FC2ブログ

INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログ

第23章、城での一日

『魔女の潜む渓谷』として知られていたチュラ渓谷へ足を踏み入れた一同。

そこで出会ったのは由来でもある女性だった。彼女と共にミズキの元へ戻

ってきた一同は研究者でもあったカンパネラは竜の話をするのだった
__________________________________

「メライ王国?」

「はいー。ランドール大陸内であの戦いから戦いを拒む者達の悲願
 から成り立った国だそうです。私達は偶然見つけられたわけですが」


カンパネラの報告の後、ルイスはあの国の話を始めた。やがて


「そこで、彩花さん達の活躍により、協力を取り付けることに成功しました」

「え……?」

「ただ、向こうも賊による被害で立て直しに時間がかかるそうで、正確な
 日時までは不明ですが、王自ら『必ず駆けつける』……と仰られました」

「……」


ルイスの告げる言葉にミズキを始めレプシス、レイムは言葉を失っていた



「少数ではありますが、間違いなくこの国の助けになってくれるでしょう」

「……」


少数とは一体何人の規模を指すのだろうか。戦争が数百人、数千人で

行われるものでないことは確かだ。規模にもよるが何十万……それ以上

の人間が関わると考えると、その数は想像がつかないものだった



「本当に……貴方達には驚きました」

「他にも、確認に行く際様々な偶然や出来事を通して、こうして他国
 の者に協力を取り付けることができました。全ては彼女達が真撃に
 、どんな窮地でも糸口を見つけようと必死に立ち回った結果です」

「ルイス……!?」

「ルイスさん、私達はそんな大した事は……・」


焦るように彩花とシズクが告げるとルイスはクスリと笑い


「今更何を言ってるんですか。既に貴方達はこの国にとってなくてはなら
 ない存在になっているんですよ。それだけの成果を上げたのですから」

「「・・・・・・」」

「本当に、貴方達はすごいですね」



ふと聞こえたミズキの声に三人は視線をミズキに向けた



「僕より、明らかに成果を上げて。指揮もしっかりしていて……」

「……」

「僕より、君たちの方がこの場が似合うかもね」

「え……?」


どこか感じた違和感に、彩花を始め数人の心の中は妙にざわつくのだった



「ギン殿、本日も兵士達の訓練に付き合ってはもらえぬか」

「それは構いませんが……」


レプシスに呼び止められたギンが歯切れの悪そにすると


「遠慮することはない。以前も言っただろう?君の戦い方は我が国
 にはないものだ。故に私も兵士たちも学ぶことが多くあるだろう」

「以前も?それに、以前から参加していたように聞こえますが」



隣にいたシズクが尋ねると


「あ、あぁ。実はここに来て直後くらいにレプシスさんに誘われて……。
 それから何度か、時々兵士達の訓練に参加させてもらってるんだ」

「そうだったのですか」




「……俺自身、ここの人達には色々な事に気づかされました。今までどれだ
 け無茶な戦い方をして、何も考えずにただ目の前の敵を斬ってきたかを」

「私達にも、変化がある、というこどですね」

「そうなるな」

「……特にリレミアは、ミズキ様の意向もありあまり隠密部隊とかには
 力を入れてないんだ。見えぬ場所で始末するやり方が好かないよう
 でな。私も、あまりそういうやり方は好まない。騎士道に反するからな」

「「・・・・・・」」

「綺麗事で民や国は守れない。君達を見て尚更強く思ったよ」



場所は変わりミズキの部屋。机の上に束のように書類が積み重ねられ

座っているミズキの手元にも同じらしき書類が並べられていた。そんな

中近づいた彩花は書類を見てはびっしり書かれた文字に眉を顰める


「ミズキ、これなに?」

「報告書です。中には民たちの要望や苦情なども書かれています」



忙しなく手元を動かしているミズキは


「申し訳ありません。私が誘ったというのに……」

「うーん、邪魔息になりそうだし帰ろうか?」

「いえ、なんとなく、貴方とお話をすればこの書類が片付けられる気がして」




「?」

「ずっと同じ事をしていると息が詰まるのですよ」

「あぁ……」

「レイムに頼んでもこの国の話ばかりで、レプシスも良くも固いからね」



しかし自分に話せる事なんて……と呟いた後、必死に考えると

言葉を選ぶように彩花の発された言葉にミズキの視線は上がった


「私の国はね、あまり剣とか魔法とか、王子とか縁がないんだ」

「え?」

「同じように天皇って人がいるけど、一般国民の私は会ったこともなくて
 あんまりピンとこないんだ。私はね、架空の物語の中でしか王子とか
 、剣とか、魔法とかを知らなかったんだ。私の国には存在しないから」

「……」

「だから今、すごく変な感じがするよ。こうして普通に話してるけどミズキ
 は王子様で、ここはお城で……。物語でしか存在を知らなかった小さ
 な頃の私が見たらすごく喜ぶんだろうなって。昔じゃ考えられないから」



