INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第10章、意思と志向

リレミア応急騎士団団長レプシスの提案で三人は模擬戦に参加することに。そ

の中で彩花は魔道の力を使うが剣技の未熟さを指摘される。数日後、報告を元

にレプシスとギン、シズクはべスの将軍と会うが村に賊が押し寄せ・・・!?
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時間は遡り、数時間前。今日一日自由を言い渡された彩花は城下町

に来ていた。馬車が次々行き交い、まるで祭りかのような賑やかさに

相まって天気の良さに空を見上げては日差しを遮っていた



「嬢ちゃん、パンひとつどうだい?」

「あんた珍しい髪色してるね。外から来たのかい?」



本当はシズクやギンも誘いたかったけれどシズクは人が多い場所は

苦手で街といった不特定多数の人が行き交う場所は苦手だと断られた

ギンはどうやら通じたものがあるのかレプシス将軍の元へ行っていた



「あ、おいしい。これは・・・クロワッサン?」

「そうさ。この店で人気のパンだよ。よくわかったねぇ」




そうして歩いているものの総面積はかなり広く一日では回れそうにない

そんな途中、ふと見えた造形から立ち寄った協会で少女とであったのだ






「ヒヒィィィィィィン!!」



突然の音に馬が鳴き声を上げて逃げ出していく




「一人も残すなあっ!」

「・・・・・・っ」


隣で少女は震えている。そしてまた彩花自身も恐怖に支配されていた



(このまま隠れても見つかるかもしれない。そしたら・・・)



そう思考が浮かんだ途端何かが浮かんだ。それはここではない記

憶で遠いけど近い記憶。村を襲い、賊は逃げ回る人々を斬り付けた



(このままじゃ・・・あの時と同じだ)




