INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第2章、砕牙の咆哮

ランドール大陸にやってきた旅人彩花、ギン、シズク。その中でも彩花は戦い

に縁がなかった。族に襲われても退けた2人の強さを称賛し楽観的な少女に

呆れるギンだったが、その裏には彼女への関心と尊敬が隠れているのだった
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「こういう事には抵抗ないんですか?」



ある日の夜、野宿することになったのだがギンの問いかけに少女は

これまでも旅をしたときに何度もしたことがあると慣れたように告げた



「あの時みたいな野宿はなかったけど。ていうかいらないけど」



3人は長い付き合いではない。ついこの間出会い、一年も経たぬうちに結成

された。だから互いの事を知らない、ギンからすると彼女の行動は謎だった




「俺には理解できません。なぜ平和な地にいながら危険な場を旅するのか」

「何故って?」

「彩花さんも知る通り俺たちは奪わなければ生きられなかった。生きるため
 には手段は選んでられなかった。なのになぜ危険な方を選ぶのか・・・」

「・・・理解できない?」

「はい」




パチパチと木が燃える音が鳴る中少女は質問に答えた




「平和なのはいいことだ。けど何もない日常はつまんないんだよ」

「それはどういう・・・」

「見慣れた狭い世界で生きるのはつまんない。当たり前のルールや常識に縛
 られるから。それに話で外の世界は知らないことが沢山あるって聞いたから」

「・・・・・・」

「旅するのは知らない世界を知りたいから。危険な場所を選ぶのは・・・危険だ
 からその場に行ったわけじゃないよ?たまたま選んだ場がそうだっただけで」



自分には理解できないが人は時に知らない世界に行きたくなる事があるらしい

有名な綺麗な景色が見たいから、その場で行われる祭りが見たいから、それぞ

れ理由は違うがどれもが旅の一つだと彩花は言う。そんな言葉にシズクが



「・・・私には夢も希望もなかった。だからその心は・・・少し理解しかねます」

「かもね。けどきっとこれから・・・分かると思うよ」




「で、目的地の・・・なんだっけ?」

「レイヴァン郊外地を目指します。町の人から聞いた話ではこの大陸で一番有名
 な建物があるようですよ。他国からも多くの観光客が訪れるとか言ってましたし」

「その為にはまず王都を目指す必要がありますね」




地図を広げるとギンはある場所を指さした。それが今いる場だという




「この大陸には4つの国があります。で、王都は・・・ここです」

「先程の町で、ここの単価がゴールドというわけでお金については問題ないでしょう」

「そんなにお金無いけどね。だから野宿してるんだけどね」




彩花が呟くと数秒間沈黙が流れ、ギンは深いため息をついた



「俺達が口出しできることじゃないですが・・・先が思いやられますね」

「まあまあ、今までもなんとかなったんだからきっとなんとかなる!」

「・・・・・・」



ここまで来るのにいくつかの村や街に出くわしたがやはり木造ではなく石

で作られたものがほとんどだった。外国にいるんだと言う事を実感していた




「ちなみに、今いる国は・・・」

「リレミア王国です。4つの国の中ではあまり大きい国ではありませんね」



この土地に来てから数日が経ち、地図をもとに次第に目的地へと近づい

ていた。その途中、村を見つけ休憩がてら立ち寄ることになったのだが




「妙に静かですね」

「昼だというのに・・・」




2人の言う通り日が昇っているにも関わらず村は静けさに満ちていた。誰ひと

りとして見当たらず村を歩き回っているとその時建物の影から人影が現れた


「旅の方・・・ですかな?」

「えぇ・・・まあ」






「それは・・・申し訳ないのだが・・・今ここは旅の方をもてなすことな出来なくての」

「それは・・・どういうことですか?」



見たところ何かに襲われたような、建物が壊れたような痕跡はない。故に気に

なった彩花が問いかけると数秒の沈黙の後、おじいさんは頷くと口を開いた



「最近輩がよく村にやってきての。物を奪っていくんじゃ」

「盗賊・・・?」

「近辺の村も被害に遭っているようでどうやらこの近くにいいるようだが・・・」



国の事は国の政府が治めていたりするものだが村の事まで手が回らない

のか。いくら国といえど全ての地域の統制など出来るわけもなくはたまた

別の理由があるのか。そんな思考を回らせると彩花はおそるおそる尋ねた



「あの、その盗賊がどこにいるかとかは・・・」

「わからん。一度村の若者たちが退治しにいったんだが・・・大怪我をして
 帰ってきての。聞く話によると拠点を見つける前にやられたそうじゃ。」

「ここまで来るのにそういうのには遭遇しなかったし・・・何も起きなか
 ったもんなあ。この辺りにそんな拠点になりそうな場所ってある?」



そんな会話の一連を聞いていたギンは気づいたように声を上げる



「って彩花さん、見つけてどうするんですか」

「え?・・・困ってるみたいだし、私達で追い出せないかなー・・・って・・・」




想像はしていたもののおそるおそる告げる少女に呆気に取られた。ここ数か月

共に過ごしてきたが彼女の考える事はいまいち理解できないと感じる事がある



「・・・・・・」

「だ、だって放っておけないじゃない?」

「彩花さん」

「・・・シズク?」