そう。私には貴族も、城も、縁のないものだと思ってた。と少女は呟く

ペンを机の上に置くとミズキは俯いた。机の上の拳を強く握り小声で



「……どうして、僕は王子になんかになってしまったのだろう」

「え?」

「あっ……いえ……」



今現在この部屋にレイムやレプシスなどこの国、この城に関係する者などい

ない。そのせいか気が緩みつい心の奥底に閉じ込めていた声が出てしまった

とミズキは告げた。続けて今の言葉は忘れてください・・・・・・と



「どうして・・・なんておかしいですよね。忘れてください」

「……」



とある日の朝、誰かの声が聞こえて彩花は目を覚ます


「……」

「彩花さん、起きてください」

「……?」


目を覚ました時、視界の中にある人物が映り込んだ


「いくら城内で安全だからって昼まで寝てないでくださいよ」

「……ギン?何か用?」

「何か用?じゃないですよ。旅の途中だって俺達が見張っている
 とはいえ襲撃にあったらどうするんですか。洒落になりませんよ」

「ふああ、とはいえ、これはどうにかなるもんじゃないしなあ」


彩花の中の常識では、夜は寝るものだと告げる


「特別起きる必要がないって思うと起きられないんだよねえ。い
 や、理由があっても起きられないんだけど、なんでだろうね?」



また別の場、市場にいたルイスはある人物と遭遇することにより

場所を変え、城内の広場。そこでは物々しい雰囲気が漂っていた


「あの時は気にならなかったけど、まさか貴方が噂の商人かしら」

「噂とは?」

「多くの大陸を渡り歩く商人よ。確か、一族が商人の家系だったかしら?」



カンパネラが告げるとルイスは笑いながら


「確かに私の一族は何十年も前から商人をしていますが、そんな噂され
 るほどのものではないと思いますよ?まあ、多種多様、種類豊富なのは
 うちの売りでもり他者との差でもあるので変わりモノとは言われますが」

「ふふ、そうね」

「なんだかその反応、疑ってますね?」

「いえ、私が幼かった頃も、貴方に似た人を見たものだから、ひょっとして
 と思ったのだけど、ないわよね。どうみてもただの人にしか見えないし」

「正真正銘、人ですよ。まだ二十年ちょっとしか生きてませんし」

「なら、私が見た貴方に似た人は誰なのかしらね?」




「私のご先祖様じゃないですか?うちは少し変わった家系でして、一族
 の女性は皆似たような容姿になるんですよ。どうやら女型の遺伝子が
 強いようでして。髪や服装も揃えたら、見分けがつかないのも頷けます」

「そういうことね。遺伝の強さ……興味深いわね」

「実際叔母の若き頃の写真を見せてもらいましたが、瓜二つでしたしね」



昼過ぎ、威勢のいい声が聞こえた彩花は声のする方を探し歩き回って

いると、やがて城壁の下にある広場で兵士たちが組み手をしていた

金属音が鳴り響き、周りの兵士たちが食い入るように見張る中、彩花も

その光景を城のバルコニーから見ていた


「ちょっといいかしら」

「っ!?」


突然背後から声がかかり振り返ると赤髪の女性の姿が


「あ、貴方は確か……」

「アルデバラン王女カトレアよ。あの時はとてもそんな状況では
 なかったから、改めてお礼を言わせて。あの時はありがとう」

「い、いえ」


そう答えた彩花は彼女を見た


「?」


自分に勝るとも劣らない目つきのきつさ、はさておき照明の光に照らされ

、長く艶やかな髪。その美麗さは、言葉で表せられるものではなくただ彼

女を見つめていると彼女は分からぬまま「?」を浮かべていた


「どうかした?」

「あ、いえ、綺麗だなって」

「え?」

「お姫様って本当に綺麗なんですね」


至って真面目に答えたつもりが、彼女は手で払いながら


「お世辞はいいわ」

「え?本当の事を言ったつもりですけど……」

「……ミズキ王子のいう通り、貴方変わってるわね」



そのまま彼女に誘われ彩花はとある部屋でカトレアと対談する形となった



「ええと?カトレアさん?いや、姫様?」

「カトレアで構わないわ」

「え?でも、それはなんか申し訳ないような」

「あら、ミズキ王子は堂々とそう呼んでいるのに?」


クッキーを手に持ち食べる姿をカトレアは見つめていると


(……小動物?)


