にも聞こえないのではないかという擦れた声でミズキは呟いた



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次回

王子としての役目を投げ出したミズキだったが連合軍は待ってくれるはずもなく時間

は刻一刻と迫っていた。ミズキ抜きで対策を立てる中王室にいたミズキに対して彩花は

心の声を叫ぶ。そして彩花は絶望的な状況の中この国を守るために戦う事を決めるのだった


次回 第29章、「出来ない事」


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