INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第11章、旅商人ルイス

城下町を見に行っていた彩花は協会で少女と出会う。しかし彼女と共に向かっ

た村で賊に襲われる。悲劇の中少女は戦うことを決め族の中に飛び出した。シ

ズクを始めミズキたちの強力もあり賊を制圧することに成功するのだった
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「こういうのもなんだが、一国の頂点と関わっているのだぞ。邪な欲望がないなど」

「普通なら考えられません。ですが、彼女はそうなんですよ」



過去に彼女が話した言葉を思い出すように、ギンは告げる



「言うなら、あの人が求めているのはお金とか地位とか、そんなものじゃないん
 ですよ。前に言ってました。王族とは、自分とは縁がなさ過ぎて実感がないと」

「・・・・・・」




「思えばあの時も変な話でしたね」

「というと?」

「俺は故郷の国で、ある研究者に利用され人体実験されてたんです。俺はその
 前段階の貴重な成功例だったんですが後に最新の成功例が現れると俺は処
 分されそうになりました。そんな中俺は施設を抜け出して逃げていたんです」

「なんだって?人体実験?」

「レプシスさんもご存知の通り当時故郷でも戦争が起きてて、その兵器として。
 人間だったけどその影響でどちらからも忌み嫌われる存在になってしまった」



実験は秘密厳守であり他国に気づかれまいと失敗作や古びた実験台は

例外なく処分されていた。当然逃げ出した俺を奴らはどこまでも追いかけた



「村で食料を手に入れる事も出来ず、死を覚悟していました。そんなときあの
 人が現れたんです。外の国からきたあの人は倒れた俺を助けようとしました」



現れた研究者を追い返し、襲った化け物を退けた



「そんなことがあったのか」

「当時の俺にはあの人の意図が理解できませんでした。今でも分かりかね
 る所はありますが。あの時の彼女に見返りや深い意味はなかったそうです」





扉を開けると、四角い机が広々とした部屋の中央に設置されていた。それ

を囲むように椅子が並べられ、そこにはすでにレイムさんの姿ももあった

彩花とシズクが椅子に腰掛け、ギンもまた座ると周りを見渡して告げた



「・・・これで全員ですか?」

「そうですよ」

「・・・会議って言うからもっと沢山の人がいるのかと・・・」




現に前の大陸でやった会議にはこれの何倍もの人が集まっていた。とはいって

も規模が違うので比べるのもおかしい気もするがそれが初めてであり基準だった



「いつも会議は基本的に僕とレイム、レプシスでやっているんです」

「さて、これから2日後の攻防戦について会議を始める」


と本題に入る前に、とミズキは



「確か初対面だよね?噂にもなっているから名だけは知っているかもしれない
 けど彼女らが右からギンさん、シズクさん、彩花様だよ。3人にも紹介して
 おきます。彼女は数か月前から僕たちに協力してくれている旅商人のルイス」

