INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第15章、騎士の志

ミズキたちはリレミア王都から離れ王宮騎士団の一員クーヘンの故郷

だという辺境村に身を寄せていた。そこで再起を図る中駐屯地を襲撃

捕虜を救出し、さらに村に押し寄せたべス兵達を退けるのだった
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この村へ逃げ延びてから二カ月余り、負傷者の多くが動けるようになった

今、ミズキたちはこの村を出ていくことに決めていた。その理由に以前起

きた村での出来事が関係していた。机を囲みながらミズキは告げる



「あの場に姿を見せたことによりべス王国は周辺にリレミア王国の者
 がいるだろうと探し回っているはずだ。見つかるのは時間の問題・・・」

「ここまでやりすごせたのが幸いとも呼べます。私も同じ意見でございます」




そんな会話を聞いていたこの村の村長はもう少し留めることを進めるが

これ以上この村を危険に晒すわけにはいかない、というミズキの言葉に

言葉を失い、数秒間の沈黙の後静かに感謝の言葉を告げた




「お心遣い、感謝致します・・・」

「礼を言うのはこちらのほうです。この村の人たちが受け入れてくれなけれ
 ばどうなっていたことか・・・想像もつかないよ。だから、ありがとう」



そして、満を期したと判断した一同はリレミア城奪還の為の軍議を開いた



「これからリレミア城奪還会議を始める」


その場にいたのはミズキ、レイムさん、レプシス将軍、ルイス、彩花、ギ

ン、シズクの7人。話はレイムさんとレプシス将軍を中心に進められた



「ここへ来たばかりの頃、リレミア城は取り戻せると申されましたが・・・
 兵が動けるようになったとはいえまだまだべス兵には天と地の差です」

「何か策でもあるのだろうか?」



レイムに続けレプシスの言葉を聞くと視線は少女に集められた



「・・・今日までの間、どうやってあの城を取り戻すか考えていました。
 まず、城の奪還は弓兵をここの丘に配置し、状況を有利に持ち込みます」

「なるほど・・・」

「弓兵部隊で戦力を減らしつつ・・・本隊が城外から城内へ順に制圧していきます」




少女の言葉に対しレプシスたちは考えるように視線を下げていた



「増援も配慮してこちらも全隊を率いるんじゃなくて一部は近くに待機させておき
 ます。本体と合流したり、増援を倒したりと臨機応変の対処が必要になります。
 主に本隊は傾斜的にも有利な裏側から攻め入り、裏門から制圧に向かいます」

「伝達では時間のロスが痛いので迅速化も図り合図はこれで行ってくださいー」

「これは?」

「他国から取り寄せた自慢の品、打ち上げ式煙玉ですー。色も何種類かあるので
 色によって合図の意味を決めて頂き、運用すれば多くの無駄が省けますー!」

「それは随分便利なものだね」

「えぇ。実際仕入れ先の土地では獣の討伐の際小隊同士これで『遭遇した』や
 『離脱せよ』などの連絡に使うそうなんです。上に向けここの引き金を引くだ
 けなので誰でも簡単に扱えますし。ささ、彩花さん!続きをお願いしますー」



