INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第17章、旅出

作戦が遂行され、二手に分かれた彩花とミズキ達。ミズキたちは玉座に

たどり着き勝利を収める。そして作戦は大成功し城をどり戻すことに成功

するのだった。そして、リレミア王国は次なる計画を立て始め……
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3日後、ミズキの元にはレプシスが訪れていた


「王子、このままではまたべス兵が攻めてくるでしょう。我々も動きだすべきかと」

「・・・・そう言うと思ったよ。僕もそれを考えていたところだ」

「悔しいですが、あの者達の力を借りれば不可能ではないと思います」


そこにはレイムの姿もあり2人の話を聞いていた


「確かにこのままじゃいけないことは僕も分かってる。だけど今は・・・・城を
 奪われた事によって失った信頼をなんとかするべきではないのかとも思う」

「といいますと?」

「軍を強くしなければ。訓練の見直しと・・・義勇軍を募ろう」


城を奪われ、精神的ダメージだけではなく、国民達からの信頼を失ったこと。

そしてその戦いによりリレミアは多くの戦力を失っていた。奪還作戦は策のお

蔭もあってか被害はそう大きくはなかったが、仕掛けるには不十分だった



「・・・・かしこまりました」



それから、平民の不満は少しずつ城にも聞こえるようになってきていた

心優しい王子として有名であるが逆に甘いと批判の声も上がっていた

そしてその声はミズキたちの精神的ダメージにもなっていた


「王子」

「・・・なんだ?」


気づかないわけがない。しかし口に出してはいけない気がした。ミズキの

性格をよく知っている為、一層負荷になってしまうことを知っていたからだ


「・・・・・いえ。では私はこれで」


会釈をするとレプシスはその場から去った


「・・・王子、最近眠れていないようですし・・・日中は国民
 の対応に追われてますし・・・少し休んだ方がいいのでは」

「・・・大丈夫だよ。僕はこの国を治める王子なんだ。こうなってしまった
 のも僕が無力だから、責任を取るのは当たり前だよ。それが僕の役目だ」



(そう。僕は王子なのだから・・・・)



同時刻、城の庭ではルイスが移動式店舗を広げ商品が立ち並ぶ中、彩花

とギン、シズクは物珍しそうに見たことのない品物の数々を眺めていた



「これ何?」

「これは清めの御札といって状態異常を治してくれるんですよー」

「これは・・・・」

「風の魔道書じゃん」

「・・・・・・・・・」

「あぁ、鳥翼族って風魔法に弱かったっけ」


そんなことを話しているとギンはある事を思い出した


「そうだルイスさん。『七人衆』って知ってます?」

「知ってますよ。この大陸では有名ですよー?」

「城奪還作戦の時に敵将が口に出した時、ミズキさんたちの表情が変わ
 ったんですよね。・・・ルイスさん、七人衆って一体なんなんですか?」

「んー」

「どうにも彼らには聞きづらくて……」



ルイスは口に手を当て斜め上を見上げると視線を戻した



「そうですねー・・・・。彼らに聞かなかったのは正解かもしれません」

「何?そのどっかのボスみたいなやつ」

「ボスじゃないですよーかつてリレミアを支えた方達の総称ですー。戦争の
 末この国が独立したのは知ってますよね?その時に活躍したのが『七人衆』
 なんです。かつてのリレミア王を支えミズキ様の良き理解者でもありました」