「なんで私は様なのに2人はさんなのさ・・・」

小声で言った彩花に対しギンは答えた

「あぁ、前にミズキさんとお話したときになんか自分たちが『様』ってつ
 けられるのは変な感じがしたのでお話して変えてもらったんですよ」

「なんで2人だけ・・・」


「初にお目にかかりますー!私旅商人をしていますルイスと申します。
数か月前からこのリレミア王国に微力ながら加勢させてもらってます」

「微力だなんてとんでもない。僕たちはとても助かっているよ」

「いえいえそんな」

「しかしルイスさん、女の人が旅商人なんて珍しいですね」

「そうですか?」

「俺が知らないだけでしょうか・・・」




「御三方の話はミズキ王子から聞いています。3人とも出身国が違うようで」

「3人を見ているととても仲がいいように見えるけど、知り合ったのもつい最近だとか」

「仲がいいなんてそんな」


嬉しそうにギンは呟いた。それに対してミズキは笑っていた


「テリウス大陸は、聞いたことありますよー」

「やっぱり・・・?」

「そうとう大きな戦争だったらしいですねー。無事終戦してよかったですー」




「彩花さんが使うフロルの・・・なんでしたっけ」

「フロルの風?」

「そうそう。フロルってあれですよね。ハイラルの神のものですよね」

「!!」


その言葉に対し、彩花達は驚いた



「ルイスさん・・・この力について知っているんですか!?」

「旅商人ですから割と色んな国にはいきますよー。特にハイラルは大きな王国で
 すし多くの逸話や伝説があり有名ですから。とはいっても話で聞いただけですが」



こうして会議が終わると時は流れ、深夜・・・・・・・



「裏門、正門、共に施錠完了です!」

「第一、二、三小隊準備が整いました」

「弓兵部隊、準備完了です」

「分かった」


次々とミズキに報告が入る中、レプシス将軍がやってきた


「王子。王宮騎士団、全員準備完了です」

「分かった」



やりとりが次々と行われる中、そこにはギンの姿もあり、シズクがやって

くる。現在は宣告の日になってから約二時間、つまりは深夜なのである


「彩花さんは?」

「・・・寝てますね」



日程は指定されたが時刻は不特定。いつ攻め込まれるか分からない

昼よりも状況が確認できない深夜に攻撃が開始するのも珍しくはない


「まあ、仕方ないといえば仕方ないんですけど・・・」

「突然攻撃を受けたらどうするんでしょう・・・」


警戒しながら仮眠をとる、などという生活とは無縁なので当然彩花に彼

らのような行動は難しい。彼女の常識では、夜は寝るものなのだから


「ギンさん、シズクさん、・・・彩花様は?」

「ほらあ・・・・」


これまでも小規模の戦争をしてきたミズキ達も夜は交代制で見張りをつけ、

それでも安心して寝るなどあまりできない生活をしていたため手慣れている


「彩花さんは・・・・こういう生活に慣れていないもので・・・寝てます」

「寝てる・・・?この状況で?」

「昨日の10時には寝てました」


とシズクも受け答える。さすがのミズキもこの状況で爆睡となると


「・・・・・・」

「俺達と彩花さんの普通というか生活というか常識が違うので・・・多
 分本人はこんな深夜に攻め込まれるとか考えてないんでしょう・・・」

「そうなんですか?こういう暗い時こそ攻め込まれる可能性が高いのに・・・」



レプシスもその場にいたがこの件については生活感の違いという訳でむやみに

責めることはできなかった。兵士とあれど突然生活リズムを変える事は難しい

特に長期ともなれば順々に慣らしていかなければ心身ともに負担となるのだ




「起こした方がいいのでは?」

「起こそうとはしたのですが・・・何をしても起きませんでした」

「・・・君たちは大丈夫なのか?」

「あぁ、俺とシズクは・・・こういうの普通というかいつものことですので」

「もしかして・・・今までの旅の見張り番も2人が?」

「まあ・・・そうですね」



しかしこれはギンもシズクも故意で行っていること故彼女に非はないという



「・・・お願いします。彩花さんを責めないでください」

「いや、責めるつもりはない。我々と彼女の常識が違うだけなのだから」

「そういって貰えると嬉しいです」



彼女の行動は奇行ばかりで呆れることも多かったがそれらのほとんど

が祖国では当然のことだという。彼らと生活の軸が全く違うのだという



「我々からすると奇妙に見えるように、我々の常識は奇妙に見えるのだろうか」

「多分。聞いた話では最初に外国で剣を見たときは感動したと言ってましたから
 。無知に見えますけど、あの人は俺達が知らないことをたくさん知っていますよ」

「例えば?」





「ここでこんな事話してる場合でしょうか?集中するべきでは・・・」

「なに、想定までまだ時間はある。見張りは怠っていないし問題あるまい」

「・・・俺達はパンが何からできてどうやってできているのか知りませんでし
 た。けどあの人はそれを教えてくれたんです。それは未知の世界を旅する
 ような感覚で、もしかしてあの人もそれを求めて旅をしているのかな・・・と」