自信ありげなルイスの説明の後、促されると彩花は頷いた


「実行する前に戦力の変化やその他もろもろ、もう一度リレミア城付近を確認し
 ておきたいんだけど・・・それによってこっちの編成とか変える必要があるし」

「私が偵察に行きましょう」

「いや、さすがに同じような鴉がまた城に来るのは怪しまれるんじゃないか?」



今度は自分が偵察に行く、とギンは告げた



「確かにシーフだしそういうの得意とは聞いてたけど・・・大丈夫なの?」

「問題ありませんよ!任せてください!」





「ならこういうのはどうだろう?二人に行って貰うというのは」

「え?」

「確かにシズク殿の能力は素晴らしい、帰還率も高く安全策と呼べる。だが我々
 は地に足をつけ臨む。なら人としての目線の情報もあって無駄ではないはずだ」

「それは・・・確かに」

「私も異論はありません」

「・・・じゃあ、2人に頼むよ。でも、くれぐれも気を付けて」

「「はい」」


更に詳しい策の内容、経緯や段取りなど各員の意見を出しながらまとめて

いくと形は出来上がった。そして2人が偵察から戻って数日後、その時は確

実に近づいていた。そんな中ミズキとレイムには消しきれない不安があった



「レプシス。本気なのか?」

「何か気になる点でも?」

「圧倒的にこっちの数が少なすぎる。戦力差を考えても圧倒的に・・・」

「レプシス殿、恐れながら私めも同じ気持ちでございます。皆様の力を疑
 っているわけではないのですが、それでもリスクが大きいのでは・・・」




失う兵は決して少ない数ではない。と二人はいいたいのだろう




「・・・王子、奪うということは、決して綺麗事では成し得ないのです」

「!」

「守ってきたこれまでとは違い、今度は我々が打って出なくてはならない
 のです。この手を汚してでも、取り戻さなければならないものなのです」

「レプシス、それは・・・そうだけど」



振り返り、小窓から外を眺めるとレプシスは告げた



「それに今回の行動・・・私は決して負けるつもりはありません」

「なんと・・・」

「外の者があれだけ奮起になっているというのに、我々が怖気づいていら
 れるとでも?こう言うのも何ですが・・・そんなので騎士などただの恥です」





「騎士とは常に在るべき国の為、王の為気高くあるものです。それに私
 自身悪くない案だと感じました。兵の犠牲も最小限に抑えられた・・・」

「・・・そこまで言うのなら、僕は戦おう。在るべき所の為に」



そして、ついにその日がやってきた。緊迫した空気が流れ兵士たちが規則

正しく並ぶ中、正面に立っていたミズキやレプシスの元に兵がやってきた



「弓兵配置完了しました」

「第1、第2部隊準備完了です」

「同じく第3部隊出撃準備整いました」


あの時のように準備完了の報告が入る。次々入る報告を聞き終えると



「王宮騎士団準備が整っております」




そして村の人々がその様子を見に来ていた。それぞれには不安げな

表情が映っているがそれは村に対する不安か、国に対する不安か

はたまたミズキたちに対する心配なのか、真意は誰にも掴めなかった



ミズキが一歩外に出ると全兵に向かって叫ぶ


「僕の力不足によりこのような事態になってしまった。しかしな
 んとしても取り戻さなければならない。皆、力を貸してほしい」

「・・・・・・」

「とはいえ自分たちの命も大切にして欲しい。危険を感じたらすぐに退くように」



レプシス将軍の合図により兵士たちはそれぞれの場所へと移動を始め

次々と兵達が村の門をくぐる中ミズキの元へレイムが駆け寄っていく


「レイムはここにいた方がいいのでは・・・」

「何を言いますか!私とてリレミア王国の一員!どこまでも付いていきます!」

「レイムさんは戦えるのですか?」

「・・・いえ」


「王子」


ミズキを呼んだのは村長さんだった。その中にはクーヘンさんのおじいさんもいた


「どうか、ご武運を」

「・・・ありがとうございます。皆さんにも神のご加護がありますように」



村の人から温かい声援を受けミズキ達もまた村から離れた。数時間後、

城の近くへ辿り着き、再び各兵士たちから準備完了の報告を受ける



「兵士の数およそ500です。将は玉座にいるかと」

「・・・・・・やはり数ではこちらのが圧倒的不利・・・」

「援軍が来る可能性もあります。不利なのは変わりないでしょう」

「ここまできてなんだけど・・・本当に大丈夫なのか?」


作戦を聞いただけではこの状況的に誰しもが不安を感じていた。不安

どころか勝てる気がしなかった。むしろ普通に考えたらこの状況で攻め

込むのは全滅するだろう。兵士もそれを感じてはいたがミズキの命だけ

あって反論は出来なかった。だが不安な空気は全体へと広まってゆく



「どうやっても勝てないよなあ・・・・」


兵士たちもそんなことを口々に呟く。そんな言葉を聞いてシズク達は

何も言わず、緊迫し張り詰めた空気が流れる中シズクは口を開いた


「私もこういう軍の事には無知ですが、この状況が異常な事は分かって
 います。ですが、無謀しかなく立てられたものではない・・・ですよね?」

「・・・・・・」

「まるで成功させる、と、そんな感じでした。だから私は信じます」

「君のその忠誠心尊敬するよ。出会ってまだ日も浅いのに一体何が君を
 そこまでさせるのか。彼女がそれだけのものを持っているというのか・・・」

「分かりません。ですがあの人からは、特別な何かを感じます」


そんな会話にミズキも入る


「あの時彩花様は決行するかしないか選択肢を設けた。そして作戦を
 話す前に一般的にはあり得ない、信じられない提案だと仰った。だ
 けど僕も彼女には何かを感じる。信じてみる価値はあると思うんだ」