「重臣……のようなものですかね?」

「その人たちは幾銭もの難戦を覆したとか。城奪還の時みたいに圧倒的不
 利な状況でもその7人が戦闘に参加することによって勝利に導かれたとか」

「なにそれすごいじゃないですか!」


それはまさしくリレミアの主力と言っても良かったと思いますよ・・・と

ルイスは言った。そして楽しげに話していたルイスの表情が一変した


「・・・・ですが、独立後も戦は続き6人は命を落としてしまったんですよ」

「そこまで強かったのに?」


その戦いは長期にわたり続き、連戦の末6人は命を落としたのだとか


「私もこれは話で聞いただけなので詳しい事はわからないんですけどねー」

「あれ?でも6人ってことは1人生き残ってるよね?その1人は?」

「レプシスさんですよ」

「・・・・えっ?」


空白の間、3人は顔を見合わせた。次の瞬間、庭は一層騒がしくなった


「あの人ってあんなすごい人だったの!?確かに強かったけど!」

「当時最年少だったレプシスさんだけが運よく生き残ったみたいですよ」

「……」


ルイスとギンが会話している中、彩花の言葉が留まったことに気づく


「彩花さん?どうかしましたか?」

「あぁいや、今後どうするのかなと思って」

「あぁ、一応城は取り戻しましたし、負傷兵もいるのでまずは態勢を立て
 直すのでは?後は状況が整い次第反撃……というのが普通でしょうけど」

「うん。その状況が整うまでの間……なにもしないのは勿体ないなって」




午後、ミズキの元に彩花達が訪れた。ミズキから彩花達を探すことはあって

も彩花達から来ることは珍しく、彼は驚きながらも中に招き入れた。彼自身

多忙だったこともありここ数日は顔を合わせる事すらなかった



「彩花様が来るなんて珍しいですね。どうかされましたか?」

「少し用があってね」


一間置くと、彼女は話を切り出した


「私達、少しこの国を出ようかなと思ったんだ」

「なんと!?」


驚きの声を上げたのはミズキではなくレイムさんだった


「多分、しばらくここは動けないでしょ?だから戦力を蓄えるうちに私達
 で周りの国の事情を把握できないかなって思ったんだ。旅も兼ねてね」

「そういえば、お三方は旅人でしたね」

「リレミア兵が出歩くよりは、旅人である自分たちの方が気づかれにくいだろ
 うし、いくらかカモフラージュできるだろうし。だから許可を貰いに来たんだ」

「他国もべスから幾度となく攻撃を受けているんですよね?なら今の状況
 なら協力関係を結ぶこともできるんじゃないでしょうか?と俺達は考えて
 います。もし上手く行けば、べスとの戦力差をかなり埋められるはずです」

