INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第16章、奪還作戦

村に落ち延びたミズキたちは再起を図る。ルイス自慢の道具や彩花の提案

を元に準備は整えられ、ミズキはリレミア城を取り戻すため村から出発する

のだった。そして、布陣を元に作戦は開始され戦いが始まるのだった・・・
_________________________________

「・・・・・・」


次々と発せられるのは兵士の叫び声とそれによってほかの兵士たちが

弓を射る音。それが繰り返される中息を呑むように少女はその場にいた



「・・・・・・」



ミズキを始めレプシス、ギン、シズク達は裏道から城内へ進軍していった

成功するかもわからない状況に冗談を言う余裕などなく、全身から汗が

流れ出るのを感じた。兜で見えないものの兵士たちもきっと同じだろう




「え!?」




それは数刻前の事、彩花の言葉を聞き真っ先にギンが声を発した



「それはなんでまた・・・」

「近くの駐屯地とか、べス兵は至る所に潜んでると思う。もしここが襲撃
 を受けたことが知れたら、間違いなくその兵たちはここへやってくる」

「それは間違いないが、それと弓兵部隊達と共に君が残ることに何の意味が?」





「弓兵部隊の配置の意味を覚えていますか?」

「もちろんだ。我々本隊が城内へ進軍する際背後からの追撃を防ぐた
 めと敷地一体に現れるであろう兵士たちを有利に迎え撃つため・・・」

「あくまで目的は城を取り戻すことなので戦力は本隊に集中しています」



それが戦いの基本なので相手も当然想定しているだろう。だがリレミアとべス

王国の違いは、圧倒的な戦力差・・・兵士の数。リレミアにできない戦法もべス

王国ならば簡単にやってのけてしまう。本隊が袋叩きにあえば意味がない



「数時間後に出てくるであろう増援を迎え撃つために、私と残した小隊の兵士
 達で食い止めようと思います。大人数には・・・私の魔法が生かされますから」

「それなら俺たちも残って・・・」

「言ったでしょ?目的は城を取り戻すことだって」

「それは・・・」

「そう簡単に死なないって。まあ、ダメだったときは・・・その時はその時だよね」





その頃、ミズキ達は行き先を幾度となく防ぐ兵達を倒し玉座の間に辿り着いていた


「城は返してもらう」

「ほう。ただの脳なしかと思ったがここまで辿り着くとは。優秀な兵でも
 雇ったか?こんな小さな国に協力するなど雇われた奴は哀れだな」


男の視線にはギンがいた


「ここまでこれた事は想定外だ。しかし・・・・お前らに勝ち目など無い!!」



男が叫んだ瞬間、鴉が現れ男の持っていた剣をへし折る。直後その隙を見

逃さずギンは動きだし攻撃を打ちこんだ。そして体勢が崩れたところに間髪

いれず身動きをとれないように力で抑え込んだ。その間数秒もなく


「ぐっ・・・・!?」

「残念ながらここまでだ!」


ギンが呟いた



「僕たちの・・・・勝利だ」

「・・・・・・」



男は一瞬歯ぎしりをするが、すぐにその表情は変わった



「殺さぬとは・・・・つくづく甘い王子だ。そんなのだから城を取られ仲間を
 失うのだ。あの『七人衆』がいればもう少しはまともだっただろうに・・・・」

「!」


その一言に2人は反応した


「貴様!!」

「おっと、そういえば1人生き残っていたな?・・・・勝ったつもりでいるだろ
 うが我々にはまだ何百もの兵がいる。貴様らのような少人数では勝てはしない」

「どうやらここに戦力を集中させたようだが・・・おかしいと思わなかったか?」

「なにがだ」



男はにやりと笑うと笑みを浮かべたまま告げた


「ここに来るまでに兵の数が少ないとは思わなかったのか?俺を倒せば
 全てが収まると思ったか?今頃外にいる兵たちは全滅しているだろう」

「!」

「べス兵は貴様ら弱小国と違って血の気が盛んな奴らが多くてな」



その瞬間、レプシスの額に汗が流れた。蒼白した表情でいるとそれ

を見た男は更に笑みを浮かべる。お前らの負けだ、と言わんばかりに


「さあ、最期に言い残したことがあれば聞いてやらんでもないぞ?」

「く・・・・・・」

「くっくっくく・・・・・・」



