FC2ブログ

INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログ

第21章、生滅竜の伝説

リレミアに戻ってきた彩花達一同は可能性を求めてクレモア王国へ向か

う。しかしその道中、賊に捕まり収容されるがメライ王国の住人、ドッド達

義勇軍に助け出される。大元を断つ為、一同ははロス島に向かうのだった……
___________________________________

「敵襲だ!」


賊たちは叫ぶとそれを聞きつけた数人の賊が現れるがそれを倒し


「じゃあ作戦通り、俺達はここら一体の連中をぶち倒すぞ」

「はい。ドットさん、義勇軍の皆さん、よろしくお願いします」


流暢に告げた言葉に


「……あんた、見かけによらずしっかりしてんだな」

「え?……一応、目上の人への常識はあるつもりですけど」

「流石はその軍を取りまとめるリーダーってとこか。こっちこそよろし
 く頼むぜ。俺達は複雑な策やら国軍みたいなことはできないからな」



増援として現れた賊たちを見て、一同は再び武器を握り直した



「我が同胞を倒すとは、なかなかやぐおっ!?」

「……悪いけど、セリフを最後まで聞くとか現実だから在り得ないよ?」


呟いた途中倒れた賊に対し彩花は告げる。周りも多くが戦闘を繰り返し

轟々とした声が響き渡っていた。そして、次なる賊に向き直り剣を構える


「このっ……!」


賊の一人が振りかざした短剣をネールの魔法で弾くと瞬時に彩花は剣

を振り下ろす。相手の反応もはやく短剣で防がれ刃が交わった。鍔迫り

合いが起きていると思いきや、賊の腹に強烈な蹴りが食い込んだ


「ぐおっ!?」

「しばらく凍ってろ!ブリザード!」


吹き飛ぶ……まではいかなくとも男がよろめき数歩下がったところで

魔法をとなえると猛吹雪で賊はみるみるうちに凍り付き、全身を覆った


「む、むちゃくちゃだ……」

「こんなの勝てばいいんですよ勝てば」

「がっははは!勝てばいいか、そりゃそうだ!」


勢いに乗った義勇軍は次々と賊をなぎ倒し奥へ奥へと進んでいく

細い通路を抜けいくつもの部屋を通り過ぎるとその規模を思い知る


「随分広いみたいですね」

「随分デカい組織だからな。だがこんな小島にアジトを隠してたんじゃ、国
 内での調査じゃ見つかるわけがねぇ。だから発見に手間取ったって訳だ」

「こんなひどいこと、絶対に許せません……!」


強くセルリアが告げた。教会で育った身として思う所があるのだろう


「おそらく、ここのリーダーはこの奥にいるんだろうな」

「常識を持たない人達だから、何か罠を張ってるかも。彩花、この
 まま何も考えずに行くのは危険だと思うけど、王国兵を待つ?」

「いえ、メライ兵達は万が一、逃げ出した賊の捕縛と挟み撃ちの為反
 対側にいます。この構造を見た限り、全体的に敷地は広いけど通路
 は狭いから、大人数での戦闘は向かないんじゃないかと思うんです」

