INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第12章、見えない意図

会議に呼ばれた彩花達は旅商人であるルイスを交え対策を立てる。当日・・・

彩花が目覚めた時には事態は思わしくなく、大半の兵を失っていた。奥にいた

ミズキと共に戦いを見守る中、レプシス率いる王宮騎士団が奮闘していた
___________________________________


それは主に王宮騎士団の奮闘によるものだった。それにより下がり気味だ

った士気が全体的に上がり微かにではあるが戦況は変わっていた。そんな

中兵たちの報告を頼りに彩花たちは地下を通って野外に出ていた



「正門や裏門は兵達が食い止めてる。けど人が通らない小道がいくつか存
 在します。そこからも兵が押し寄せている報告があり食い止めてほしいと」

「私達の目的はあくまで通路の封鎖。間を作ったら道を塞ごう」




次第に人影が現れべス兵が現れる。がメインでは無い為人数はそう多くない




「道を塞ぐ、どうやって?」

「魔法で木でも倒せないかな。大きなやつなら運ぶのは並大抵じゃできないし
 足止めになるんじゃ?少なくともこの戦いの間くらいは足止めになるんじゃ?」

「なるほど。それはいい考えですね。けど・・・」

「その前に、この人たちをなんとかしないとね」



戦闘が始まってしばらく経ち、準備完了の合図を受けると一同は下がった

最後の一人が下がると準備を終えていた兵たちが一気に繋がれた縄を

引っ張った。ミシミシとしなる音が鳴ると何本もの木々が倒れ通路を塞いだ



「よし、成功だ!」

「皆さん、城内に戻ってください!」

「「了解!」」



城内に戻り、彩花たちは事の成功をミズキたちに告げた。侵攻の道筋が

減ったことによりひとまず状況は平行線になるとミズキたちは息を吐いた



「これで侵攻してくるのは正面の正門のみ。裏門やほかの道は全て見張り
 の元錠をかけております。正面さえ防衛しきれればこの戦いは勝ちです」

「うん」

「王宮騎士団率いる兵たちの指揮は衰えず、互角といった感じです」




「あれだけの数の兵を・・・王宮騎士団が・・・」

「すごいですね」

「あぁ。ただの集まりと思っていたのに、これほどだったなんて・・・」

「・・・・・・」



確かにあの人は強いかもしれない、というか間違いなく強いだろう。だけど

いくらなんでもこの絶望的だった状況がいとも簡単に変わるとは思えない

過去の経験と、状況の変化から『逆転』の難しさを苦く感じたからだろう




(そんなに、簡単に変わるものなのかな)




勘だけは鋭いというか、この展開が自然な流れとは思えなかった。その疑いは

定刻ごとに伝えられる良い方向に向かっている報告ごとに強くなっていった




「報告致します!我が軍が押しており、優勢を取っています!」

「本当か?」

「はい」

「圧倒的兵力の差だったというのに・・・これが我が軍の力です王子!リ
 レミアの信念は兵力などに恐れを成す程繊細なものではありません!」

「あ、あぁ!そうだね!」




「このままならいけるかも・・・!」




報告を元に一同に笑みが戻ってくる。そんなとき、釘を刺すような声が



「ですが、なにか都合よく変わりすぎだとは思いませんか?」

「シズク?」


シズクは変わらぬ表情のまま

「リレミアとべスでは天と地の兵力差、普通なら圧倒的に負けています。多少
 の傾きはあるかと思いますが、ここまで状況が有利になるとは思えません」



こっちは増援がいるわけでもなく兵力は変わらない。むしろ消耗していくばかり

シズクは何かおかしいと思っていたようで疑うように告げた。その言葉に誰もが

同意の意思を感じるが、報告がある以上嘘の情報だとも信じがたい



「報告が偽の物であると?」

「いえ・・・。ですが、上手く行き過ぎだと・・・」





「・・・ねえ。ちょっと様子を・・・見に行かない?」

「え?」

「私も変な感じがする。上手く説明できないけど・・・シズクの言う通り簡
 単に状況が変わり過ぎだと思う。そりゃ、有利になるのはいいことなん
 だけど・・・なんだろう。スムーズ過ぎて気持ち悪いっていうか・・・」