馬小屋で隠れるように少女と彩花は身を潜めていた。その間にも何かが

壊れる物音が聞こえ荒々しい声も聞こえる。あらゆる思考が頭の中を巡

る中、待つことも選択肢にある中意を決した少女は立ち上がった



「彩花さん?」

「セルリア、ここにいて。・・・ネール」



彼女の額に手をかざし、呟くと彼女を青い膜が覆った



「え?」

「この中にいれば安全だから・・・」



次の瞬間、馬小屋の扉が開いた。奥にいる二人の姿を見て男は笑みを浮かべた



「見つけたぜぇ・・・!」

「!」



少女がビクッと反応した一方。立っていた彩花は静かに剣を引き抜い

た。そして男を見据えると両手で剣を握り、叫び声と共に駆け出した



「う、おおおおおおおおっ!」



勢いよく駆け出すと男から笑みは消え剣を構え駆け出した

数秒後、真っ先に剣を振るうが男は難なく避け、剣を振り下ろす



「っ!!」

「っ・・・!・・・フロル!!」



セルリアが絶望の表情を浮かべた瞬間、少女は唱えるとその場から姿を消

した。そして男の背後に現れると再び剣を振るい男の装備が地面に落ちた



「こ、の・・・!」



間髪入れず男が振り上げた瞬間、少女は勢いをつけると腹に蹴りを入れた




「ぐ・・・が・・・」



男は反動でよろめき、次の瞬間雷魔法を唱え男はその場に倒れた。その

後勢いで外に出ると気づいた賊たちが少女を取り囲むように立ちはだかる



「この人数で勝てるとでも思ってるのか?」

「それでも・・・!」



微かでも、その言葉には力が込められていた。そして・・・



「戒めの鎖よ、全てを薙ぎ払え。・・・ウィンディ!!」



かざした手から詠唱と共に緑の光を纏った風が吹き荒れた。家屋を巻き込み

下に落ちていた瓦礫を巻き込み、巻かれた風は強くなり、人をも巻き込んだ

数秒のうちに、賊は道端へと倒れこみ残っていた賊もギョッとするとたじろいだ



「報告です!現在報告によると死者は無し!住人は避難しています!」

「!そうか」


兵士からの続報を聞き、レプシスはほっと溜息をついたが


「・・・どうやら、少女が助けてくれたとか」

「少女?」


次の言葉を聞いてレプシスは聞き返す。が間もなくギンが呟いた


「・・・彩花さん!彩花さんですよ!」

「なに?」

「いくらシズクが向かったと言えどこんなに早く収拾できるわけありません。確
 か村は城下町から近いんでしたよね?彩花さんが先に気づいたのなら・・・」

「あいつが・・・?とてもそんな強いようには見えなかったが」









大勢の賊に囲まれその中には彩花がおり、賊たちと互いに間合いを取っていた

1人が攻撃を仕掛けるために斧を投げる。間違いなくこのままいけばその斧は

少女に当たるだろう。斧が少女に迫った時、その斧ははじき返された



「またか!どうなってやがる!?」

「大丈夫。ネールの力があれば・・・フロル」




次の瞬間、少女は中心から姿を消した。そして現れては消えをくり返し、少女

が立った時には賊が倒れていた。その手には血のついた剣が握られていた。そ

れは囲まれ次々と攻撃を往なす際、危険を察知し無意識に振るった刃が当た

り、服と共に肉体を斬った結果である。傷は浅く男は蠢きながら



「うぐ、ぐああ・・・っ!」

「・・・・・・っ」



耳を塞ぐように視線を逸らし、赤く染まった地面を見ないようにしていた



「彩花さん!」



その時、上空から聞きなれた声が聞こえた。上を向く間もなく声の主

シズクは誰かを抱えたまま高度を下げるとふわりと地上に舞い降りた



「セルリア!?どうしてここに・・・」

「彼女のお蔭で怪我を追った村人たちに命の心配はありません」

「!」

「私、杖が使えるの。だから、治癒ならできるよ!私にも手伝わせて!」

「僕も応戦するよ」

「ミズキ!」



さらに建物の陰から駆け出し現れたのは剣を握ったミズキだった



「後は私達に任せてください」

「リレミアの地で勝手なことをするのは許さない」



戦いが終わり約半刻後、応急騎士団とギン達が村へ辿り着いた



「これは・・・」

「王宮騎士団の奴らだ!」

「なぜだ!奴らはあいつらが引きとめてたんじゃないのか!?」



既に賊は縄でしばられ身動きが取れない状況になっていた。想像とは違う光景

に驚くが、状況を確認するように辺りを見渡すと村は無残にも多くが壊れていた

ギンやレプシスの思考に気づいたのかシズクが状況を告げて行く



「村人は怪我はあるものの全員無事です。賊は逃げた者以外は捕縛しました」

「これは君がすべてやったのか?」

「いえ、私が来た時にはほとんどが倒れた状態でした」

「!ということは・・・」

「ほとんどが彩花さんの手によるものです」



驚きが隠せず辺りを見渡すが、どこにもその張本人の姿が見当たらない



「・・・で、その本人は?」

「あぁ、他にも危険がないか偵察に行くって。近くにいるんじゃないかな」








「ミズキ様、ご報告が」



城に戻った一同はレプシスからの報告を聞いていた


「それについては、君たちがいない間に敵兵がきてこの文書を置いて行ったよ」

「それは?」

「・・・宣告書と言ったところかな」



その紙を広げると、ミズキはこう告げた


『3日の間に条件を呑まなかった場合、3日後、リレミア城に攻撃を仕掛ける』

「え!?」

「・・・やはり王子の耳にも・・」



「もちろん条件を呑むつもりはない。今すぐに3日後に備え会議を行う」

「了解しました」




「あの数を、彩花さん1人で倒したんですか?」

「え?」

「報告だと、かなりの人数がいたと聞きましたが・・・」

「・・・あー・・・どうだろ、次から次へと出てきたし、いちいち数えてなかったなあ」



苦笑いしながら告げる姿に誰もが言葉を失っていた。それだけ彼女がした

事は並大抵のことではないからだ。これまでの行動からもとても想像できない




「お怪我などは?必要なら手当を」

「だ、大丈夫だよ。怪我はしてないし」

「そう・・・ですか・・・」



「彩花殿」

「・・・・はい?」

「見たところ、君は傷一つ受けていない。どうやって戦ったのだ?」

「・・・・・魔法・・・ですかね?あとは剣と・・・でもほとんど魔法です」



傍から見れば兵の力にも及ばない。町娘となんら変わらない見解だろう。だ

が彼女が一つ話せば聞いた誰もが驚く。彼女はただの魔法使いではない



「魔法であそこまでできるものなのか?」

「・・・彩花さんは特殊なんですよ」

「というと?」

「魔導書がなくとも、魔法が使えるのです」



ギンがそう告げるとレプシスは「なに・・・?」と驚きの声を上げた



「彩花さんは僕たち以上に色んな国を旅していて・・・その中で魔導書がなく
 とも使える魔法が存在し、教わったとか。それもひとつや二つではなく・・・」

「この国では珍しいかもしませんが外では意外と普通なんです」




それから間もなく、城にとある人物が訪れた



「セルリア!」

「君は、村にいた・・・」

「王子様、今大変なことになってるって聞きました!」



王座に現れた少女の手には杖が握られていた。これであの時も村人達の傷

を癒した。ミズキたちが助けに来た一件で何かがあると知り来たのだという



「私も、私もお手伝いさせてください!」

「え?でも、君のような子にそんなことは・・・」



すると少女は杖をさらに強く握りしめながら口を開いた



「お願いします!あの時助けてもらったお礼に、私もお手伝いしたいんです!」

「そんな、僕は当たり前のことをしただけで・・・」

「回復なら任せてください!皆さんほど強くはないですけど・・・」

「・・・なら、君の意を汲んで頼んでもいいかな?」

「!・・・はいっ!」









「隠していた訳でも、偽っていた訳でもないんです」



別の部屋、ギンの言葉にレプシスは顔を上げた




「あの人は強い。俺達にはない強さを持っています。けど彩花さん自身が言って
 いたようにあの人は誰よりも戦いが嫌いなんです。故郷の風習もあってか人を
 殺めることはできず、血も誰よりも苦手で、見るだけで気分が悪くなるとか」
 
「ならなぜ戦うと決めた?王子の手助けをすると決めた?」

「それは・・・多分、意地だと思います」

「意地?」







「少なくとも、あの人は利益とか損とか・・・そんなことは考えていないと思います」





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次回

3日後に攻撃の宣告を受けたミズキ達は防御を固めるために緊急会議を

開く。その中に呼ばれた彩花たちと初対面するのは旅商人であるルイス

そして当日、ミズキたちは準備を進め、ギン達もその時を待つが・・・?



次回 第11章、「旅商人ルイス」


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