「なるほど。だとすると」

「はい。この人数で乗り込むのがいいと思います」


やがて辿り着いた一同は扉を勢いよく開けると大人数が待ち受けていた


「役人の犬どもめ、よくも俺らをコケにしてくれたな」

「そりゃこっちのセリフだぜ。人を道具かなにかだと思いやがって。
 命を大事にできねえ奴は全員まとめて俺らがきっちり教育してやる」

「ハッ」


鼻で笑うと賊頭は短剣を引き抜き、続いて周りも武器を引き抜いた



「ここに来たのが運の尽きだ。全員まとめて殺してやるよ!!」



弓矢を避けながら押し切ると怒涛の戦闘が始まった。セルリアの杖

が大活躍する中、義勇軍の優勢に次第に賊頭の表情は歪んでゆく


「くそっ」

「あんたらはここまでだぜ、おとなしく罪を償うんだな」

「黙れ……黙れ黙れ黙れ!」


次の瞬間、男の目の色が変わり短剣から紫色の煙が上がった


「てめえら全員、この剣でぶっ殺してやるゥ……!」

「……!来るぞ!」


立ち止まることなく一直線に飛び込んでいた男に対し、容赦ない

一同の攻撃が突き刺さる。やがて短剣を落とすと震える手で


「何故、な……ぜ……だ」

「……?なんだ?様子がおかしいような……」

「何故だ。これがあれば俺は負けないはずだ。もっと、もっと力を……!」


短剣を広い上げ男は一同に向き直ると笑みを浮かべ


「俺はこいつがある限り負けない!殺す。殺す殺す殺す!こ……ろ……」


だが、呪文のように呟いた後、男は意識を失いその場に倒れた。短剣

も乾いた音を立てて落ち、真っ先にフォンが男の元へ近づくと告げた


「……死んでます」

「なんだったんだ?突然奴の様子が変わったような……」

「それに気になることも言っていましたね」


そういいフォンは男が落とした短剣を見る。一見なんの変哲もない短剣

だが価値のあるものなのか、あらゆる所に彫刻が彫られていた。しかし

男が豹変してから現れた煙は消え、ただの短剣と化していた


それから一同は収容された人々を倒し、メライ王国の王城へ戻ってきていた


「此度の件、大いなる活躍だったそうだな」

「いえ……」

「兵たちの話でも、そなたらの実力は本物だと聞いている」


謁見の間に通された彩花たちの前で王はそう告げた


「いいだろう。我がメライ王国も協力しよう」

「えっ……」

「少数ではあるが、兵を貸そう。どう使うかは、そちらの判断に任せる」

「ほ、本当ですか?ありがとうございます……!」


明るい表情を浮かべると彩花は王に向かって頭を下げた


「私は四国がどうなろうと知った事ではない。べス王国とその他、どちらの
 敵でもなく味方になるつもりはなかった。だが今回の騒動はただの賊に
 よって引き起こされたとはいえ、この国が知られているのもまた真実だ」

「……」

「故にべス王国に知られ、攻め込まれるのも時間の問題だろう。その時
 我々に対抗する手段はない。だが、お前の言うリレミアの王子の言葉
 が本当ならば、このくだらぬ争いが終わるのなら協力しようではないか」

「はい。ミズキならきっと……。ありがとうございます」

「先日の襲撃による後始末により今すぐとはいかぬが・・・状況が整い
 次第すぐに向かわせよう。案ずるな、一度交わした取り決めは覆した
 りせん。それが国を栄えさせ、治める王として当然の在り方だからな」


こうして彩花達はメライ王国から本大陸へ戻ることとなった。収容された

人たちの中には本隊陸の者も含まれていたようで、メライ王国の兵士が

護衛に着く形で共に大型の船に乗り込んでいた


「ドットさん、よかったんですか?」


彩花は船に乗っていたドットに告げると彼は斧を突き立てながら告げる


「いいってことよ。俺も王様と同じで、あんたらに負けたんだ」

「え?負けたってどういうことですか?」

「アンタらの心意気に負けたってことさ。あんたらを厳しく突き返した
 俺達に大してここまで尽くすなんざ、相当のお人よしにしか思えねえ」

「お人よし……」




「で、人々を各国に送りながら、リレミア王国に行くんだよな?」

「あ、それなんですけど、私達はチュラ渓谷に向かおうと思います」

「チュラ渓谷……?」

「リレミア王国とクレモア王国の境にある渓谷で、別名『魔女の渓谷』
 ともいうらしいんです。ですから、私達は渓谷付近で降りるつもりです」

「また物騒な名前だな。そこに何の用が?」

「それが、気になることがありまして」


それは遡ること、まだメライ王国の王と話をしていたときの事



「これが、その短剣だそうです」


兵士の一人が賊頭が持っていた短剣をフォンから受け取り王に渡す。

布に乗せられた形で渡されたものを見た時、王の表情が僅かに変わった


「これは……」

「持っていた賊頭の様子が豹変し、その短剣から見たこともない紫色の煙
 が上がったそうです。いわくつきの可能性もあるので、こうして布にくるん
 でありますが、その後煙を見た者はおらず、その正体は不明のままです」