「・・・私も同行します」

「うん。ミズキ、ギン、少し行ってくるね」




再び伝達兵がやってくる。その報告はやはり状況的有利になっているとの

こと。それからしばらくが経ち、扉が開く音がし彩花たちの姿が戻ってきた




「どうでした?」

「うん」







「どう思う?」

「確かに、ここから見ていても敵兵の数が減っているように見えます」


場所が遠いため兵は鎧の色で見分けているものの今はリレミア兵の方が多

いように見える。人と人が交わりあい、倒れてはまた次の人が。怒涛の入

れ替わりにここで見始めてから、だんだんとべス兵の数が減っていく



「なんか・・・おかしくない?」

「・・・というのは?」

「確かに減ってる。けど倒れてって言うには一気に減りすぎな気が」


ここから攻撃すればさらに数を減らせるわけだが、それは止められている

理由は見慣れない姿の私たちを発見されると、王子のいる場所がバレて

しまうから。手助けしたい気持ちを抑えながら少女は疑うように告げた



「なんか・・・・意図的に減ってる気がするんだよねぇ」

「・・・・・・・・」


シズクは再び戦況に目を向けた。すると偶然目にとまった兵士が、建物

の陰に隠れていく。感じていた違和感というのはこのことかと思いながら



「今・・・数人の敵兵が下がりましたね」

「・・・やっぱり?」

「負傷はあるものの、戦線離脱するほどのようには見えません。他の者も
 気をかけることなく・・・ということはやはり意図的に下がっている・・・?」





「多分これ・・・相手の作戦じゃないかな」

「・・・作戦?」



彩花の言葉にミズキとレイムは目を丸くし、言葉に耳を傾けた



「多分これ戦況が変わっているっていうより相手の策にハマってるんじゃないかな」

「と、いいますと?」

「見たところ、べス兵が少しずつ意図的に下がってるんだよね」

「意図的に・・・?それに何の意味が・・・?」



明らかに向こうの方が戦力的にも人員的にも有利で、それは向こうも知って

いるはずだ。本来ならこんなことをしなくても圧倒的戦力差で勝てるだろう



「わからない。けど有利と油断させたところを叩くつもりなのかも」

「な、そんな・・・!?」

「で、では今すぐ皆の者にこのことを・・・」



そう言いかけた時、少女はレイムを止めた



「待ってくださいレイムさん。実は、もう一つ予想してることがあるんです」

「え?」

「例えそれが作戦だとしても、戦争にそんな単純な罠じゃ簡単に対策されると
 思うんです。現に私達は気づいたわけですし、これはさらに予想ですけど・・・」

「・・・・・・」



「相手の罠がこれ一つだけじゃないと思うんです」

「な・・・?」

『なにか、大きな何かをするための第一段階としてこの作戦をしてるんだと思います』

「大きな作戦・・・ですか?」

「勝つためにこの戦いをしているのは分かる。だけどもしもの時逃げられるように
 ・・・逃げるっていう選択肢も考えて、一応逃げ道は確保しといたほうがいいかも」

「!」


城を捨てて逃げるという事はどういうことか。迫りくる軍勢の中背を向けると

言うのはどういうことか。一般人である彩花の感じる重みとミズキの感じる重

みは遥かに違っていた。だけど、少女の言葉を全否定することはできなかった




外から金属音や叫び声が聞こえる。混沌とした、濁った音が鳴り響く



(だとすると・・・何をしようとしているんだろう)



戦術知識を持っていない彩花が思い浮かぶものは娯楽的な物に例えるとテン

プレートな物ばかりだった。一歩その世界に踏み込めばよくある展開のもの



(これはゲームじゃない。けど・・・)


もしこれがゲームの場合。どんな展開になるか。1『正義の味方が現れる』

いや・・・既に全ての戦力を使ってるからそれはない。展開としては王宮騎

士団とかあり得るけど戦っている時点であり得ない


2『第3の戦力が現れる』


(そうじゃない。この圧倒的な差の中でさらに戦略を立てて相手国を落とす方法)


もし立場が逆だとしたら、どんな作戦を立てる?次々自意識的に下がっていく

兵士。敵の将が下がらないところを見ると撤退するのが目的ではないだろう




(不意を突く・・・・)




