INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第7章、青年の正体

ミズキと共についに目的地へと近づくがべス王国の兵が行く手を遮る。多勢に

無勢、怒涛の攻撃に彩花は女神の力を使う。命を繋ぐも直後別の統一された

鎧を身に着けた兵士たちに囲まれる。しかしそれを止めたのはミズキで・・・
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「これが城の中・・・」

「あー・・・もしかして、2人は城の中見るの初めて?」

「そうですねー・・・入るのも見るのも初めてです」



訳が分からないまま私達はミズキの後をついていた。彼がなんの躊躇もなく

敷地内に、城内に入っていったことに驚きを隠せない。しかし衛兵が来る様

子もなくギンとシズクは落ち着かない様子で辺りを見渡していた



「あの」



そうミズキに話しかけようとした時。遠くから男性の叫び声が聞こえた




「ミズキ様ーーーーー!!」



廊下の先を見ると慌ただしく誰かが駆けてくるのが見えた。息を切らせながら

も一目散にこちらへ向かってくる姿は兵士ではないと思われる中年の男性だ

4人の前で停止すると息を切らせながら再び彼は途切れ途切れに言葉を発した



「ご無事でしたか・・・!」





「この方達が助けてくださったのです」

「うっ・・・うぅぅ・・・」



答えたミズキの姿を見るなり中年の男性は目尻に涙を浮かばせ、それは

瞬く間に流れた。3人はギョッとするもののお構いなしに泣き声を上げて

いる。この状況に、彩花を始め誰もが「?」を浮かべざるを得なかった



「うぅぅ、わたくしは、わたくしは・・・・・・・!」

「レ、レイム、僕はこの通り何一つ不自由なく生きてるから顔を上げてくれ」



そんな様子を見てミズキも困ったように焦った表情を浮かべていた。これが

感動の再会であろうことは一目瞭然、だから下手にお茶を濁すことはできな

い。誰もがどういうこと?と思っているだろう。だが確かめなければならない






「・・・あの、ミズキ?」

「・・・あ、申し訳ございません」

「も、申し訳ございません。つい・・・あなた方にはなんとお礼を言ったらよいか」




男性は深々と頭を下げた。そして直後、少女はあの質問を投げかけた




「あ、いえ、そうじゃなくて・・・ミズキ『様』って・・・?」

「話されてなかったのですか?」

「君じゃないか、他人に安易に身分を明かすなといつも言っているのは」



その言葉を聞いて彼は安心したような、感激したような顔をして笑った




「そうでしたね。となるとこの方たちは・・・」



名を明かしてもさっきの質問からすると彼の正体は知らないだろう。だがと

いうことは彼女たちは素性を隠した彼を手助けしたということになる。普通

に考えたら考えられない、摩訶不思議な光景に思考を巡らせていると



「まずはミズキ様」

「なんだい?」

「着替えたらいかがでしょうか?このままでは失礼ですし」

「あ、あぁ・・・そうだね。少し、待っていただけますか?」

「あ、あぁ、うん」




それからしばらくして、再び彼が現れる。新調された衣服はデザインは

さっきまでのものと同じだが、泥による汚れやしわ、戦闘の際刃物によ

る破れなどがなくなり一層煌びやかな風格を感じさせた




「君は・・・」



真っ先に黒髪の少女は、青年に問いかけた




「君は一体・・・?」

「お返事が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。私は・・・」














「この国の王子、ミズキ・リレ
                       ミア・ヴィンヘルムと申します」








「・・・・・・・」



声を張り上げたのはギンだった。シズクは驚いた顔をしたものの叫ぶことはなく





「えっえええええっ!?ミズキさん・・・王子なんですか!?」

「黙っていてすみません」

「えっえっ・・・?」


ひとり声を上げるギンはさっきから言葉を発さない2人の方へと振り向くと


「2人も何か言ってくださいよ!」

「いえ・・・驚きましたけど・・・・・・ギンは反応が大げさ過ぎます」


この場に及んでも表情を表に出さずにシズクが告げる。そんなギンは

彩花の方へ向くと一目で驚いている、という表情は汲み取れたものの




一人称が『私』で気品あふれる話し方をし何度も兵士から狙われた。そして

・・・その見た目。お世辞にも質素とは言えずただの平民ではないだろう



「・・・あー・・・まあ・・・そんな感じはしてた」

「え・・・?」

「そんな姿してるんだから少なくとも貴族・・・位には思ってたけどまさかの
 王子だったなんて。びっくりしたけど、言われれば納得もできる・・・かな」





「君が色んなところで行方不明と噂になっていた王子なんだね?」

「って彩花さん!相手王子ですよ!敬語敬語!!」

「いえ、お気になさらず。貴方達は命の恩人なんですから」

「そう言って貰えると助かるよ。実は私敬語が苦手で」



互いが苦笑いしながら話す間もギンは目と口を開けながら唖然としていた



「ギン?」

「・・・つまり、彩花さんは薄々勘付いていたって事ですよね・・・?」

「え?うぅーん・・・まあ・・・?」




「す・・・すごいです!」

「え?」



次の瞬間、ギンは目をキラキラさせながら少女に尊敬の眼差しを向けていた