「何かご存知でしょうか?」


スノーが尋ねるとメライ王は呟いた


「この竜の彫り物……なぜそのようなものがここに」

「竜?」

「コホン。これは『生滅竜』の印、生滅竜の力の一部を封じるものだ」

「生滅竜……?」


首を傾げると、ぽつりと呟いたスノーに続き王は語り始めた


「生滅竜って、あの伝承の……?」

「うむ、その通り」

「私も伝承として聞いたことがあります。その昔、まだランドールは
 草木も生えず、生物もおらず、人が住めるような環境ではなかった」


そこに竜が舞い降り、一声上げると木々が生え実がなった。魚や鳥、

動物など生き物もどこからか現れ、みるみるうちに豊かな大陸となった

そこに人々が住み始め、やがて三つの国ができ各国は活性化した


「それがランドール大陸の祖、べス王国、クレモア王国、アルデバラン王
 国の誕生。ランドールというのは竜の名で、尊重の意を込めてそう名付
 けられたと言い伝えられています。ただの伝承だと思っていましたが……」

「うむ。その竜を見たというのは偶然その地を訪れたという旅人で、栄えて
 から竜を見たというものは誰もおらん。だが、一つ確証を持つものがある」



それがこの短剣『生滅竜のつるぎ』。実りを与え、竜が消える間際この

短剣を残したのだという。ここには竜の力の一部が封じ込められており

、このつるぎがあるからこの国の実りが保たれていると言われている


「そんなものがあったんですね」

「だが、なぜそんなものを賊が持ってたんだ」

「……ということは、あの紫の煙はその竜の……?」」







「王の話だと、つるぎは普段大陸の中心部にある祠に祀られていたみ
 たいだけど……。なぜ賊が持ってたのか王様も不思議がってたね」

「で、それとその渓谷とやらに何の関係があるんだ?」

「チュラ渓谷には、何千年も生きている魔女がいるって噂があるんです
 。変わった力を持つという噂もあって、何か知ってるんじゃないかと」

「……正気か?」

「はい。あくまで噂です。ですがなんだかそうするべき予感がするんです」


そう彩花が告げるとドットは考え込みながらも、こう告げる


「……まあ、俺自身あんたらに協力するって言いだしたクチだしな。あ
 んたらの意思に従うさ。確かに、俺も聞いたが奇妙過ぎる話だしな」




こうして本陸へ足を付けた一同は、人々たちを乗せた船を見送って

渓谷へ続く道を進み始めた。木々が減り、岩肌がむき出しになりやが

て物音も聞こえなくなり、そこは不気味は雰囲気が漂う場所だった


「行きは運がよかっただけかもしれませんし、気を付けてくださいよ」

「こんな所はぐれでもしたらたまったもんじゃねえな」

「ですねー。ここはこまめに生存確認をしながら進むのが無難でしょう」



ルイスの助言に頷きながら進んでいくと、一同は辺りを見渡しながら



「しっかし、歩けば歩くほど不気味だな」

「うぅ……。街が人々の声で賑やかだっただけに、ここは何の音もなくて
 怖いです……。本当に、こんなところに魔女が住んでるんでしょうか?」

「それは分かりません。まあ、住むには不便そうですが」

「……!」


その時、近くから物音がし一同の話声は止まった。そして間もなく


「な、なんじゃこりゃあ……!?」


僅かに生えていた茂みから現れた獣の姿に一同は呆気に取られた


「これが噂に聞いていた魔物か……!?」


初めて見る姿に驚く中それらを見つめていた彩花は魔導書を構えた


「やっと活躍できる時が来たみたいだね!」

「……!」

「人と戦うより、こっちの方が私としては慣れてるし!」


襲い掛かって来た魔物に対し彩花は姿を消すと背後に現れ魔法を唱えた。

手から放たれた炎は魔物へ直撃し、数体の中の一体がその場に倒れた

彩花に続いて一同も武器を構えると魔物と戦い始めるが、そんな中呟く


「……戦うには足場が悪すぎる。こう狭いんじゃ……」


自由に立ち回れない土地にギンが呟いた。底の見えない谷にパラパラ

と崩れかけている足元。次々と姿を現す魔物に戦力とは別の意味で苦

戦を強いられていた。しかし辺り一帯は魔物に囲まれ逃げる場もない