危険な賭けは百も承知していた。だが得も言えぬ悔しさに震えていると


「それはどうでしょう?」


その時、シズクは無表情のまま告げる。いつの間にか化身を解き人の姿に

戻っていた為突然現れたと感じた男は驚く。さらにその体には翼が生えてい

るため尚更驚くだろう。驚く一方少女は冷ややかな目をしたまま告げる


「なっ・・・・!?いつの間に!?」

「見てみるといいですよ。外を」



押さえていたギンの腕が緩まり男はふらつきながら外が見える壁へと向

かう。外を覗いたとき、それは男が想像していた光景とは違うものだった



「ぐっ・・・!」

「大丈夫ですかっ・・・!?下がってください!」

「まだ戦える・・・!」

「駄目です!杖使いの人、お願いします!!」



合わせてミズキたちも外へと向かうとすぐさま自軍の姿を見つける



「ディン!」







「な・・・な・・・」

「これがリレミアの力だ。・・・君たちの、負けだ」




そういいミズキが横を向くと頷いたレプシスは筒を掲げ引き金を引いた



「お、おいあれ!」



兵士の一人が声を上げると兵士たちもそろって空を見上げた。そこには丁度

城の真上位に煙のようなものが上がっている。それに兵士たちはざわつき


「あれは・・・!」

「ということは・・・我々が・・・勝ったのか・・・?」




怒涛の歓声が上がるまで、そう時間はかからなかった





「帰って・・・来たのですね」

「・・・そうですね」



レイムの言葉に共感するように穏やかなルイスの声が返ってきた

所々荒れてはいるものの見慣れた廊下、壁画、そして・・・玉座



「なんだか懐かしい感じがします。取り戻したんですよね」

「あんたらがそうってことは奴らにとっては・・・もっと感慨深いだろうな」

「・・・でしょうね」



ジュートの言葉を聞くとギンやセルリアは笑みを浮かべながら頷いた






「・・・・・・」






最低限の修復をすることになり、翌日からその作業が始まった。今後どうする

かは主にミズキやレプシス、レイムなど国の中心が話し合って決めるらしい

その間順番に休暇を与えられた者は故郷に戻ったり家族の元へ戻っていた




「王子様、約束通り文字を教えてください!」

「セルリア」



声が聞こえ振り返ると紙とペンを持ったセルリアの姿があった



「その、後・・・王国は平和になって、皆幸せになりました・・・」

「・・・勉学に励むことすら誰もができないなんて・・・」

「でも、神父様様が仰ってました。あの協会はそんな人達の為に先王様
 が立ててくれたものだって。だから今こうしてお話できるんですよ!」

「それは・・・」

「今は出来なくても、いつか皆が笑える世界になりますよね?」

「・・・そうだね。その為にも、頑張るよ」



そう告げた直後、少女はにこやかに笑って言う



「はい!私もできることがあればお手伝いしますから!」



軍議が終わり、廊下を歩いていたミズキにある姿が目に入った。それは

廊下に近い庭の中、セルリアがシズクと何かを話しているようだがシズク

の表情が困ったようなものだったからだ。ふと気になると近づいていく



「私にそんなことを聞かれても・・・」

「どうしたんだい?」



声をかけると二人は振り返り、セルリアが口を開く



「あ、王子様。シズクさん、私達より長い時間を生きてるって言うのでお話を聞
 きたいなーと思ったんです。でも「話すことはない」って話してくれなくて・・・」

「・・・私は貴方のような子供に話せる話などないのです」



少し頬を膨らませたセルリアの一方シズクは完全に困っている様子だ



「何を話せばいいのかわからず・・・思い浮かぶのは残酷な話ばかりですので」

「えー・・・ずっとそうだったの?」

「・・・ええ。思い浮かぶものはほとんど焼けた野原や崩れた村の数々。
 友人などもおらず、家族もいないので心温まる話はできないのです」

「・・・けれど、今、ここで見る限りはそれだけとは思えませんが・・・」



ミズキがふと声を発するとシズクは疑問符を浮かべた



「少なくとも、ここでお見掛けするときは悲しいことしかないようには・・・」

「・・・確かに、ここではクーヘンさんと料理に挑戦したり、セルリアと一緒
