INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第16話、心の支え

救出に成功したフェレ軍達だったが底に捕まっていたのは彩花でありなんと彼らは賊ではない

と告げるのだった。治療を施されていた中再会したリリーナは彩花に疑問を投げかける。そこに

返ってきたのは彼女の本来の姿であり本心。そしてパルテナにより状況が説明されるのだった
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「よくぞ御無事で・・・っ」

「あー・・・」


同じく安心するように告げたマリナスに対して明後日の方向を見ながら少女は唸って

いた。そして突然飛んでくる姿を見つけると続けてパルテナ達がやってくるのだった





「その包帯は・・・」

「あーあぁ、あの人達にやってもらったよ」




あの人達というのはさっきまで戦っていた賊たちのことである。賊と呼ぶには

良心的すぎる人達に治療され、料理まで振るわれたことを少女は説明した


「あぁもう!心配させて!」

「ピーチ痛い痛い痛い!・・・痛くないけど」

「本当に・・・よかった・・・」




「・・・・・・」




またしても少女は唖然とした表情をする。それから聞かされたのはここにいないファイター達

の行方。あの後新たな情報を得て拠点らしき場をつきとめたファイター達は向かったのだと言う


「通りで赤い人が見当たらないわけだ」

「・・・ロイ、貴方の事をすごく心配していたのよ?」




包帯を取り替える際、リリーナはあの時受けたであろう傷を見ては告げた




「・・・ねえ。あの時の人達って・・・」

「・・・過去に、勝ったと思ったんだけどな」




やはりと反応すると尋常ではなかった少女の反応を思い出し包帯を持っていた手は震えた




「・・・あー・・・どうせまた、赤い人に説教されるんだろうなあー」




嫌だなーとため息をつくと数秒後さらなる深いため息をつく




「勝手に追いかけて行ったし・・・はあぁー・・・今回はさすがに正座じゃ済まないだろう
 な・・・結構やばい状況だったし。ご飯抜きとか・・・もっとすごいことになるのかも・・・」