「ミズキはなんというか……成り行きで?」

「なら私も成り行きでいいじゃない」



(な、なんか強引な人だなぁ……)


そういえば、と思い出すと彩花は彼女に尋ねた


「カトレアさんって武人に溢れた人って聞きましたけど」

「それはあくまで他人の評価よ。けれど、確かに幼い頃から槍の訓練
 は受けたわ。私の国は治安があまりよくないから、王族でも女でも
 例外はなく身を守る術を身に着けることが義務付けられていたの」

「レイムさんから聞きましたが、小さい頃からミズキと知り合いだったとか」

「えぇ。学舎で学んでいた頃からね」


すると彼女はふぅ、とため息をつき彩花は「?」を浮かべる


「本当、気にくわなかったわ」

「え?」

「初めて会ったのは学舎で、それまで隣国の王子なんて知らなかった
 のよ。成績は優秀だったそうだけど、何よりも武器を持つことを嫌って
 私とはまったくソリが合わなかったわ。こんなへなったのが王子?って」

「へなった……」

「今もだけど、争い事が嫌いで、同級生にちょっかいをかけられても勝負
 を申し込まれても決して受ける事はなかったわ。国を統べる以上力がな
 くては話にならないのに、戦うのが当たり前だった私には合わなかった」


当時の事を思い出したのか、彼女はだんだんヒートアップし



「だからこの国……というかミズキ王子に泣きつくのは納得いかなかったわ」

「あの時、明らかにべス兵をバッタバッタ倒してましたけどね」

「結局ここへ逃げたのだから結果としては同じことよ」




「今はそれなりに頑張っているようだけど、どうなるかしらね」

「どうって……」

「あのべスに勝とうというなら生半可な覚悟じゃ手も足も出ない。武力国家
 なアルデバランですらこの始末だもの。それだけべスが強力という事でも
 あるけど、一枚岩じゃこの戦いは制せない。今こそ見せ所ってところかしら」

「……」

「ってこんなことを貴方に話しても仕方ないわね。でも……」

「?」

「ここに逃げてから、あの人の意識が変わり始めているのを時々感じる
 の。。だからもしかしたら……いえ。とにかく、一度貴方と話してみたか
 ったのよ。貴方の力かしら?ついどうでもいいことまで話してしまったわ」



やがて、カトレアは隣に置いてあった槍に触れ、力強く告げた



「ここに来た以上、王子が抗おうとするなら私は協力するわ。いえ、
 例えどんな状況になっても、私一人になっても、抗ってみせる」

「……」

「アルデバランの王女として、このまま終わりなんて許せないもの!」

「カトレアさん……」





「だから、貴方にも協力をお願いしたいの」

「!」

「貴方達の力は聞いてる、だから私も貴方達を信じるわ。どうかしら?」

「……」



しばらくの沈黙の後、彩花は口を開いた


「私も、戦いは嫌いです。血が流れるのも、人が死ぬのも」

「え?」

「私の性格もきっと、きっぱりしているカトレアさんから見たら合わない
 ものだと思います。だけど、まだ、可能性がないわけじゃない……」

「……」

「可能性がある限り、私は戦います。貴方達と一緒に」

「……!ありがとう。そう言って貰えて嬉しいわ」



後日、準備の整ったミズキ達と彩花達は再び共に行動することとなる。

目指すはベス王国が狙っているとされる竜の子のいる村だった。村であり

ながらその多くは何百年も前から竜の祠を守りし者が受け継がれている


「村なんて多くの者は言うけれど、正式には里なんだ」

「そうなの?」

「地図にも、知識としても村として教えられることが多いけどね。この地に
 とって大切な場だからこそ、特別な場と悟られないようにするために二つ
 の名で伝えられているんだ。ここからは長旅になるよ。道中も楽じゃない」


ミズキに続いてカンパネラが


「辺境の地にあるが故、好んで近づく人は少ないわ」

「しかしベスの目的が本当ならば……」

「……間違いなく向かうだろうね」


城を出て数時間、または数日、いくつかの時が流れ一同は森から

開けた場所にでた。木々がなくなり目の前には集落のような建物が



「あれが……」

「竜の祠の守りし者が住む里、アルビアーノの里」






「これは……リレミア王国の王子?それに……」



村の人々は多くの兵やミズキ達の姿に驚き、立ちゆく人々が一同を見つ

めていた。リレミアやアルデバラン王国よりも涼し気な服装をした者が多く

、この地域は大陸の中でも気温が高い為このような衣装が普通だという



「貴方がいらっしゃったということは……まさか……」

「えぇ。起こり始めているわ、『もしも』が」




=================================

次回

里にたどり着いた一同はカンパネラから数百年前、この里の誕生と、ある

男性との約束を明かす。全てはこの地に起きる『もしも』を防ぐ為。そんな

中、祠の方角からベス兵が現れ、一同は戦闘態勢に入るのだった……

 
次回 第24章、「アルビアーノの里」


第24章へ

目次へ戻る

スポンサーサイト



別窓 | KINGDAMDESTINY | コメント:0 | トラックバック:0 | ∧top | under∨
<<第24章、アルビアーノの里 | INFINITE | 第22章、渓谷の魔女>>

この記事のコメント

∧top | under∨

コメントの投稿


管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック

∧top | under∨
| INFINITE |