そんな様子に少女はギョッとしながら困ったように驚きの声を上げていた




「改めまして、この度は王子を助けていただき。誠に感謝致します」

「あ、はい」

「私、ミズキ様の教育係でありますレイムと申します」



この城に入ったとき真っ先にミズキの元へ駆け寄った男性が一礼した

つられるように少女たちもお辞儀を返すとそれぞれの名を告げていく




「あの・・・なぜミズキは行方不明に?というかあの兵士は・・・」

「確か・・・隣国、べス王国の兵と言ってましたよね?」

「はい。ミズキ様は・・・というより我々は国土会議から帰る途中だったの
 です。そのときにべス王国の兵に襲われました。我々はバラバラになりミ
 ズキ様とも・・・我々は無事城まで戻ることが出来たのですが・・・・」






「ということは、ミズキさんがあそこに倒れていたのは・・・」

「はい。べス兵から、リレミア城まで逃げている途中だったのですが・・・
 途中で力尽きてしまい・・・気がついたら3人に助けられていたのです」

「・・・でも、べス王国はなぜリレミア王国の兵たちを?」

「・・・べスはここ、リレミアの領土を我がものにしようとしているのです」



過去にあった戦争の後各国は争わないと条約を組んだ。本来はその条約を元

にこんなことはあってはならない。しかしその条約を破り国会議の帰り道、

リレミアの者たちを襲ったのだとレイムさんは告げた




(・・・・・・・・)



やはり、戦争とはそういうところから起きるのか。少女はそう思った




「戦争は、なんとしても避けなければならない」

「はい。ですが王子。攻め込まれるのも時間の問題かと」

「だろうね」






「彩花さん、これ、どうします?」

「そうだねー」

「この状況からすると、旅どころではない気がします。かといっても
 すでにもうあの時と同じ状況になっているかもしれませんが・・・」

「船が動いていない?」

「かもしれません」


「それは問題ありません。貴方達は元の大陸へお送りします」

「ミズキ?」

「リレミア王国の船で。レイム、今すぐに手配を・・・」





「ちょっと待って。・・・仮に、そのべス王国の兵士とやらがここリ
 レミアに襲撃してきた場合、リレミア王国は・・・勝てるのかい?」

「!・・・それは・・・わかりません」


ギンはあることに気づく、なんとなく、少女の考えている事が分かってしまった


「彩花さん・・・まさか・・・・」

「・・・・・・」


ギンの問いかけにすぐに答えは返ってこなかった。引き留めたことにより

誰もが次の少女の言葉を待っていた。真意が、口に出されるその時を




「・・・私も、お手伝いします」

「!」

「この時に私がここに来たのは、こうしてこの国の王族に出会ったのはただ
 の偶然じゃなく何か意味があると思いたい。ギンとシズクは・・・どうする?」


2人は顔を見合わせた。けれどどこかそう言うと思っていた、という表情をしている


「俺は、彩花さんについて行きますよ」

「私も同意です」

「で、ですがしかし・・・」





戦力が増えるのなら願ってもない救いだ。現状、私たちは厳しい状況下にある。

国が滅ぶのも時間の問題だ。とはいえ、この人たちが加勢してくれたとしても



「とてもありがたいお話ですが、現状・・・リレミアとべスでは戦力の差が・・・」

「でも、私たちがいなくても抵抗はするでしょ?」

「それは!・・・当然です」



ミズキと出会ってここへ来るまでの時間はほんの2日、しかし僅かな時間の

間でも感じる事はあった。だからこそここで帰るわけにはいかないと胸に秘め



「どうしても君が悪い人には見えないんだ。だから手助けしたい」

「・・・・・・」

「これはある意味こっちからのお願いかも。手伝わせてほしい」




数秒間の沈黙が流れ、レイムを初めとした兵士たちはミズキの返事を待っ

ていた。少女達の目に曇りはなく、何かを感じたかのようにミズキは告げた




「では・・・お願いしても宜しいですか?」

「・・・!もちろん!」

「・・・感謝しかありません。恥ずかしながら今のままではこちらに勝ち
 目は薄く・・・あなた方が味方になってくれるなどなんて心強いことか」





それから王の間を後にした3人の中、ギンは尋ねた




「彩花さん、よかったのですか?」

「・・・どうして?」

「いえ、決断に異論はないのですが・・・」


途中まで言いかけてギンは口をつぐんだ。それは彼女は自分たちと

は明らかに違うものがあるからであり。彼らともまた違うものであろう



「忘れては・・・いませんよね?あの時の事を」

「・・・あぁ、忘れないさ」

「なら良いのですが・・・少し、理解しかねます」

「だろうね。私も帰るのが正解だとは思う」

「なら、なぜ・・・」




握りしめた手の力を強め、窓から広大な街並みを眺めると告げた




「けど帰ったら絶対に後悔する。一生後悔すると思う」





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次回

ミズキの正体を知った彩花達はリレミア王国に協力することに決める。ミ

ズキたちは三人にリレミア王国の歴史と意向を告げる。しかし間もなくべス

王国の兵がリレミア領内に現れたとの報告が入り、城内は慌ただしくなる




次回 第8章、「惹かれた理由」


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