その場合、どこからか死角がミズキを狙う。だけどミズキは城の中。しかも一番

奥の王の間に。だとすると攻撃は不可。攻撃の当たる場所におびき出さないと


わざと勝利させて外に出てきたところを狙うつもりか?だったら最

初から少人数でここにこればいい。わざわざそこまでする必要は・・・





その時だった。報告に兵士が来る。だがその行動は慌ただしいものだった



「王子!!べス兵部隊が城内に侵入しました!!」

「なんだって!?」


防御を徹底したはずの城内に敵が侵入した。その報告にミズキの叫び声に

続くように部屋にいた誰もが驚きの表情を浮かべる。レイムさんも言葉を荒げ



「なぜだ!?一体どこから・・・」

「報告によりますと西門が開いていたとか・・・」

「どういうことだ?ちゃんと閉めたことを確認したはず・・・・」

「とにかく、戦闘準備を・・・」




ミズキは部屋にいる兵士たちに伝える。だけどこの状況は最悪だった



「無理です!次々と兵は侵入し・・・・この数では太刀打ちできません!」

「なんと・・・・」





事態は最悪で絶体絶命だった。勝てる可能性のない状況ほど絶望

的なものがあるだろうか。沈黙が流れる中レイムさんが口を開いた



「・・・・王子。逃げましょう」

「なっ・・・!?城を捨てろというのか!?」

「今は王子の命の方が重要です!全兵に城を捨て離脱するように命令を」




あまりの言葉に聞き間違いかと唖然としている兵士達にもう一度告げる



「早く!急がなければ全てが終わるぞ!!」

「は・・・はっ!」



返事をすると兵士たちは部屋から出て行く。間髪入れずにレイムさんは叫んだ



「王子、早く!!」

「くっ・・・・・」


それはつまり、逃げるという事、負けたという事を意味する



「で、できない・・・!逃げるなんて・・・」

「王子!?」

「父上から受け継ぎ、守ってきたここを手放すなんて、僕には・・・!」




ミズキはなかなか動こうとしない。力がこもるとさらに言葉は続いた




「食い止めよう!ここを守らなければ意味がない!」

「冷静になって考えてくだされ!確かにこの城は国の象徴そのもの。ですがそ
 れ以上に国民の象徴たるは貴方なのです!そのことを忘れないでください!」




「・・・・ミズキさん!逃げましょう!」

「!」



言い争っている中叫んだのギンだった。その声に二人は言葉を止める



「このままでは全滅してしまいます。ここは一旦体制を立て直して・・・」

「そんな・・・!王子が逃げたら国はどうなる・・・!」

「王子・・・私もとても屈辱的です。ですが今は・・・今は耐えてください」

「・・・・・」



歯を食いしばると悔しさが身体全体から感じ取れた。同じようにレイムも悔

しさをかみしめていた時、扉が勢いよく乱暴に開けられると叫び声が聞こえた


「いたぞ!!」


「!」


ミズキ達の視線の先には、べス兵の姿があった


「王子!!早く!」

「ミズキ!」

「・・・・・っ」


レイムと彩花の叫び声にミズキは王座の裏にあった通路に飛び込んだ。それに

続くようにギンやシズク、ルイスが続くと一同は一直線に走り抜け城の外を目指

す。後方からは姿を見つけた兵士たちがミズキの姿を追いかける



「くっ・・・彩花さん、俺達で食い止めます!」

「ギン!?」



走っていた途中後方から迫る姿を見ていたギンは振り返り立ち止まった。そ

の姿に彩花は驚いたように振り返るとミズキたちもつられ止まりそうになるが



「ミズキさんは走って!」

「!」

「・・・王子、行きましょう!」



レイムや兵士達の声にミズキは何度か三人の姿を見ながらも正面を向き駆

け抜けた。それを追いかけようとする兵士たちは遮るギンの前に立ち止まった




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次回

生き延びることを選んだミズキは臣下達と共に城外へと駆け出した。同じく

彩花たちもべス兵の壁をこじ開けながら進むと戦闘していたレプシスに遭遇

する。この敗北は、リレミア軍に大きな打撃と絶望を与えるのだった・・・


次回 第13章、「荒波の心情」

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