「……!」


その時、大型の魔物が飛び地面に着地した衝撃で、一同の立っていた

地面にヒビが入り、それは数秒と経たぬうちに崩れ始めた。地の底へ

落ちていくと同時に、そこに立っていた一同も地へ吸い込まれていった





「……ここ、は……」



傾斜をずり落ち底にて止まった彩花は上空を見上げて呟いた



「ここが、谷の底……?」


相当深い場所なのか、上を見ても暗いまま何も見えぬが、見渡す限り見

えた光景に言葉を失った。そこは不気味というより、不思議な光景だった

彩花に続いて状況を呑み込んだ一同が顔を上げると口々に告げる


「谷の上は岩場の多い渓谷だったのに……」

「森の中みたい……」


木々が生い茂り、川らしき水が通っている。まるで底と地が逆転したような

光景に驚かないわけがなかった。自然あふれ、それが逆に不気味にも感じ


「まさか、これも魔女の影響なんでしょうか……?」

「まさか。魔女なんてただの噂でしょう?竜じゃあるまいし何千年も生き
 てるなんて信じられません。ですが……これは……変な光景ですね」








困惑している一同とは別の場所、男は声を荒げていた



「『生滅竜のつるぎ』はまだ見つからないのか!」

「申し訳ありません。トルフェリアム将軍!」


謝る兵士たちに対し、怒りを露わにしながら男は呟いた


「祠から奪ったはいいものの賊に襲われ奪われるなど……」

「……それは本当に『賊』だったのか?」

「え?」


少しだけ冷静な口調になった男の質問に兵士は思わず聞き返した


「それは、どういう……?」

「ランドール大陸最強のべス王国に仕える兵士ともあろうものがた
 だの賊に奪われたのなら、それはそいつが怠慢していたのだろう」

「……」

「だが、それがただの『賊』でなかったとしたら……」


その時、扉が開き別の兵士が現れると告げた



「トルフェリアム将軍、報告があります!」

「なんだ」

「『生滅竜のつるぎ』の行方について、ある情報を掴みました!」

「!話してみろ」

「はっ。聖なる樹林で奪われた『生滅竜のつるぎ』ですが、なんらかの
 流通でロス島を拠点とし人身売買を主とする賊一味の手に渡ってい
 たそうです。その後、他大陸の者によって賊は壊滅したそうです」

「価値の知らぬ下種達が、金目当てに売り飛ばしたか……」

「そして、つるぎは壊滅した者たちが持っている可能性が高いと思われます」


報告の一連を聞いた男は唸るように考え込む


「その者たちの素性や行く先の情報は?」

「それが……『生滅竜のつるぎ』の持ち主がいると思われる船は例の
 島で解放した人々を乗せ順に送り届けているそうで……。その持ち
 主がどこで降りたかや、どんな者までかは特定できていないそうです」

「……竜の復活には『聖なるつるぎ』と竜族の力が必要。予定と逆
 になるが、つるぎは保留とし、マムクートの身柄確保に移行する」

「承知しました!」

「既に場所は特定済みだ。マムクートは竜の遺産である『生滅竜』の剣を
 探知する力を持っている。つるぎ場所は、そいつに見つけてもらおう。
 半分の兵は引き続きつるぎの調査を、もう半分はこちらにつくよう伝えろ」

「はっ!」



======================================

次回

底へ落ちた彩花達は異様な光景を目にする。意思を持つかのように

動いたり、発行する植物。そんな中ついに彼女らは噂の真相、『魔女』

と遭遇する。しかし更にはベス兵の姿も現れ……


次回 第22章、「渓谷の魔女」


第22章へ

目次へ戻る

スポンサーサイト



別窓 | KINGDAMDESTINY | コメント:0 | トラックバック:0 | ∧top | under∨
<<第22章、渓谷の魔女 | INFINITE | 第20章、一輪の花>>

この記事のコメント

∧top | under∨

コメントの投稿


管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック

∧top | under∨
| INFINITE |