「・・・・・・」



あの時のように怯えた様子はないものの別の意味で怯えるような様子で呟いていた


「・・・どうして・・・」

「ん?」

「どうして・・・助けたりなんかしたの?」




俯いたまま、力なき声で発せられた声に頭を抱えていた彩花は頭を上げた




「私の事・・・嫌いだったんじゃ・・・」

「別に嫌いじゃないし嫌いだからって助けないでいい理由にはならない。それに・・・」





言葉が途切れ、様子を窺うように覗き込むと直後少女の発した言葉に漠然とした




「君が死んだら、赤い人が悲しむでしょ」

「!」

「赤いのにとって、君がどれだけ大切な存在かは嫌と言うほど知ってる」



驚きつつ少女は言葉を返す。それでもだからといって犠牲になっていいわけじゃないと


「だからって、彩花があんな目に合う必要性もない!」

「別に、勝手にやっただけだし」

「・・・貴方もそう・・・!ロイと一緒で・・・人の為なら自分を犠牲にして・・・!」


そう。彼女と彼は似ている


「彩花とロイは・・・似ている」

「私が?赤いのと?冗談じゃない」

「似てる!そうやって優しい所も・・・弱さを隠すところも・・・無理をするところも・・・!」



「ああああああ!」




直後少女がかつてない叫び声を発しビクッと反応する


「そういうところが嫌いなんだよ!君といい赤いのといい他人の心配ばっか!」

「っ!」

「むかつく。馬鹿みたいにお人好しな所も、馬鹿みたいに正義感の強い所も!」



自分の事は顧みず、他人のことばかり考えるそんなところが嫌いだといい捨てる

と歩き出していった。手を伸ばし声をかけようとするがその前に少女の姿は消える



「・・・・・・」

「あ・・・」


直後少女の前に姿を現した白い手を見て少女は呟く




「マスターハンド・・・さん・・・」

「すまない、聞こえてしまったものでな」


表情は見えずとも、言葉から申し訳なさそうな表情が伝わる。正面に立つ少女を見ると


「幼き頃、友に裏切られたのだ」

「・・・え?」

「そして彼女は、ある日を境に幼き頃から傍にいた生物しか信じられなくなった。
 誰とも関わる事を拒み続けてきた。そして全てを、疑いの目で見るようになった」




「自分以外の全てを『敵』とみなすようになったのだ」

「・・・・・・」

「受けた傷は深く、二度と同じ目に合わぬよう望むことを諦め、希望を捨て、運命
 だと受け入れ、感情と意思を偽り誰かと関わる事を拒み続け全てに鍵をかけた」



それは少女の知られざる過去であり壮絶な過去であることに気づいた



「そんな彼女に、一番に近づいたのはロイだった。どれだけ拒もうと、傷つける言
 葉を発しようと彼は諦めず追いかけ続けた。結果、少しだけ・・・心を開きかけた」


唯一、全てを知っても、裏の顔を知っても関わり方を変えなかった存在


「君にとって重要な存在なのと同じように、彼女にとっても重要な存在なのだ」

「!」

「僅かに彼女の心境に変化が訪れた。そのきっかけを作ったのは彼であり心の支
 えになった人物でもある。あぁは言っているが・・・本人が一番分かっているだろう」


廊下を歩いていると何かを感じた。すると目の前に現れた光は人の形となる


「蒼真」

「・・・随分とひどくやられたもんだな」

「うっさい」


次の日、元々怪我を負ってから数日が経っていたことと治療されていたこともあり

ほとんどの傷が治りかけていた。そこにピーチ達とリリーナが現れると少女に尋ねた


「一体どうやって助かったの?」

「リリーナの話によると、動くこともままならなかったって聞いたけれど」




ピーチの問いかけに対し、ため息をつくと少女は答える




「ロイに助けられた・・・むかつくけどね」

「え?・・・ロイ?」




リリーナを始めとした数人が疑問の言葉を発するとピーチ達は心当たりがあると思いつく




「もしかして・・・」

「そうだよ。『あの』ロイだよ」

「ええと・・・どういうこと?」


ウォルトが尋ねるとポケットからあるものを取り出し魔符は光を放つと一同の前に形を現す

そこに現れた姿に一同は目を丸くしたまま信じられないような表情で目の前の存在を見た




「ロイ・・・!?え、どういうこと・・・?」




以前スマブラで話したように説明するとリリーナ達は驚いた


「そんなものが・・・!?」

「もしかしたら君たちのもあるんじゃない?知らないけど」


目の前にいるのは多少の身なりの違いはあるものの正真正銘あのロイだった

カードの中から現れた事、突然姿を現した事に驚かざるを得なかったものの




『こうして無事戻れたからいいけれど、もう少し考えて行動を』

「出てきて早々説教とか氷漬けになりたい?」

『・・・・・・』




それ以上英霊ロイが言葉を発する事はなかった。そして少女は不機嫌な表情である




「・・・まあ、そういうこと」




「それはなんともまあ、不幸中の幸いだったな」

「ほらロイ。君の家だよ、懐かしいでしょ」

『そうだけど、今はそんなこと言ってる場合ではないんじゃ?』

「パルテナ様、今ファイター達の様子はどうなってるの?」


突如話を振られたパルテナは驚くも追跡したりピットに告げられていた現状を説明した


「着実に近づいていると最後の報告では言っていました。これまでも何度か『黒き炎』
 と交戦したそうですが所詮は相手は人間、戦闘慣れした者を中心に進んでいます」

「なら次の通信で言っておいて、相手は・・・人間だけじゃないって」

「え?それは・・・人間以外がいるということですか?」




「中には、魔物を召喚する人間も存在するってことだよ。魔物と戦う可能性もあるって事」



ピーチがティーカップに紅茶を入れている時、隣から聞こえてくるのは


「報告を聞いた時もうだめかと思いましたぞ!」

「す、すみません・・・」

「皆さん絶望的でしたよ」


マリナスに対し委縮していると隣でゼルダとクレイジ-ハンドが言う


「あのファルコさん達ですら魂の抜けたような表情をしていましたし」

「あぁ見えてファルコは仲間想いだぞ。普段はあんなんだが」

「一番心配していたのは・・・言わなくても分かりますよね?」


ふふと笑うと少女の眉は次第につり上がって行く


「あんなの、今まで見た事なかったわ」

「エリ様はそんな無理な事されませんでしたぞ!」

「・・・私も戦えない時はあんなことしませんでしたよ」


その間、リリーナはずっと彩花の方を見ていた。ピーチやマリナスと会話している少女は

何の違和感もないように見えるがリリーナの目にはやはり何かしらの違和感を感じさせた


「・・・・・・」


尋ねようとするが声が出ない。それは聞いてはいけないような気がしたから



それからしばらく経つと、中庭で彩花の姿を見かけたリリーナは意を決し尋ねる


「・・・貴方を襲ったの・・・過去に関係しているの?」

「・・・・・・」


つんとそっぽを向いたまま無言でいると数秒後、言葉が返ってきた



「・・・ちょっと・・・いや、かなりか」



全身に力が入ると言葉を聞いた少女もまた苦い表情をし俯いた


「・・・聞いちゃいけない気がしたけれど・・・どうしても気になって」

「そりゃ、あんなの見たら・・・普通気になるさ」



自分でもわかっていた。今まで普通に戦っていたのに突然あんな風になれば。その

時、兵士の人が勢いよく駆けこんでくる。慌ただしい様子に2人は室内へと駆けだした



「港にて黒い集団が現れたとのこと!」

「・・・黒き炎・・!」

「物資の要求をしているとのことで従わない場合は港の船を破壊すると・・・」




出撃は決まっているそうだがここから場所は遠く時間がかかるとマリナスは告げる





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次回

黒き炎に対し勝利を収める一同。そんな中リリーナは戦えないと言われていた彩花に

戦う理由を尋ねる。さらに多数の黒き炎がフェレ城に向かってきていると報告を受け一

同は臨戦態勢に入る。彩花もまた、経験を生かし軍師としての役目を全うするのだった



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