「私が空から見てみましょう。もしかしたらわかるかもしれません」

「シ・・・シズク?」



ふと発せられた少女を見るとギンは声を上げた。ここでもまたシズクは彩花

のしようとしている事に協力しようとしている。思っている事が伝わったのか



「・・・問題でも?私は指示に従うだけです」

「・・・・・・」


「ならシズク、頼める?」

「はい」


そう告げると数秒後少女の体が光り姿を変えてゆく。次第に形がはっきる

すると地から足が離れ遥か高く、空へと飛び立っていった。あっという間に

姿は見えなくなったものの起きた現象に村の人は目を丸くしていた


「な・・・な・・・?なんじゃ・・・?」

「あ・・・驚かせてしまってすみません。彼女、鳥になることが出来るんですよ」




シズクの飛んでいった空を見ながら少女は告げる



「『半獣族』・・・そう呼ばれてるそうです。普段は人の姿をしているんです
 があぁやって化身することが出来るんです。でも、とても優しい人ですよ」

「あんなのは初めて見た。外の国にはあんなのがいるんじゃな」

「まあ、場所によっては軽蔑されたり、色々と大変だったみたいですけど」

「ふむ・・・」






それからしばらく経った後・・・





「どうだった?」

「それらしき集団を見つけました。どこかへ向かっているようですが・・・」

「まさか、別の村へ・・・?」

「その可能性はありますね」



見かけた場所を尋ねると村の人々は驚いたようにざわめくと数人が尋ねる




「まさか、行くのか?」

「はい」

「あんたら、3人でか?」


ずっと建物に隠れていた村の住人たちまでもが次々と建物の中から現れる

その中には幼い子供達の姿もあり3人の姿を見ると大人と同じように尋ねる




「おねーちゃんたち、強いの?」

「うーん・・・少なくとも、この二人は強いんじゃないかな」

「おねーちゃんは?」

「おねーちゃんは・・・あんまり戦ったことないからねえ。人とは」

「人とは?」




「あーああ、時間がない。早く行かないと、シズク!」

「はい」


先導するシズクの後をついていく中いなくなった3人を見ながら住人は



「大丈夫なのか・・・?」



と不安の言葉を漏らしていた



「人の臭いがしますけど近くではないようですね。おそらくこの道を通った
 んだと思います。この先には村があるのでやはりそこへ向かったかと」

「村に着くまでに追いつかないと・・・!」




しかし村にたどり着いたとき、既に賊たちは村を襲っていた。悲鳴と荒々

しい音が聞こえ焦りが一層強くなる。視界の中にも数人の盗賊が見える

ものの戦闘経験の浅い彩花は頭の中でどう仕掛けるか考えていた




「これ・・・どうやって行くの・・・ってギン!?」



助言を求めようと声をかけかけた瞬間、横を遮りギンは盗賊たちの中へと

飛び出していく。唐突な行動に思考が追いつかぬまま驚きの声を上げるが

迷いのない動きで次々と盗賊たちを持っていた短剣で倒していく




「・・・・・・」




続いて化身したシズクもまた次々と盗賊たちを倒していく。手慣れた動きに

ドミノのように倒れていく姿を見て少女はただ茫然とその風景を見つめていた



(す、すごい)



知ってはいたけれどやはり俊敏な動きに目が離せない




「・・・はっ。だ、大丈夫ですか?」



ふと我に返った彩花は膝をついていた村人たちに駆け寄った



「あ、あぁ・・・。君たちは?」

「わ、私たちは、えっと・・・とにかく敵じゃないです!」





多くの盗賊たちはギン達が倒し村人は安全な場所へと逃げていく。全員が

いなくなったことを確認すると視線が合った盗賊の一人が向かってきた




「こ・・・の・・・・!」

「!」



数秒のうちに距離は縮まり後数秒もしないうちに前の前に迫るだろう。一瞬の

うちにそれは分かれど行動が伴わず目を見開きながらその場から動けなかった



(来る・・・っ!)



そう思った瞬間、手を伸ばせば届きそうな距離で男は倒れた






「ありがとうございます」



元の村に戻った3人は無事盗賊を倒したことを、村の安否を村人に告げ

た。お礼を言われるものの盗賊を倒したのはほとんどあの2人だった





「そうかい。君たちは旅人だったのか」

「えぇ、まあ・・・」

「本当に助かったよ。ようこそランドール大陸へ」

「ランドール大陸?」

「そう。ここはランドール大陸。その中でもここはリレミア王国っていう国さ」




そんな旅の途中に助けてもらっちゃって・・・と何度も頭を下げる村人達に対

し彩花は咄嗟に否定した。特に大した問題ではない・・・と。2人も同じようで



「偶然通りかかっただけですから。それにあのまま放置していても次の場所を
 目指す途中で俺達が襲われていた可能性だってありますし。あらかじめ存在
 がわかったのはかなり大きいと思います。ですからこちらこそって感じですね」

「そうですね。奇襲を仕掛けられたらわかりませんでしたし」



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次回

ある村で一晩を過ごすこととなった三人は村人たちよりこの国に関する

ある噂話を聞く。真偽が問われる中またしても賊の襲撃を受ける。そこに

抗戦したのは彩花自身で、彼女は見も知れぬ魔法を扱うのだった・・・・・・



次回 第3章、「レイド」


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