「!」


ミズキとレイムが驚くと、しばらくの後考え込んだミズキは口を開く


「確かに、ですが……」

「これは俺達が話し合って勝手に決めた事です。ミズキ王子は俺
 達がしようとしていることを許可してくれさえすればいいんですよ」

「そうです。気づかいは不要です」


ギン、シズクが続けて弁解するとさらにミズキは考え込む


「……」

「皆さま、あれもこれも、任せてしまって良いのでしょうか」

「私達がやらせてほしい、とお願いしているのです」

「なら、任せてもいいのかい?」


遠慮がちに尋ねるミズキに対し、三人は力強く頷いた


「勿論!プロじゃないから欲しい情報が手に入るかはわからないけど、何
 もせずに時期を待つのは勿体ない気がするからね。頑張ってみるよ」



こうして、彩花たちはリレミア王都を離れ、他国へ向け出発した




「いいのかー?ルイスまで来ちゃって」


歩いていたのは彩花、ギン、シズク、そしてリレミア国にいた旅商人ルイスだった

旅商人っぽくあの大きな馬車のようなものを引いている


「いいじゃないですかー?将軍の許可ももらいましたし―移動も楽でしょ?」

「そりゃそうだけど・・・」


レプシス将軍にも全てを話し、了承の末3人は旅立とうとした

・・・所話を聞いていたルイスが共に行くと言いだしたのだ


「人数は多い方が楽しくありませんー?」

「なんというか・・・ルイスさんって彩花さんに似てますね。お気楽といいますか・・・」

「そうですかー?」

「ちょっとギン、私はそんなお気楽じゃないよ」



歩いていく予定だった所、ルイスの馬車によりその手間が省け楽になった

と言えば楽になったのだが。そして馬車に揺られアルデバラン王国の中心

都市にやってきた。リレミアより広い王国なだけあり、人の数も多い


「広いなー」


流石は中心都市と言うべきであろうか。その街並みは賑やかで、人の笑い

声や威勢のいい呼びこみの声が聞こえてくる。服装も国が違うからか僅か

な違いが見られ、流れる人々を一同は見つめていた


「で、城ってどこにあるの?この近くだと思うんだけど」

「お城はこの先の・・・ほら、あそこですよ」


ルイスの指さす先には確かに城と呼べる形の建物があった。目的地を確認

したその時だった。誰かの叫び声が聞こえ、突如その場は騒然となった


「か、海賊だ!!」

「海賊?」


立ち止まっている4人を何人もの人が通り過ぎる中4人は遠くに見える船を

見つけた。その中から鎧をつけていないのに武器を持った人たちが現れる


「どうやらあの船みたいですね」

「海賊!?」


再度叫ぶと彩花は血相を変え叫んだ


「えっは……え!?ちょ、ちょっとどうするのさ!?」

「彩花さん落ち着いてください」

「いやいやいや無理無理!どうするの?逃げるの?」


こうして叫んでいる間にも、次々と船から人影は街中に現れる



「ここまで来ては、追い払うしかありませんね」

「えっ海賊を!?」

「皆さん!」



ルイスの声に向き直るとそこには既に海賊が迫っていた。金目のも

のを寄越せと叫ぶと手を忍ばせ、あらゆる武器を取り出し向けて来た



「ルイスさん、どこかへ隠れていてください」

「えっえっと・・・・あ、はい!」


オロオロするルイスだったが返事をすると馬車を置いて建物の中へと逃げて行った


「彩花さんもルイスさんと一緒に……」

「もう遅いよぉぉおお!」


叫んだ次の瞬間、ネールの力で斧は弾き返された。男が驚くと、瞬時に

シズクの攻撃で男は声を発する間もなくその場に倒れ、彩花は魔法を解く


「こうなったらもうやるしかないよ!」

「ここは俺に任せてください!2人は船を制圧してください!」

「分かった!」


シズクは化身すると船に向かって飛んで行き、追いかけるように彩花も走る



「鳥!?」


船に近付くと海賊たちの悲鳴声が聞こえた。そして船の中に入ろうとす

ると上空から気配を感じ、ネールを唱えると飛んできた矢が弾かれた



「海賊が矢?海賊っぽくないなあ」

「人数はそう多くはありません。この中のどこかに頭がいるはず」

「こういう場所って船長がいるはずなんだけど、一体どこに」

「あの人じゃないですか?」


辺りを見渡すと高い段差のところにひと際周りと変わった服装の男を

見つける。シズクの声に振り返ると男は気づいたように剣を構えた


「こ、この……!」

「ここから去るならこれ以上は何もしないけど。どうする?」

「・・・ぐっ!!」







「彩花さーん!ギンさーん!シズクさーん!」


船が去った後ルイスが走ってきた。そして街の人たちにお礼を言われる


「さて、これで本来の目的に行けるってことか」

「ミズキ王子より預かったこの書状があれば疑われることもないでしょう
 し。アルデバランは友好が深い方なので突然襲われることもないかと」

「なら良いのですが。この緊迫した国情の中、どう転ぶかわかりません」


歩き続け、城の前にやってくると慣れた様子でルイスは書状を門番の兵士

に見せた。その鎧はリレミアのものでもべスのものでもなくおそらくここの兵

士なのだろう。話をすると兵士たちは顔を見合わせ答えた



「申し訳ないが……今他国に力を貸せる状態ではないのだ」

「やはりここも……?」

「あぁ。もうずっとべスとの戦闘が続いていてな。こっちも厳しい状況な
 んだ。同盟を結ぶ時間すらなく、王も今は別の場に避難しておられる」

「ということは、直接の面会は不可……ということですか」


そんな中、兵士の一人が告げる


「ここから東に進むとある、コローレ砦におられる。それを持っていけば
 面会くらいは出来るかもしれない。だが、あまり期待はできないと思う」

「そうですか」

「民を守っていただき、ありがとうございます。リレミア城の方」

「いえ、偶然だったので」


表面上はにこやかに告げるものの、彼女らの中には若干の焦りが

生まれつつあった。そんな中、考え込むと彩花は一同に告げる


「どうしよう……」

「この書状があればコローレ砦でお目通りかかることは出来るとは思
 いますが……この状況下、向こうもかなり警戒していると思います」

「うん。せめて、これを渡せたら……」



書状をしまうと、一同はコローレ砦へと目的地を変え目指し始めた

そんな中、別の場にいた鎧の男たちは、兵士より報告を受けていた


「既に手は打ってある。奴らがリレミアへ帰れる事はない」

「しかしトルフェリアム将軍、中には子供もいると聞く、一度、降伏の機を
 与えても良いのでは。密偵によれば、事情もよく知らず加勢しているとか」

「何を言う、我らを遮るものは全て殺せ」

「……」

「奴らを利用するんだ。あいつらの亡骸を王子にみせしめた時、奴らの顔
 が思い浮かぶわ。そして自らの愚かさを、その身をもって思い知るのだ」


男の表情は歪み、笑みを浮かべていた


「くっくく……」



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次回

迫りくる影に気づかぬままコローレ砦を目指す彩花たち。砦付近に近づいた

時、彩花たちの周りに突如賊が襲う。ここへ来ることを知っていたかのような

口調に彼女らは『国』を相手にするという事の意味に気づくのだった……


次回 第18章、「儚き真髄」

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