 に文字の勉強をしたり、本を読んだりと初めての経験を多くしましたが・・・」

「それに、彩花さんやギンさんといるときもなんだか楽しそうです」

「・・・確かに、あの二人は見ていて飽きません」

「そういう話でいいんじゃないかな」

「え?」

「これは僕の話なんだけど、そういった何気ない話が楽しかったりするんだよね」



ミズキに続いてセルリアが「そうですよ」と告げるとシズクは目を丸くしていた



「私はずっと村にいましたから、初めてここて来た時は感動そのものでした。
 村じゃ考えられない人の数や、途切れることなく商人たちが行き来する姿・・・」

「・・・・・・」

「神父様のお話を聞きに来るのは私のような身寄りのない子供だけでなく大人の
 方々も来るんですよ。時々皆で買い物に行ったり、見るだけでも楽しいんですよ」

「あまり騒がしいのは好きじゃない。静かな方が好きです。・・・でも、おい
 しいものを食べて笑みを浮かべる人を見ると、温かな気持ちになります」

「!」

「時々、そんな人をみるとあれはどんな味なんだろう・・・と思う事があります」




その瞬間、ふとミズキとセルリアの表情が明るくなった気がした



「もっと聞かせてください。シズクさんの話」

「こんな話でよいのですか?」

「何気ない話だって楽しいですよ。私も特別な話なんてできませんから」








「・・・・・・」





木々が左右に立ち並びながらも静けさ漂う中、少女は目を閉じて集中して

いた。その手には鉄でできた弓が握られており、弦を引くと狙いを定めていく



「・・・・・・!」

「・・・ほう」



手が離された瞬間、的に刺さった矢を見てレプシスとギンは揃って声を上げた



「中心に近い!すごいですね!」

「剣だけでなく弓も扱えるとは驚いた」

「えへへ、弓は少しだけ扱ったことがあるんです」



弓を下ろすと驚きの声を発する2人に向かってそう告げた



「そういえば、城下町に行っては子供たちに遊びを教えているらしいな?」

「あぁ・・・。セルリアと一緒に教会に行ったら仲良くなって・・・ここには
 遊具とかないから、簡単にできる手遊びとか。ほら、こうやって・・・」



そういい懐から結ばれたひもを取り出すと少女は指に引っ掛け絡め始めた

興味深そうに見ていると数分後、そこには複雑な模様なものが現れていた



「はい、架け橋」

「これはまた奇妙な遊びだな」

「私の国では有名なあやとりというものです。紐と手を使って色んなものが
 作れるんです。私は簡単なものしかできませんが・・・こういうのもあって」

「なるほど。これを子供たちに見せているのか」



物資もなかなか充実していないこの世界、これなら割と簡単に用意でき

るからと少女は告げる。他にも数個の模様を披露するとギンは告げた



「他にも地に円を書いて飛んだり・・・本当に沢山の遊びを知ってるんですよ」

「私は代々国に仕える家系の出だからそういう遊びは全く知らないのだ。国
 の為、王の為と武具の扱いを教わるばかりで、それを後悔や恨んだりし
 たことはないが、だからか民たちの話についていけないことも多くてな」

「・・・なら、今度レプシスさんも共に城下町へ行きませんか?」



何かを思いついたギンの言葉にレプシスは反応した


「王都に?」

「見回り・・・という名目で行けば兵士たちには怪しまれませんし、民の生活を知
 ることも国のためになるんじゃないかと。少しくらい、わかるかもしれませんよ」

「だが、今は城の修復に警護、気を抜く場合では・・・」

「数刻・・・ほんのちょっとでいいんです。城下町に行きましょ!」




「・・・わかった」

「本当ですか?」

「町の視察も重要なことだ。そのついでなら・・・」



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次回

絶対的不利な状況の中で城を取り戻したリレミア軍。勝利に浸るのもつかの

間の事、このままでは駄目だと判断したミズキたちは次の計画を立てていた。

そして、彩花達もいずれ起きるであろう時の為、ある行動に出る……


次回 第17章、「旅出」


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