「王子・・・・」

「行こう。城を・・・僕たちの場所を取り戻すんだ」


息を吸い込むとミズキは告げる



「全軍、進撃開始!」






「報告!北よりリレミア軍の姿を確認!」

「・・・・馬鹿なのか?それともヤケでも起こしたか?」


その報告にべス兵たちは呆気にとられた


「兵の数は?」

「およそ・・・1万です」

「・・・・何を考えている?我が軍の兵は2万は超えるぞ?死にに来たのか?
 流石は争いを知らぬぬるま王子・・・その行動を後悔させてやろう・・・・・・」


男は笑う


「今度こそ逃がすな。王子の首を取るのだ」



「正面にべス兵を確認しました。間もなく接触します」


シズクの言葉でそれぞれが戦闘態勢に入る。するとその姿を現す


「来るぞ!!」


武器を構えるとそれぞれはべス兵に向かっていく。その中でもギンは軽や

かな身のこなしで次々と敵兵を倒していく。とはいえその命は奪わず短剣

の柄で気絶させているのだシズクもまた殺すことはなく武器を破壊すること

によって戦力を削いでいた。その姿を見てレプシスは問いかけた


「なぜ殺さない?」


レプシスが2人に尋ねる。そんな会話の中も敵は攻撃してくる。それ

を相手にしながら会話は続き、帰ってきた言葉は信じられぬものだった


「彩花さんは人が死ぬのを見なれていないんです。そして彩花さん自身人は
 殺したくないと。方針と言いますか。まあ今回に限っては禁止、というわけ
 ではないんですけどやっぱり殺してしまうと彩花さんが悲しむので・・・」

「・・・呆れたものだな。よっぽど平和な頭をしているようだ」

「でしょうね。初めて聞いた時は俺らも不可能だと言ったのですが。俺達はむ
 しろ人を殺して生きてきたので。そうしなければ、生きられなかった・・・」


矢をはじき返すと会話は続く


「ですが、あの人に助けられて初めて命が尊いものだと教えられたんです。あれ
 から命に関する考えが変わりました。少し理解し難いところもありますが・・・」



べス兵の1人の攻撃を避け懐を殴ると



「あぁでも、将軍達まで従う必要はありませんよ。あの人もそれが不可能だ
 って事くらいは知っていますし。あくまでこうしているのは俺達の勝手です」

「・・・そうか」



次々と敵兵を倒していくがその数は減ったように見えてまた増える

最初から予測されたことだ。次第に兵士たちの戦力が消耗して行く中

王宮騎士団と2人は未だ衰えることなく戦い続けていた


「前も言ったが大した実力だ」

「戦いには慣れてますので」

「2人とも、お話する余裕があるなら戦力を減らすべきです」


2人の元へシズクがやってきた。とはいえ今は人よりも大きな鴉の姿をし

た彼女の武器はくちばしでありその力は剣や槍など金属を簡単に折って

しまうほどの力を持つ。だが味方となればこれほど頼もしいものはない


「う・・・・ごめん」

「すぐ増援が来ますよ」



(彼女は・・・・冷酷というか表情が読めないな)


作戦通り後方からの援助により戦線は順調に進みミズキ達は進む



「作戦通りですね」


圧倒的差の兵数は丘で待機していた第一弓兵小隊により減っていった

そしてミズキ達が目指すのは玉座だ。手っ取り早くそこへ向かうには自分

たちが逃げるのに使ったあの裏道を通って行くのが一番早い



「では、我々も作戦に移りましょうか」



レプシスはミズキに合図すると勢いをつけ裏道へと駆けだす。そして先

程までミズキ達のいた場には第1部隊と第2部隊が茂みから現れる



「第2作戦へと移行しました。第3部隊配置へ!」



報告を受け第3部隊はミズキ達が裏道から入った後裏道の入口へ待機する

外から入ってくるべス兵によってミズキ達が挟み撃ちに合うのを防ぐ為だ。逃

げる際裏道の存在はべス兵にばれてしまっただろう。城側から裏道に兵を配

置している可能性も十分にある。その場合戦いは避けられないだろう




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次回

ミズキ達が城内へ侵入していく中、彩花は他の小隊たちと共に待機していた

一方べス兵達を打ち破り進むミズキたちはついに玉座へとたどり着く。大軍国

べスに対し、小国リレミア兵達は祖国を取り戻すための戦いに挑む・・・!


次回 第16章、「奪還作戦」


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