「知らないのか?見たことはないが知識としてなら私も知っているが」



ギンは多くを自由のない場で過ごしたからと告げた



さらに時間は経ち時刻で言うと5時過ぎごろ、そろそろ日が昇り始める頃だ

あれから何度もシズクは彩花を起こしに行ったが起きず時間は刻々と過ぎた



「推測が正しければ、そろそろ想定範囲内の刻になります」

「うん」




少しずつ辺りが明るくなってきた頃、伝達が入る。その内容はべス兵の姿を

確認したという事だった。その数は、目測であることは確かなので正確な数

字とは言えないがリレミア兵とは比べ物にならないほどの数だったという



「彩花さん、べス兵が近づいてきています。起きてください」

「zzz・・・・・」


いくつか部隊が城の前にいるとはいえど、突破されるのは時間の問題だ

町の住人は事前に城から報告を受け別の場所に避難していたので城下町

は昼間の賑やかさとは裏腹に静けさに満ちていた



「彩花さん・・・困りました」



30分近く経った頃、ミズキの元へ予想通りの伝達が入る


「第1部隊、突破されました!」

「・・・・・・・」

「王子、気持ちはわかりますが・・・ここは押さえてください」

「でも、僕は・・・」

「兵は皆、王子とこの国の為に戦っているのです。その意思と命を無駄にしては・・・」

「・・・わかっている」


その後も次々部隊が突破され、このままいけば後1時間もしないうちに城にたどり

着くだろう。既にリレミア王国は多くの兵力を失っている。この状況はどう見てもリレ

ミア王国が不利だ。絶望的ともいえた。そんな中ミズキは顔を上げ告げる



「しかし。諦めるわけにはいかない。総員配置について」

「はっ」






声が聞こえる。それは次第に鮮明になり、何かが晴れる感覚がした




「もう朝かい・・・?」

「何を言っているんですか。べス兵が後1時間もしないうちにここにきますよ」

「・・・・・・ふぇっ!?」



衝撃的な言葉を聞き脳内は一気に覚める。起き上がるがまだ外は薄暗い


「・・・え?」



彩花は会議の内容を思い出す。その内容を辿っていくと焦るように尋ねた




「確か・・・城の前に5つの小隊を配置したんじゃ・・・」

「既に3つの部隊が突破されています。王子の命により残り二つの部隊も撤退。城
 に戻ってきます。遮るものが何もなくなりますから、城に着く時間が早まるかと」

「突破って・・・」



戦闘の末に負けるという事は何を意味するか、1つの文字が頭に浮かんだ。脳

内が白一色に染まり思考を放棄しかけるが我に返るとさらに質問を投げかけた



「・・・生存者はいないの?」


死について誰よりも馴染みのない言葉にシズクは考えていることを察知した




「・・・わかりません。突破されたことしか報告にはありません」



突然のピンチ。すでに3つの部隊が突破された。こんな展開ゲームじゃ

あり得ない。だけどこれはゲームじゃない。紛れもなくここは現実なのだ


(冷静に、そう冷静に)


未だに慣れない恐怖とパニックを押さえながら落ち着かせる。誰ひとり殺さ

ない。死なないなんてただの戯言。あり得ないことくらい分かっていたのに

ついさっきまでの記憶は何もなかったのに、一瞬で事態は変貌した



「とりあえず、王子たちの元へ向かいましょう」

「う、うん」




廊下を駆け抜けているとふと窓から自然のものではない何かが見えた

立ち止まり凝視しているとそれは割と近い位置に見える行列。べス兵だ



「まったく、ヒヤヒヤしたんですからね」

「あ、あぁ・・・ごめん」



ミズキの元に連絡が入る。帰還命令を出した第四、第五部隊が無事帰

還したようだ。ミズキは各部隊に配属場所を伝えていると彩花は尋ねた



「んで、私達はどうすれば?」

「レプシスさんからだと、ミズキさんの護衛について欲しいと」

「ふうん」



辺りを見渡すと確かにあの人の姿がない。その時兵士がやってきて告げる




「ご報告です!レプシス将軍率いる王宮騎士団とべス兵中心部隊が接触しました」

「ミズキ様、奥へとお下がりください」




ミズキは一瞬渋ったように見えたがレイムさんの言葉に頷きその場から背を向けた




「うーん・・・・」

「どうしました?」

「なんかなあ・・・・」


王の間まで下がると伝達兵からの言葉でしか状況を知ることができなかった


「・・・・・・・・なんか落ち着かないなあ」

「確かに、こうして戦況を見ているだけというのは・・・なにか落ち着きませんね」


そわそわしながら待っていると、再び伝達が入る。しかしそれは今までの

苦境とは違い、朗報だった。少しずつ押し返している・・・と緊迫の中告げる


「あの数を相手にですか!?」

「レプシスは将軍と呼ばれるだけあって優秀だからね。もちろん王宮騎士団も」





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次回

王宮騎士団の奮闘もあり事態は時間の経過とともに良い風が吹き始めていた

しかし戦力差から急な戦況の変化に彩花とシズクは違和感を感じていた。治ま

らない胸騒ぎに彩花とシズクは偵察に向かう事にし、その先で違和感を掴む


次回 第12章、「見えない意図」


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